Dr.明橋のホッとする子育て相談室Q&A #19

  1. 子育て
  2. 育児

子ども2人が不登校に。自己肯定感の育て直しはできますか?

質問

高校生のお姉ちゃんと、小学生の弟が、2人とも学校に行けなくなってしまいました。
2人とも、たぶんHSC(ひといちばい敏感な子)だと思います。
自己肯定感がだいぶ下がってしまっていたのだと思い、「宿題やりなさい」と怒ったり、「早く寝なさい早く寝なさい」と言ったりすることは、一切しないようにしました。
けれども、そういうことで自己肯定感がもう一度育っていくのか、自信がないところです。
1年も経つので、これでいいのかどうか迷っています。

答え

私は精神科医になってから30年くらい、これまでたくさんの不登校の子に会ってきましたけれども、不登校は、本当に心配ありません
特にいじめにあったわけでもない、先生との相性も悪くない、だけど学校行こうとすると「おなか痛い」「頭痛い」と言いだす子の9割方は、HSCだと思っています。

質問は、不登校になって、低くなっている自己肯定感がを育て直すことができるか、ということですけれども、結論からいうと、大丈夫です。

統計的な調査で、中学3年生の時に完全不登校だった子どもの5年後を調べた、文科省の委託調査があります。8年の間をおいて2回やっています。
その結果どうだったかというと、5年後経って、学校へ行っている、あるいは仕事をしている子どもの割合は、約8割でした。
だから、ほとんどの子どもは元気になっていくということなのです。

もちろん、学校のトラウマがひどかったりして、ずっと引きこもっている子もいますし、5年後にたまたま家にいた、という子もあると思います。
しかし少なくとも不登校になったらみんな引きこもりになる、というわけでは決してない。むしろ多くの子どもは、ちゃんと元気になっているのです。
それは、私の関わっていた子どもたちも、みんなそうです。

確かに自己肯定感が低くなっているということもありますが、しかし家の中で、親にちゃんと見守られて、あれしろこれしろと言われずに、肯定的に関わってもらえば、自己肯定感は着実に回復していきます。

もしかしたら、それまでいわゆる手のかからないいい子で、背伸びしていたのかもしれません。
学校でも、本当の自分、ありのままの自分を出せてなかったかもしれない。
背伸びをしている状態というのは、子どもは、自分が人の期待に応えているうちは存在価値があるけれども、人の期待に応えなくなったら、その途端に存在価値を失うと思っているのですよね。
それは本当の自己肯定感ではないんです。

自己肯定感というのは、要するに、自分のいいところも悪いところも全部ひっくるめて受け入れられる、支えられる、それではじめて育つのが自己肯定感です
だからもし、今まで手のかからないいい子だったとしたら、不登校になることによって、こんな自分でも親は見捨てないのか、親の期待に応えなくても自分は生きてていいのかということを、確認しているのかもしれません。

それを親が受け止めているうちに、本当の意味で自己肯定感が回復してきて、「学校に行っていないような自分でも、親は絶対見捨てずにちゃんとご飯作ってくれた、ちゃんと見守ってくれた」と思って、元気になっていくんですよね。

ですからそういう意味で、不登校になることによって、自己肯定感を育て直す機会を得たといえるのかもしれません。

これは、非行でもそうです。
中学ぐらいになっていきなり荒れだす子の中には、それまでは手のかからないいい子だったのが、いきなり中学生になって荒れだした、ということがあります。
しょっちゅう外泊したり、警察に呼び出されたり。そういうことによって、実は、子どもはこんな悪いことしても、親に迷惑かけても、自分は見捨てられないのだということを確認しているわけです。
そういうふうに本当に確認できた子どもは、更生していく、立ち直っていくのです。

お姉ちゃんも弟さんも、どうしても学校が合わなかったのだと私は思うのです。
大事なのは、これからいかに支えていくかということだと思いますし、それによってちゃんと自己肯定感を育てることはできます。

元気になってきたら必ず、あれやりたいこれやりたい、と言ってきますから。そのペースに合わせてやっていけば、大丈夫だと思っています。

Dr.明橋の子育て相談室Q&A

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