Dr.明橋のホッとする子育て相談室Q&A #26

  1. 子育て

子どもの「しつけ方」で親が気をつけるべきことは?

質問:子どもの「しつけ方」で親が気をつけるべきことを教えてください

子どものしつけについて悩みます。
しつけ方について、気をつけるべきことがありましたら教えてください。

答え

しつけ方は大切です。確かに、間違ったしつけ方を5年も10年も続けられると、親子の心のパイプ詰まりの原因になることがあります。
私がしつけに関して大切だと思うことを、いくつか箇条書きにしてみます。

①しつけすぎ(体罰、厳しすぎるしつけ)の問題

引きこもり、キレる子ども、少年非行、少年犯罪など、現代のいろいろな子どもの問題が、しつけ不足で起きているケースはむしろ少ない。

どちらかというと、しつけすぎ(体罰、厳しすぎるしつけ)のほうが問題です。

しかし、しつけが不要ということではもちろんありません。基本的な生活習慣、他人のことを思いやる行動は大切です。

②親自身が、身をもって、あるべき姿を示していく

その際、いちばん大切なことは、親自身が、身をもって、あるべき姿を示していくことです。親が、子どもにしてほしいと思うことを、親自身がふだんから、子どもの前でしていく。そうすると、自然と子どもはまねていきます。
子どもの「しつけ方」で親が気をつけるべきことは?の画像1

③「私は」を主語にして、「うれしい」「悲しい」という言葉を使う

子どもに、「~しなさい」「~してはだめ」と、言葉で指示、命令するしつけばかりを繰り返していると、往々にして、叱ることが多くなりがちです。
そうなると、子どもの自己肯定感を下げるだけで、効果は少ない。親が言っている間はやっていたとしても、親が言わなくなると同時に、やらなくなります。それでは、本当に身についたとはいえません。

親の言葉で、子どもの行動を方向づけするとするなら、その場合は、親が、「私は」を主語にして、「うれしい」「悲しい」という言葉を使うのがいいです。
「あら、洗い物してくれたのね。お母さんうれしいわ。ありがとう」
「あなたが、人の物を黙って取るなんて、お母さんは悲しい」
子どもは、親を喜ばせたい、悲しませたくない、という気持ちが、非常に強いです。その気持ちに訴えかけるほうが、子どもには伝わります。

子どもの「しつけ方」で親が気をつけるべきことは?の画像2

子どもには、どんどん失敗させる

子どもには、どんどん失敗させましょう。先回りして、指示、命令するのでなく、失敗から学ぶことを教えるのです。
失敗した時に、それを責めずに、今後、どうしたら同じ失敗をしなくなるか、一緒に考えます。

⑤肩の荷を下ろして深呼吸

きちんとしつけなきゃならない、と思って、子育てが負担になり、イライラしていると思ったら、いったん、しつけなんて、もうヤ~メた!と、放棄して、肩の荷を下ろして、深呼吸してください。そのほうが、よほど子どもの将来のためにいい、ということもあるのです。
子どもの「しつけ方」で親が気をつけるべきことは?の画像3

Dr.明橋の子育て相談室Q&A

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