心がきらめく仏教のことば #4

  1. 仏教

「自業自得」にはいい意味もある?ブッダに学ぶ人生を180度変えるタネ

「自業自得」は悪い言葉?

今回のテーマは「自業自得」です。
しばしば耳にされる言葉ではないでしょうか。
多くの場合、何か悪いことやひどい目にあった時に使われます。

「お酒飲んで運転したから、こんな交通事故をおこすのよ。自業自得よ」
とか、
「ちゃんと勉強してないから赤点とるのよ、自業自得よ。反省しなさい」
などと使われています。

実はこの自業自得という言葉は仏教の言葉であり、仏教の土台となる教えからきています。
そして本来の意味がわかりますと、どんな状況や年齢になっても一歩一歩前進していこうと、前向きな気持ちにさせてくれる言葉なのです。

行いが結果につながる

さて、この自業自得の「業」ですが、これは昔の中国の言葉です。
仏教は、インドから中国そして日本へと伝わってきましたので、昔のインドや中国の言葉が使われています。

インドの昔の言葉では「カルマ」と言われたことを、中国の昔の言葉で「業」と翻訳されました。
現代の日本の言葉でいうと「行い」のことです。

ですから自業自得には、「自分のやった行いの結果は自分が受ける(自得)んですよ」という意味があります。
先ほどの例ですと、「自分がお酒を飲んで運転した為に事故をおこす」という結果になったり「自分がしっかり勉強していなかった為に、悪い成績をとることになった」ということです。

いい意味でも自業自得

ですから仏教では、自分のやった行いが自分に返ってくるんですよと教えられ、これが土台となっているのです。
一般的に、自業自得は悪いことをしてひどい目にあったときに使われます。

しかし、本来の言葉の意味からいいますと、よい時も悪い時も自業自得ということです。
「一生懸命、練習して、いい記録を出せた」のも、「創意工夫して働いて、自身の売り上げが伸びた」のも、自分の行いが生み出した結果なのだよと仏教は教えます。

自業自得という教えは、
「自分の未来は自分の手で切り開くものなのだよ」
「日々の行動が、自分の未来を生み出していくのだよ」
ということを表しているのです。

行いには3通りある

ここでよく知っておいてほしいことがあります。
自業自得とは「自分の行いの結果は自分が受ける」ということでした。

この「行い」について大事なことがあります。
それは「行い」といっても3通りあるということです。

普通「日ごろの行いが大事だよ」と言われたら、自分がやってることを思い浮かべるでしょう。
たとえば、ランニングするとか、勉強するとか、本を読むとか、料理をする、掃除や整理整頓をしておく、親切に努めるとか、約束を守るなど。
これらの行いは仏教では、体でやる行いと言われ、3通りある行いの中の1つです。

他には、口でしゃべることも行いだと教えられます。
どんな言葉を発するかによって、自分の未来は変わってくるでしょう。

失言や失礼な言い方のため、世間や周りから反感を買う人もあります。
反対に、優しい言葉や気遣う言葉、ねぎらいの言葉で多くの人から慕われる人もあります。
これが3通りの行いの中の1つ、口でしゃべることです。

言動よりも大事なのが心

そして最後の1つが、心の行いです。
心で思っていることも「行い」なのだよと仏教では教えられます。
それどころか3通りの「行い」の中でも、もっとも大事なのが「日々、心で何を思っているか」だと仏教は教えます。

それは、心で思っていることが口や体の行動にあらわれてくるからです。
心が思っていないことは、口には出ませんし、行動にもなりません。
私達を動かしている、元は心にあります。

今この記事を読まれている方も、この記事を読もうと思われたから読んでおられるはずです。
読みたくないと思われたら、読んでいないでしょう。
どこかに出かけるのも、あそこに行きたいと思われたからです。

子どもの頃、よく「言動に気をつけなさい」と親や先生から言われたものでした。
たしかに「言うことや、やることに気をつける」のは大事ですが、「心に気をつけなさい」のほうがもっと大事だよとブッダは教えられたのです。

心で思ったことが言動にあらわれますから、真に言動を正すときには心に気をつけなければならないからです。

心が変われば未来も変えられる

ヨーロッパの格言にも

思いの種をまき、行動を刈り取り
行動の種をまき、習慣を刈り取る
習慣の種をまき、人格を刈り取り
人格の種をまき、人生を刈り取る

という言葉があります。

日々思っていることが行動となり、行動の積み重ねが習慣となり、習慣が人格を形成し、やがては人生そのものに影響を与えていく、ということでしょう。
ですから私達の人生を生み出しているものは、つきつめていくと日々私達が思っていることが源なんだよということです。

毎日思っていることで、人生が変わるだなんてそんな大袈裟なと思われるかもしれません。
確かに、1つ1つは小さな種かもしれませんが、積もり積もればやがて大きな花を咲かせるようになるのです。

タレントの中川翔子さんは、タレント活動のみならず歌手、声優などマルチで活躍をしています。
ところが、学生時代は学校になじめず不登校にもなり、辛い思いをしていたそうです。
芸能活動もうまくいっておらず、心の中では「どうせわたしなんて」といつも思っていました。

そんな中、ブログを始めて、自分の好きなことを発信していくことにしたのです。
そうすると、自分と趣味や好きなものが一緒の人が見つかり、とても気持ちが楽になったと話していました。
そこから更に自分の好きなことに力を注いでいき、注目されるようになったそうです。

好きとか楽しいと思う、その気持ちが力となり、自分の人生が変わっていったのですね。

まとめ

私達の未来は、日々の行いによって生み出されていくことを自業自得と仏教ではいわれます。
しかも、行いといっても3通りあるのです。

3通りの行いの中でも心で思っていることが一番大事なので、日々、思っていることによくよく気をつけなさいよとブッダは教えられました。
ではどんなことを思い、どんなことを思わないように気をつければいいのでしょうか。

次回の記事で紹介したいと思います。
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