1. 子育て

育てにくさはHSCだからかも。登園しぶりから始まった苦しみ…「ありのまま」を受け入れるまで

「保育園の先生に『〇〇くんは、一度言っただけで、ちゃんと理解して行動できるんですよ』と言われるほど、1を聞いて10を知るような子どもでした。しかし、集団の中にいることが苦手な息子は、次第に保育園に行くのを嫌がるようになったのです」

思うにならない子育て…。出口の見えない不安から、悩み、心身共に疲れ切ってしまっていたあいさん。
どのように、その苦しみから抜け出すことができたのでしょうか。
「ありのままの子育て」シリーズとして、お届けしていきます。

「うちの子は育てにくい…」
「なんで他の子と違うの?」
「もしかして、発達障がい?」

と、もしあなたがお悩みなら、それは、HSC(ひといちばい敏感な子:Highly Sensitive Child)だからかもしれません。

私は、HSCの子どもの特性を正しく知り、受け入れることで、この苦しみから抜け出すことができました。

本当によかったと心から思っています。

そこで同じように悩んでいる親御さんにも、ぜひ知っていただけたらと思い、この場を借りてお伝えしたいと思います。

ありのままの子どもの姿を受け入れ、寄り添い、等身大の子育てをすること。そして少しずつ成長してゆくことで、親子ともに幸せになれます

その幸せをあなたにも感じていただけたら、この上なく幸せです。

育てにくさは、登園しぶりから不登校にエスカレート

私は12歳と6歳の子どもをもつ、主婦です。今から12年前、長男が生まれたときは、何もかもが分からないことだらけの中でも、子育てに喜びを感じていました。

ところがいつの頃からか、思うようにならない子育てに悩むようになったのです。

今思えば敏感さからだったのか、2歳の頃には保育園の先生から、「〇〇くんは、一度言っただけで、ちゃんと理解して行動できるんですよ」と言われるほど、1を聞いて10を知るような子どもでした。

半面、育てにくさも感じていました。

集団の中にいることが苦手な息子は、次第に保育園に行くのを嫌がるようになったのです。

それでも小学校3年までは、嫌がる息子をなだめたり、すかしたりしながら無理に通わせていましたが、もうすぐ4年生という三学期、ついに体にまで症状が出てきてしまいました。

そして、まったく学校に行けなくなってしまったのです。

学校に行けなくなるだけではなく、ちょっとした物事を怖がり、外出もできなくなりました

そんな息子を支えようと必死だった私は、心身ともに疲れ切っていました。

出口の見えない不安の中、相談した明橋大二先生が教えてくださった一言によって、私たち親子は救われたのです。

病気でも障害でも育て方のせいでもない、不登校の原因とは

「息子さんは、ひといちばい敏感な子、HSCだと思いますよ」と、明橋先生は言われました。

えっ?HSC??

初めて聞く言葉でした。

今まで、「育て方のせいだ。甘やかしているから学校に行けなくなるんですよ。お母さん、もっとがんばってください」と言われ続けてきた私にとって衝撃でした。

さらに明橋先生は、

お子さんが学校に行けなくなったのは、病気でも障害のせいでもない、敏感な特性を持っているからです。お子さんには、学校という環境は刺激が強すぎたんですね。お母さんもよくがんばってこられましたね

と温かい声を掛けてくださったのです。

その言葉に涙があふれ、肩の力がすーっと抜けていくのが分かりました。

すべて私の育て方のせいだ、弱い子どものせいだ、と親子ともに否定し続けてきた呪縛から、やっと解放された瞬間でした。

つらい子育てを、幸せに変えてくれた出会いの一冊

明橋先生から紹介された『ひといちばい敏感な子』という1冊の本を、何度も何度も読み返しました。

読めば読むほど、息子の特性にぴったりで、細やかに、特徴と対処法が紹介されていました。

そしてあるページまで来たとき、目が釘づけになりました。

HSCを育てることは、最高に幸せな挑戦です」。

この言葉は、私に勇気を与えてくれました。

そうです。2人のHSCの子どもを持ち、親自身もHSP(人一倍敏感な人:Highly Sensitive Person)の私にとって、この子たちを育てること、一緒に生きてゆくことは最高の挑戦であり、最高の幸せだったのです。

2人の子どものおかげで、人生はより豊かなものになりました。

それは難しい子育て術を身につけたり、特別な知識が必要だったりするのではありませんでした。

子どものありのままの姿を受け入れ、寄り添う。そして親の私自身も等身大の自分をさらけ出して、背伸びせずに子どもと一緒に少しずつ成長する
そんな子育てでした。

私たち親子のつらかった体験をとおして、「死にたい」とまで思いつめた息子とどのような軌跡をたどったのか、同じようなことで悩んでいる方々に、少しでも希望を与えられたらと思い、つづってゆきたいと思います。

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