心がきらめく仏教のことば #19

  1. 仏教

仏教で「達者」とはどんな意味?心の喜びが長生きにつながる

今回のテーマは「達者」です。

テレビでも雑誌でも、健康に関する情報があふれています。
何を食べたら病気のリスクを減らせるのかや、どんな運動をしたら元気に過ごせるのかなどが、日々紹介されていますね。

健康に関する情報は関心のない人はいないといってもいいくらいでしょう。
今回はそんな多くの人が気になる「達者」についてです。

「達者」の一般的な意味

年齢を感じさせず、きびきび動かれる方などに「お達者ですね~」と言ったり、いろいろな特技をもつ人に「芸達者ですね!」などと使ったりします。
元気な様子や上手なことをあらわす言葉として時々耳にする言葉です。

辞書で調べてみると、以下のような意味が出てきます。

【達者】
①学問・技芸などの道に熟達している人。達人。
②物事に慣れていて、巧みなさま。
③からだが丈夫で健康なさま。
④うまく立ちまわって抜け目のないさま。したたかであるさま。
引用:小学館 デジタル大辞泉

仏教で言われる「達者」とは?

ですが仏教で「達者」とは、今日使われるのと違う意味でした。
仏教で達者とは「真理に到達した者」という意味です。

「真理に到達した人」のことを仏教では「さとりをひらいた人」ともいわれます。
ですから「達者」とは「さとった人」のことなのです。

では「さとる」とはどんなことでしょうか?
真理がわかられた方をさとった人といわれます。

真理とは、いつの時代でも、どこでも成り立つこと、正しいこと。
数学や物理などでいわれる法則も科学的な真理といえるでしょうが、仏教でいわれる真理は数学的・物理的な真理とは違います。
「すべての人が本当の幸せになれる真理」のことです。

そんな真理がわかられた方を「さとった人」といい「真理に到達した人」ともいわれます。

心の喜びは体にも影響する

「すべての人が本当の幸せになれる真理に到達した人」は、生きる喜び・満足・感謝でいっぱいとなります。
さまざまな苦難や困難、試練がやってきても、常に人間に生まれてよかったという無上の喜びと共に、進ませてもらえるようになるのです。

心が喜びで満ちあふれますから、本当の幸せに生かされた方は、比較的に長命で元気な方が多くありました。

仏教を説かれたブッダご自身も2000年以上前の方ですが、80歳まで生きられました。
日本の戦国時代でさえ、人生50年と言われていたのです。
それよりもさらに昔、ブッダが80歳まで生きられたというのは大変な長命だったといえるでしょう。

また、本当の幸せに生かされた高僧といわれる方々も、比較的長命な方が多くおられます。
心がつねに喜びに満ちあふれていると、肉体にも、健康にもよい影響を与えるからでしょう。

逆にストレスや気持ちが落ち込み気味、ふさぎ込みがちだと肉体の健康にも悪い影響を及ぼします。

喜びあふれる笑顔の効果

「病は気から」という言葉があります。
実際、自分の気持ちの状態によって体調が左右されることを感じている人も多いかもしれません。

心に喜びがあると、表情には笑顔となって表れます。

その笑顔は、健康にも影響を及ぼすのだそうです。
笑顔の効果について書かれているところがありましたので、ご紹介します。

気持ちの持ち方が肉体の病に影響することが、今日、医学でも徐々に実験され解明されているようである。

一例を挙げれば、人体では毎日約五千個のガン細胞が発生している。
それを日々やっつけてくれているのが、ナチュラル・キラー(NK)細胞といい、体内に約五十億もあるといわれる。
これがあるから私たちは平気でいられるのだという。
〝笑う〟と、このNK細胞が活性化して、がんや感染症に罹りにくくなると言う。

その説明は、こうだ。
笑うと免疫のコントロール機能をつかさどる間脳に興奮が伝わり、情報伝達物質の神経ペプチドが、活発に作られる。
〝笑い〟が発端となって作られた神経ペプチドは、血液やリンパ液を通じて体内に流れ出し、NK細胞を活性化する。
その結果、がん細胞やウイルスなどの病気の免疫力が、高まるというのである。

逆に悲しみやストレスなどは、NK細胞の働きを鈍くして免疫力をダウンさせる。
ただ免疫力は強ければよいものではないが、〝笑い〟には免疫システム全体のバランスを整える効果もあるという。
大いに喜び笑えば、がんやウイルスへの抵抗力も高まり、健康に良いことが明らかになっているそうである。
(『なぜ生きる2』P86~87より)

心に喜びがあることがいかに大切か知らされますね。

まとめ:本当の幸せを得て、心から元気に

「さとった人」のことを仏教では「達者」と言われ、本当の幸せに生かされると、比較的長命で元気に過ごせるようになるという「おまけ」もついてきます。

仏教の目的は健康で長生きすることではなく、本当の幸せ・人間に生まれた喜び、満足を得ることにあります。
そういう身になると、「おまけ」で、長生きしたり元気に過ごせるようになるということです。

仏教を聞き「本当の幸せ」を得て、心から元気に明るく過ごせるようになりたいものですね。

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