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【内容要約】源氏物語のあらすじを簡単にわかりやすくまとめて解説!5つの魅力も説明

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こんにちは。国語教師の常田です。
源氏物語のあらすじと5つの魅力を簡単にわかりやすくまとめましたので、ご覧ください。
第一部、第二部、第三部の3つのパートにわけて解説しています。
源氏物語の各帖のあらすじは下部へ移動してください。

源氏物語とは?世界最古の長編小説の構成

源氏物語は、平安時代中期、11世紀初めに成立した、世界最古の長編小説です。
作者は、紫式部という女性。
七、八十年の時間の流れを描いた大河小説で、500人ほどの人物が広大なドラマを繰り広げます。

源氏物語は五十四帖から成り、各帖はそれぞれで完結し、その集合体として長編小説になっています。
五十四帖は、三部に分けられます。

一部は、桐壺(きりつぼ)の帖(第一帖)から藤裏葉(ふじのうらば)の帖(第三十三帖)まで。
主人公光源氏の誕生から、栄華を求めながら愛を遍歴する様が描かれています。

二部は、若菜上(わかなのじょう)の帖(第三十四帖)から幻(まぼろし)の帖(第四十一帖)まで。
光源氏の深まる苦悩や老いが描かれています。
※雲隠(くもがくれ)の帖は、タイトルのみで本文はなく、光源氏の死を示唆。

三部は、匂兵部卿(におうひょうぶのきょう)の帖(第四十二帖)から夢浮橋(ゆめのうきはし)の帖(第五十四帖)まで。
光源氏の死後、その子や孫が繰り広げるドラマを描いています。
宇治が舞台となる最後の十帖は、「宇治十帖」と呼ばれています。

作者・紫式部の性格が変わるほどの出来事

紫式部については、本名も生没年もはっきりしたことは分かっていません。
母を幼い時に亡くし、漢学者の父、藤原為時(ためとき)に育てられました。

式部には年子の姉と弟がいたようですが、姉は若い時に亡くなりました。
父が弟に漢文をせっせと教えてもなかなか覚えられず、近くにいた式部がすらすら暗誦して、「この子が男子だったらよかったのに」と言ったエピソードは有名です。

式部は当時としては晩婚で、20代後半に藤原宣孝(のぶたか)と結婚しました。
親子くらい年が離れ、式部ほどの年齢の子どももいる男性でした。
やがて娘が生まれましたが、夫が妻の家に通う妻問い婚で一夫多妻制の時代、夫の足は遠のきがちになります。
勝ち気な彼女も夜離れの悲しみを味わうことになりました。

しかし、夫は3年ほどしたころに疫病で突然他界します。
浮気ばかりしていたつれない夫ではあっても、式部は大きな衝撃を受けました。
強気で明るい性格が、複雑で内向的な性格にガラリと変わったと評されます。

そしてこの頃から、「源氏物語」を書き始めたようです。
夫の死後4年ほどして、藤原道長の娘で、一条帝の中宮である彰子に家庭教師として仕えます。
式部は道長という強力なスポンサーを得て、源氏物語を書き進めることになるのです。

源氏物語のあらすじを三部に分けて解説!

第一部あらすじ:光源氏の華麗なる生活

桐壺帝の子、光源氏は幼くして母を亡くし、実母によく似た継母・藤壺(父帝の妃)を恋慕うようになります。
2人の間には子どもが生まれますが、父帝の子として育てられることになりました。

他にも、正妻・葵の上との政略結婚、空蝉夕顔六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)などと恋をします。
葵の上亡き後は、藤壺によく似た、彼女の姪の紫の上と結婚し、生涯の伴侶とします。

そんな中、光源氏は自分の政敵、右大臣の娘・朧月夜(おぼろづきよ)と恋人関係になり、都を追われて須磨・明石で流離の日々を送らざるを得なくなります。
そこでは明石の君との出逢いがありました。

やがて京に戻され、源氏と藤壺の子が帝になることで、勢力を大きく盛り返し、自身の大邸宅・六条院で優雅極まる生活を送ります。
そして、太政大臣の後は、退位した帝に匹敵する待遇まで受け、名実ともにこの世の栄華を極めるのでした。

第二部あらすじ:優雅な生活の足元に忍び寄る影

光源氏は兄・朱雀院の愛娘・女三の宮を正妻として迎えねばならなくなります。
その後何年かして、それまで源氏の正妻格の立場にあった紫の上が病に伏してしまいました。

さらに女三の宮は、源氏の留守中忍び込んだ柏木という青年の子どもを宿したのです。
源氏は老いていく自分、過去の藤壺との過ちの報いを痛切に知らされるのでした。
やがて病気だった最愛の紫の上が亡くなり、光源氏は出家を決意するに至ります。

第二部の最後となる「幻の帖」に続く「雲隠の帖」には、巻名のみで本文はありません。
かつては存在したとも、初めから書かれなかったとも、さまざまな説があります。
長く寄り添ってきた主人公の最期を、作者・紫式部は書くに忍びなかったのでしょうか。
あるいは、読者一人一人の想像に委ねたのかもしれません。

第三部あらすじ:光源氏の子や孫を通して描かれる人間模様

女三の宮が生み、光源氏の末子として大切に育てられた薫や、源氏の外孫・匂の宮が当代きっての貴公子として登場。
光源氏亡き後、第三部の主人公となるのが薫と匂の宮です。

自分の出生や存在価値に疑問を持つ薫、思うように出歩けない匂の宮の苦悩。
そして、彼らと宇治の大君、中の君姉妹との関係、苦悩が語られます。

やがてこの姉妹の異母妹・浮舟が登場して、意外な展開が繰り広げられるのです。
浮舟が高僧・横川の僧都との関わりの中で下した決断とは、自身は身分も財も学問もない一女人だけれども、仏道一筋求めて出家する、というものでした。

その後の浮舟や男君たちは、どのようになっていくのでしょうか…。

源氏物語がもっと面白くなる!絶対に読むべき5つの魅力

1.世界から注目されている作品

「源氏物語」は世界の三大古典の一つと言われています。
世界中の主だった多くの諸言語に翻訳され、英訳も4回されてきました。
それだけ世界中の人々に読み継がれているということです。
ドナルド・キーン氏がマダガスカルを訪問した時、書店でピラミッド型に積み上げられた本の一番上を取ったら「源氏物語」だった、とよくお話されていました。

初めて英訳したのは、イギリスのアーサー・ウェイリー氏。
百年ほど前のこと、西洋文化や男性が優位なものと絶対視される中で、彼は非難に動ぜず、「源氏物語」の英訳を世に送り出しました。
保守的で最も伝統あるタイムズ紙が絶賛、ウェイリー氏の英訳から世界各国語に重訳されます。
55年前にはユネスコで作者・紫式部が「世界の偉人」に選ばれました。

2回目の英訳は、50年ほど前、エドワード・サイデンステッカー氏によってなされました。
川端康成の『雪国』を英訳し、ノーベル賞の賞金の半分を手渡された人です。
正確で分かりやすい翻訳により、知識人階級だけではなく、一般の人々にも広まりました。

サイデンステッカー氏は、日本の文学作品の中で「源氏物語」は抜きん出ている、と語っています。
ということで、長期出張で海外から日本に来る人の多くが、まず「源氏物語」を読んで行きなさい、と助言されるのだとか。

2.「物語」に込められた紫式部の信念

当時、「物語」は「女・子どもの慰みもの」といった存在でした。
しかし、作者・紫式部は、そのように捉えていません。

源氏物語の中で、光源氏に「これらにこそ道々しくくわしきことはあらめ」(物語にこそ、まことのことが詳しく書けるだろう)と語らせています。
歴史書といっても、表面的で一面的なもの。
物語にこそ隠された歴史が語られる。
また、人生や人間そのものの深奥に迫っていけるのは物語ならでは、という評価をしているのです。

だからこそ、当時も、これまでの千年間も、一流の文化人たちが「源氏物語」を絶賛し、研究や解説を試みてきたのです。

3.紫式部の深い学問、教養に裏付けられたストーリー

当時の貴族の女性として必須の教養は、和歌、書道、音楽です。
「源氏物語」の中でこれらが縦横無尽に語られていることから、作者の才能も分かります。

源氏の歌や勅撰集に採用された式部の歌を合計すると、約千首にもなるのです。
また、箏の琴を伝授していた記録があります。

他にも、裁縫や染色の技術、センスにおいても優れていました。
現代のデザイナーやプロの服飾関係の人が、「源氏物語」を読んで自身の創作活動に活かす、と言います。

ただ何と言っても紫式部がすごいのは、漢籍の教養に抜きん出ていたところでしょう。
当時の一流の漢学者と肩を並べるだろう、と言われています。

ちなみに当時、源信僧都の「往生要集」が男性貴族によく読まれ、中国に輸入されて絶賛されたといいますが、式部は暗誦するほど読み込んでいたそうです。
また日本の歴史書も、相当な中国の歴史書や詩文も読んでいたようで、なぜこんな有名でない箇所まで適切に物語に取り入れることができるのかと感嘆する人もいます。

女性の豊かな感情と様々な教養、漢籍で徹底的に鍛えられたであろう論理的思考やグローバルな視点が融合してできたのが「源氏物語」だと言えるでしょう。

4.登場人物の心理描写から見える深い人間観

それまでの物語では、人物のキャラ、人格、人となりは最初から最後まで変わりません。
ところが源氏物語では、登場人物は成長し、変化していきます。

一例をあげると、光源氏は若い頃、非常に醜く頑固で不器用な末摘花(すえつむはな)と結ばれ、失望の極みを味わいます。
こんな女人の世話をするのは自分くらいだろう、と見捨てることはしませんでしたが、何の魅力も感じていませんでした。

しかし源氏が無位無官となり、須磨に謹慎せねばならない不運な目に遭っていた時も、頑固で不器用な末摘花は源氏の言葉を信じてずっと待っていました。
極貧の中で彼女が自分を待っていたことを知った源氏は、近くにいれば不利と離れていった者もいる中、人間の値打ちはこんなところにあるのでは、と内面を見つめるようになっていたのです。

このように源氏物語では、何かを語る、行動を起こす、その人物の心の微妙な動きを見逃しません。
読者もともに、人間の心の淵を覗くことになります。

例えば、登場人物に一つ善をさせる際にも、状況を判断し、損得計算をしている心の動きを生々しく描き出します。
また、人徳もあり立派な政治を行った人物にも、「私は気づかないところで、数限りなく罪を造ってきたに違いない」と言わしめ、源氏や読者を驚かせるのです。
今までの人間観の変革が迫られますね。

5.光源氏を通して学べる人間関係の参考書

「源氏物語」は、実用書ではありません。
しかし恋愛のことや会社、家庭内の人間関係で悩んでいる場合、とても参考になります。

例えば、容姿にコンプレックスを持っている女性が、「私のスタイルはよくないし…」と言ったとき、「そんなことないよ」と否定することが多いのです。
状況にもよりますが、源氏なら「そうかもしれないが…、あなたには傷ついた私の心を優しく癒してくれる美点がある」と褒めます。

思いつきで言うのではなく、日頃から相手に心をかけ、観察しているので、ぴったりの言葉が出るのですね。
人間は自分が努力していることは意識していますから、「嬉しい!私のことをよく分かってくれている」と感じるでしょう。

女性に対してだけではありません。
光源氏は、病の人への見舞いや弔問、困窮している人への支援も丁寧で、心から感謝されています。
また、無位無官から再び権力を持った時、普通なら思いっきり打ちのめすところ、敵に仕返しをしないのです。
恩を受けた人には当然、精一杯恩返しをします。

こういったところからも、源氏が栄達の道を歩んでいった理由がわかりますね。

「源氏物語」各帖のあらすじはこちら

ここまで、源氏物語の概要や魅力について書きました。
実際に本文に触れていただくと、より面白さを知っていただけるのではないかと思います。

それぞれの帖を解説した記事がありますので、ぜひこちらもお読みください。

第一部

一帖 桐壺(きりつぼ)
光源氏が誕生する! 母・桐壺の更衣は他のきさきたちからのいじめで病死。やがて光源氏は実母と似ている継母・藤壺の女御を慕っていく。
二帖 帚木(ははきぎ)
光源氏17歳。ライバル頭中将らと女性談義で盛り上がったあと、中流貴族の人妻、空蟬のもとに忍びこむ。
三帖 空蝉(うつせみ)
源氏は再び空蟬のもとに忍び込むが逃げられる。空蟬の継娘・軒端荻と一夜を過ごすが、非常に悔しい思いになる。
四帖 夕顔(ゆうがお)
源氏は夕顔の女人と恋人になりのめりこむが、連れ出した邸で彼女は急死した。後で頭中将の恋人だったと知る。
五帖 若紫(わかむらさき)
藤壺の姪であり、後に光源氏の正妻格となる若紫を北山で垣間見る。都に戻り、藤壺を懐妊させた。秋には若紫を引き取る。
六帖 末摘花(すえつむはな)
源氏は頭中将との張り合いの中で手に入れる。器量が非常に悪く、度を過ぎる頑固さやセンスのなさに失望する。
七帖 紅葉賀(もみじが)
藤壺が男子を出産する。源氏の父・帝はたいそう喜ぶが、実の父は光源氏であり、藤壺の苦悩は深まる。
八帖 花宴(はなのえん)
夜中に宮中で源氏は朧月夜との恋に落ちる。彼女は敵・右大臣の娘だった。皇太子妃になる縁談が潰されることになる。
九帖 葵(あおい)
源氏の正妻・葵の上が男子を出産、少しして急死する。愛人・六条御息所の生き霊のせいではないかと言われた。若紫が妻になる。
十帖 賢木(さかき)
父・桐壺院が亡くなり、藤壺が出家する。立て続けに打撃を受ける中、朱雀帝が寵愛する朧月夜との関係が発覚し、窮地に追い詰められる。
十一帖 花散里(はなちるさと)
昔からの恋人、花散里に会いにいく。たまに訪ねる相手だが、心が慰められ落ち着くのだった。
十二帖 須磨(すま)
朧月夜との事件で流罪になるかもしれないと察した光源氏は、自ら須磨で謹慎する。
十三帖 明石(あかし)
須磨から明石に渡る。世話になった家の娘・明石の君と結ばれ、彼女は源氏の子を身籠る。
十四帖 澪標(みおつくし)
帰京した光源氏は政界復帰。藤壺との子が冷泉帝として即位し、明石の君が娘を出産する。
十五帖 蓬生(よもぎう)
源氏は末摘花の家の側を通りかかって彼女を思い出す。ひたすら源氏を信じて待っていた心に感動する。
十六帖 関屋(せきや)
逢坂の関でたまたま空蟬と再会し、手紙をやり取りする。空蟬は夫の死後、言い寄る継子から逃れるために出家した。
十七帖 絵合(えあわせ)
養女とした六条御息所の娘が、頭中将の娘と中宮の座を巡る絵合わせの勝負で勝利する。
十八帖 松風(まつかぜ)
明石の君が都の近くの大堰(おおい)で暮らし始める。源氏は三歳の娘を引き取り、正妻格の紫の上に育てさせる。
十九帖 薄雲(うすぐも)
源氏にとって永遠の女性である藤壺が亡くなり、悲嘆に暮れる。冷泉帝は自身の出生の秘密を知ってしまう。
二十帖 朝顔(あさがお)
朝顔の姫君には源氏は若い時にもアタックしていたが、この期に及んで真剣に求婚する。朝顔は拒みとおすが、紫の上は自身は果たしてどうなるのかと動揺する。
二十一帖 少女(おとめ)
源氏の長男・夕霧と幼馴染みで頭中将の娘・雲居雁の初恋が頭中将によって引き裂かれる。源氏は大邸宅・六条院を造営した。
二十二帖 玉鬘(たまかずら)
夕顔と頭中将の娘で、母の死後乳母に育てられていた玉鬘が、九州から都に戻って光源氏の養女となる。
二十三帖 初音(はつね)
六条院での華やかな正月の行事や交流が繰り広げられる。二条院には空蟬、末摘花が引き取られていた。
二十四帖 胡蝶(こちょう)
玉鬘は多くの貴公子から恋文をもらう上に、光源氏からも慕情を訴えられて戸惑う。
二十五帖 蛍(ほたる)
異母弟・螢兵部卿宮を招き入れて、蛍の光で玉鬘の姿を浮かび上がらせる。彼の恋心はますます募ってしまうのだった。
二十六帖 常夏(とこなつ)
玉鬘は和琴を習い始める。一方、同じく頭中将の娘で父の元にいる近江の君や雲居雁は親を困らせる状態だった。
二十七帖 篝火(かがりび)
玉鬘は懇ろに和琴を教えてくれる源氏に感謝しつつも、添い寝までしにくることに困惑する。
二十八帖 野分(のわき)
台風で被害を受けた六条院を見舞いに行った夕霧は、義母の紫の上の美しさに心奪われてしまう。
二十九帖 行幸(みゆき)
玉鬘の出生、経緯が実父・頭中将に知らされる。裳着の儀が行われて、冷泉帝の尚侍になることが決まった。
三十帖 藤袴(ふじばかま)
玉鬘の素性や宮中へ出仕することが世間に知れて、玉鬘に求婚していた貴公子たちは戸惑う。
三十一帖 真木柱(まきばしら)
髭黒が強引に玉鬘を奪い結婚することになった。彼の本妻は嫉妬に狂って実家に帰り、貴公子たちや源氏は落胆する。
三十二帖 梅枝(うめがえ)
明石の姫君が立派に成長し、盛大な裳着の儀が行われる。
三十三帖 藤裏葉(ふじのうらば)
夕霧と雲居雁の結婚が認められる。皇太子妃になる明石の姫君は実母・明石の君と再会。光源氏は栄華の絶頂を極める。

第二部

三十四帖 若菜上(わかなのじょう)
女三宮が光源氏に降嫁し、紫の上はかつてない動揺に襲われ苦悩する。柏木が女三宮を垣間見て恋心を募らせた。
三十五帖 若菜下(わかなのげ)
紫の上が病床に伏し、光源氏は看病の日々を送る。その隙に柏木が女三宮の元に忍び込み懐妊させた。
三十六帖 柏木(かしわぎ)
女三宮は柏木の子である薫を産み、出家してしまう。柏木は重病になり死んでしまう。
三十七帖 横笛(よこぶえ)
夕霧は亡き柏木の妻・落葉宮から遺品の笛を預かるが、父・源氏の求めに応じて渡す。
三十八帖 鈴虫(すずむし)
光源氏は出家した後の女三宮の世話もする。実子である冷泉院と対面して感慨に耽った。
三十九帖 夕霧(ゆうぎり)
夕霧は落葉宮に心引かれていく。雲居雁は嫉妬して実家に帰ってしまう。
四十帖 御法(みのり)
紫の上の症状は悪化の一途をたどる。出家を願うが源氏に許してもらえず、そのまま亡くなる。
四十一帖 幻(まぼろし)
紫の上の死後、源氏は悲嘆に暮れる。茫然自失の中、彼女の手紙を燃やして出家を決意する。
雲隠(くもがくれ)
帖名のみ。(光源氏の死が暗示されている)

第三部

四十二帖 匂兵部卿(におうひょうぶきょう)
光源氏の死から時が流れ、子や孫の時代になる。源氏の末子・薫と孫の匂宮が評判の貴公子だった。
四十三帖 紅梅(こうばい)
頭中将の息子・紅梅大納言は夕霧に対抗意識を持ち、長女を皇太子妃にする。
四十四帖 竹河(たけかわ)
玉蔓は夫・髭黒の死後、後見してくれる人のない息子、娘のことで苦労する。
四十五帖 橋姫(はしひめ)
薫は仏道を求めて宇治の八宮のもとを訪ねるようになる。ある時、八宮の娘たちを垣間見て姉妹に惹かれる。
四十六帖 椎本(しいがもと)
八宮は「軽々しい結婚をするなら、この地で独り身を貫きなさい」と遺言して亡くなる。薫は懇ろに姉妹の世話をする。
四十七帖 総角(あげまき)
大君に迫っては拒絶される薫は、妹の中の君を匂宮に紹介して二人を結びつける。大君はやがて死んでしまう。
四十八帖 早蕨(さわらび)
匂宮は中の君を宇治から都に迎える。
四十九帖 宿木(やどりぎ)
薫は中の君に求愛するが、懐妊していることを察知して断念する。中の君はやがて匂宮の子を産む。
五十帖 東屋(あずまや)
中の君は薫に異母妹・浮舟の存在を教える。薫は浮舟をわがものとして宇治に隠しおいた。
五十一帖 浮舟(うきふね)
匂宮も浮舟の元に通うようになる。二人の板挟みに悩んだ浮舟は入水自殺を図る。
五十二帖 蜻蛉(かげろう)
行方不明の浮舟の葬儀が済まされる。薫も匂宮も深く悲しんだが、すぐに別の恋を求めるようになった。
五十三帖 手習(てならい)
浮舟は横川の僧都に助けられていた。流されるままに生きてきた浮舟が周囲の反対を押しきって出家する。
五十四帖 夢浮橋(ゆめのうきはし)
浮舟が尼になったことを知った薫は、手紙を彼女の弟に持たせたが、顔を合わすこともしない。浮舟は動揺しながらも出家の意志を変えることはなかった。

まとめ

源氏物語にはあまり知られていない深い哲学や思想があります。
どんな状況にある人が読んでも優れた示唆が得られる作品ではないでしょうか。

源氏物語をまだ読んだことのない人は、少しでもその魅力に触れて頂きたいと思います。
また、読んだことのある人でも、源氏物語の魅力を知って読むと、更に発見があるかもしれません。

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