Dr.明橋のホッとする子育て相談室Q&A #30

  1. 子育て
  2. 育児

育休後も子育てで頭がいっぱい。仕事に復帰する決心がつきません。

質問:仕事を再開したいのですが、子育てで頭がいっぱいで、一歩が踏み出せません。
勇気がないのか甘えなのか、前に進みかねています。

答え

仕事と子育ての両立について、また「子どもを保育園に預けて仕事するのってどうなんでしょう」というような質問は、本当によく寄せられます。

「仕事を休んでいると、社会から取り残されているみたい」とか、「毎日宇宙人としゃべっているみたいで、人間としゃべりたい」という悩みを持っているお母さんも、結構いると思います。

「3歳児神話」というのは、3歳までは母親は仕事を辞めて育児に専念すべき、という考え方ですが、今は、その考えは、厚労省も「少なくとも合理的な根拠は認められない」と明確に否定しています。

母親の就業についてはいろいろな調査がなされていて、結論は、親が仕事をしているか、いないかで、子どもの成長に一切差は見られなかった、ということです。アメリカでも日本でも、調査結果は同じでした。

ですから、「母親は仕事を辞めて育児に専念したほうがいい」という人もあれば、逆に、「親が仕事に出たほうが子どもの社会性は育つ」など、いろいろなことがいわれますが、実際は、お母さんが仕事に出る出ないで、子どもの成長に一切差はありません。
ですからあとは、どちらが子どもと親にとって幸せか、ということですね。

「自分は2つのことを同時にやるのが苦手なので、子どもが小さい間は経済的には厳しくても、子育てに専念しよう」
と思う人は、そういうふうにすればいいですし、また、逆に「子どもと24時間ずっと一緒にいるより仕事に出たほうが気分転換もできるし、そのほうが子どもに優しくなれる」
という人は、子どもを預けて仕事に出ればいい、ということなんですよね。

どうしても経済的な事情で、本当は家にいたいけれど仕事をせざるを得ない、という人もあると思いますが、その分、短い時間でも子どもとしっかりと関わることができれば、私はそれでいいんじゃないかと思います。

実は、子どもに接する時間が長いか短いかで比べると、「長いほうが子どもの成長にはいい」という結果もあるのです。
そういう意味では、仕事をしないほうがいいんじゃないか、と思いますよね?

ですが、先ほども言いましたように、仕事をするしないとで比較すると、差はないのです。
その理由としては、仕事に出ることによって、子どもと接する時間は減るけれども、その分、接し方の質が良くなるんじゃないか、とか、仕事でリフレッシュすることが、親にとっていい方向に働くのではないか、といわれています。
それによって、「子どもと接する時間が短い」というデメリットを相殺するのではないか、ともいわれているのです。

ですから、それぞれの事情に合わせて、自分にもこれならできる、という方法を考えてもらえたらいいと思います。

育休後も子育てで頭がいっぱい。仕事に復帰する決心がつきません。の画像1

Dr.明橋の子育て相談室Q&A

0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス

0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス

明橋大二(著) 太田知子(イラスト)