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枕草子を分かりやすい意訳で楽しむ~『こころきらきら枕草子』のご紹介

皆さんは『枕草子』といえば、何を思い浮かべますか?
平安時代の作品で、作者は清少納言。「春はあけぼの」で始まって、「をかし」が多く使われている。
学校で習って覚えていることはそのくらい、という方が多いかもしれません。

知的で、ハッキリと物を言うイメージの女性、清少納言も、皇后定子に仕える初日は、恥ずかしくて、緊張のあまりコチコチだった…。
こんなエピソードを知ると、彼女が一気に身近に感じてきませんか?

『こころきらきら枕草子 ~笑って恋して清少納言』は、大きな文字と、分かりやすい意訳で、有名な古典を読みやすく編集した一冊。
どのような本なのか、紹介していきたいと思います。

「枕草子」には、人間関係に触れた内容が多い

「春はあけぼの」に代表されるように、日本の風景を細やかな感性で表現していることは知られていますが、人間関係に触れた内容も、実は多いのです。

「根も葉もないウワサに、尾びれ背びれをつけて、非難するのが世間。クヨクヨしても始まらないですよ」

「へらへら言い訳する男には、さりげなく、知恵の剣で斬り返そう」

「人間なんて、心変わりすると、全く別人になるんですよ」

こんな文章を見ると、人間関係の悩みは、現代とまったく変わらないと知らされますね。

困った時、嫌な思いをした時の心の持ち方、機転の利かせ方を、清少納言は教えてくれます。

枕草子を分かりやすい意訳で楽しむ~『こころきらきら枕草子』のご紹介の画像1

2人の男性からプロポーズ。恋の話もたくさん

藤原斉信は帝の側近「頭中将」、藤原行成は「頭弁」の職にありました。
清少納言は、この2人からプロポーズされます。

斉信から「どうして私と、夫婦の契りを結んでくれないのか」と迫られた清少納言。その時の返答に、斉信は「憎たらしいほどかわいい人だな」と笑って答えます。

書の達人としても有名な行成からは、ある日、「私と、あなたの間にあるのは、逢坂の関ですよ」と美しい文字で書かれた手紙が届きます。逢坂の関とは、愛し合う男と女が逢うところです。その際のやりとりを細かに記しています。

斉信のエピソードにしても、行成の時も、「やっぱり素敵な方です」「褒めてくださるのは、本当にうれしいことです」と、清少納言は素直に喜びを表しています。

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清少納言の主人・定子は悲劇の皇后だった

清少納言が仕えた定子は、時の関白・藤原道隆の娘でした。一条天皇に嫁ぎ、寵愛を受けます。28歳の清少納言が17歳の定子に仕えたのは、そのような時でした。

しかし、定子の幸せは長くは続きませんでした。

「枕草子」は、不幸の中で書かれたにも関わらず、暗さはありません。

清少納言自身も、理不尽な扱いを受けたり、濡れ衣を着せられたり、権力争いに巻き込まれたりしますが、そこを知恵と洒落、ユーモアのセンスで乗り越えていったのです。

相手を非難したり、攻撃したり、報復したりしない。

こういう心の持ち方でつづられた「枕草子」は、千年もの間、読者に支持され、読み継がれる作品となったのです。

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『こころきらきら枕草子』は、イラストが多く使われていますので、絵本のようにも楽しめます。
古典好きな中高生はもちろん、ニガテな人にもおすすめです。

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日本三大随筆が揃いました。