内容紹介

思いやりとは、日本人が昔から大切にしてきた心です

今こそ求められる「思いやり」

思いやりとは、相手の立場に立つ気遣いであり、和する心です。相手を思いやる心は、私たちが昔から大切にしてきたもの、そして今こそ、真に求められているものです。そんな「思いやりの心」を、本書では、古今東西のエピソードや、『徒然草』、体験談で見つめ直します。

人は皆、ひとりでは生きてゆけない

歴史に名をはせた人たちの生き様には、「思いやり」が、確かに息づいています。優しい心遣い、助け合いの精神、謙虚な態度……。どんな苦境や困難にあっても、時には命を懸けて、自分よりも相手の幸せのために行動した、人生の先輩たちのエピソードが、胸を打ち、熱い涙を誘います。また、公募で寄せられた24編の体験談は、日常のちょっとした配慮や気遣いが、どれほど人の心を和ませるかを教え、さわやかな読後感を与えてくれます。人は皆、ひとりでは生きてゆけません。本書に込められたメッセージを、1人1人が心にかけて実践してゆけば、幸せな、温かい人間関係が生まれるでしょう。

 

執筆者プロフィール

書籍の感想

  1. 私に足りなかったものを気づかせてくれた – 思いやりのこころ

    とても読みやすく、一気に読みあげました。1つ1つの話が心に残り、今まで忘れていた気持ちを、思い出させてもらったような感じがしました。 仕事のこと、人間関係のことなど、いろいろと悩み、この本を手にしました。私に足りなかった気持ちや行動はこれなのかもしれない、きっとあの人はこういう気持ちだったのかと思い、読み終えた次の日から、少しずつ仕事に向かう気持ちが変わったように思います。 この先も「思いやりのこころ」を持ち続けたいと願っています。 (宮城県 32歳・女性・専門学校講師)   この本を読んでみて、とっても分かりやすかったし、それに、何か大切なことを思い出させてくれて、本当によかったと思う。 (奈良県 14歳・女子・中学生)   いろいろなことがあり、心が弱って、なんとかしたいと思っている時、この本に出会い、がんばろうと思えるようになりました。 最初から涙が出て止まりませんでした。時々は出して読んで、自分に力を与えようと思いました。 (山口県 59歳・女性・パート)   人の原点です。5人の孫たちに、メッセージとして届けようと考えています。 (千葉県 77歳・男性)   毎日、暗いニュースの昨今! 原因はいろいろあるのでしょうが、やはり他人に対する思いやりの心が欠けているからだと思います。 そんな時代に、もう一度、1人1人はどうあるべきかを考え直す、よい機会でした。 (新潟県 74歳・男性)

    2012.01.24

  2. ふれあう人々に思いやりの心を精一杯持っていかねばならない – 思いやりのこころ

    冒頭のお子様ランチのエピソードが非常に心に残りました。今でも、こんな思いやりの心のあふれた気遣いのできるアルバイトがいるのだなと感動し、気づけば涙がポロリ……。と同時に、私もアルバイトをいくつかこなしていますが、「たかがバイト」と思わずに、ふれあう人々に思いやりの心を精一杯持っていかねばならないと思いました。 (兵庫県 22歳・男性・学生)   短いお話がたくさんだったので、ひと駅しか乗らない通勤電車でも読めると思って購入しました。でも、まさか……「はじめに」を読んだだけで涙が出てきました。たくさんの本を読んできて、本を読み始めて数分で泣いてしまった本は、この本が初めてです。 その後も、何度も何度もうるうるしました。あと、本の帯に書いてある「優しさ」「謙虚さ」「美しさ」という言葉も私が好きな言葉だったので、ふと本を手にとっていました。この本に出会えて感謝します。心が温められました。 (兵庫県 30歳・女性)   何となく仕事に行きづまり感を持っている時に、この本に出会いました。1つ1つの話が心にしみていくようでした。「明日からまた頑張ろう」と思わせてくれた1冊です。時々読み返しております。 (千葉県 49歳・女性・パート)   何となく仕事に行きづまり感を持っている時に、この本に出会いました。1つ1つの話が心にしみていくようでした。「明日からまた頑張ろう」と思わせてくれた1冊です。時々読み返しております。 (千葉県 49歳・女性・パート)   最初のページの、お子様ランチの話から、年甲斐もなく、涙ぽろぽろです。 若い息子、娘に読ませたいと買ったのですが、夢中で読んでしまいました。ぜひ皆さんにも読んでいただきたいと思います。本の中のカラー写真も素敵でした。 (神奈川県 52歳・女性・主婦)

    2012.01.24

  3. 久しぶりに心から感動した – 思いやりのこころ

    読めば読むほど、自分の心の汚れや行動を反省し、考えさせられます。そして自分自身を見つめ直すことができました。久しぶりに心から感動し、自然と涙があふれて心地よかったです。心がポッと温かくなりました。心の「ポッ」を周りの人全てに感じてほしい。伝えていきたいなと思います。 (山梨県 38歳・女性・会社員)   相手を思いやることで、いろいろ感動が生まれる事実を知り、なるほどと思いました。秀吉は「ありがとう」の心を、少しでも多く言葉や態度に表していたことを知り、感動しました。 (石川県 82歳・女性)   自分の心を少しでも向上させたいと思って買った本。一通り読んで感動し、2回も、すみずみまで目を通しました。友達にもすすめました。 松下幸之助さんの熱海会談の話には、「相手が悪いと思う前に自分を見つめ直す」ことが大切であると心に銘じました。 (富山県 64歳・女性・主婦)   今の自分がとても幸せな気持ちになります。これまでの苦労は大したことではなかった。私は幸せ者だったのです。それを分からせてくださって、ありがとうございました。これから少しでも他人を思いやるように心がけます。「こころ」シリーズはたくさん読んでいます。 (宮崎県 66歳・女性)   今の会社に転職して、約3年たちます。 しかし、会社の方針や昔からの決まり事などが、どうしても受け入れられず、人間関係も上手くいかず、いつのまにか、「なぜ自分だけがこんな苦労を……」と、他人をうらやんでばかりいるようになっていました。 でも、この本を読んで少し気持ちを変えてみると、相手を思いやる心は、不思議と自分に返ってくることを実感しました。 この本に出会えて、気持ちが軽くなりました。 (長野県 27歳・女性・会社員)

    2012.01.24

目次

第1章 青空に白い百合

1 日本とトルコを結ぶ絆
エルトゥールル号の遭難
温かい心遣いは、百年の時を超えて語り継がれた

2 富山のくすり屋さん

「お金のことは心配せずに、病気になったら薬をのんで……」
“先用後利”をキャッチフレーズに

3 約束のホームラン
ベーブ・ルースは球場の外でも、子供たちを元気づけていた

4 将軍・秀忠の居眠り
人の失敗を見て、笑ったり、あざけったりしない優しさ

5 秀吉は、なぜ好かれたのか
「ありがとう」の心を、少しでも多く、言葉や態度に表す

6 秀吉の成功の秘訣
不平、不満を言わず、今日は、今日の任務を一心不乱に務める

7 秀吉の偉いところ
叱られたら率直に謝る。
少しもふくれた顔をしない。
反発しない

8 中国の故事の知恵
「刎頸の交わり」が示す和する心の大切さ

9 適塾・緒方洪庵…1
有名になろうと思うな。
利益を得ようとするな。
医者は人を救うことだけを考えよ

10 適塾・緒方洪庵…2
優等生の橋本左内は、夜になると塾を抜け出していった

11 大根売りの人生を変えたもの
たとえ過ちを犯しても、心から反省すれば、必ず生まれ変わる

12 幸せと不幸の分かれ道
地獄の箸と、極楽の箸は、どちらが長いか

13 高島屋が発展した鍵
「自利利他」は、昔から変わらぬ当店の家風であります

 

第2章 百万本の秋桜

14 芭蕉と孝行娘の出会い
桜の美しさより、親の恩に報いようとする心の美しさ

15 千利休の戒め
形だけ真似をしようとするのは、実に情けない。自分の特徴を生かせ

16 葛飾北斎の心意気
たとえ自分が損をしても、日本人の信用を傷つけることはできない

17 二宮金次郎の農村立て直し…1
妻の理解と温かさが、金次郎に、歴史に残る働きをさせた

18 二宮金次郎の農村立て直し…2
荒地よりも、人間の心を耕す難しさ

19 二宮金次郎の農村立て直し…3
役人を一喝!
「人の命よりわが身の立場が大事なのか」

20 松下幸之助、伝説の熱海会談
「相手が悪い」と思っているうちは、どんなに議論しても解決しない

21 YKK・吉田忠雄…1
「他人の利益をはからなければ、自らも栄えない」
カーネギーの言葉を人生の指針に

22 YKK・吉田忠雄…2
「常に相手を思いやる優しさ」を実践し、世界のファスナー王へ

23 手紙は、心と心の交流
トルストイは、学生からの手紙に感動し、長い手紙を書いた

24 貧しさと闘うミレー
たとえウソであっても、親友の一言が、ミレーの将来を切り開いてくれた

25 失敗して抜擢された男
なぜ、主君は、「あいつには大きな仕事を任せることができる」と見抜いたのか

26 日本一の画家と、名もなき庭師
手ですることを、足でするようになっては、信用されない

27 「もったいない」のルーツ
「五百枚もの衣を、どうするつもりだ」。国王は阿難を追及した

28 みなしごサーヤと給孤独長者
にっこり笑うと、気持ちが和らいできます。周囲の人の心も明るくなります

29 祇園精舎の建立
「私一人でも建てられるが、より多くの人に参加してもらおう」
給孤独長者は布施を呼びかけた

 

第3章 つれづれ草の薫り  意訳で楽しむ『徒然草』

徒然草1
客が帰ったあとも、すぐに玄関の戸を閉めない心遣い

徒然草2
たとえ字が下手でも、手紙は自分で書くほうがいい

徒然草3
約束もせずに、突然、人の家を訪問するのはよくない

徒然草4
自分のことばかりしゃべるのは相手を不快にさせる

徒然草5
人の悪口を言わない。うわさ話にムダな時間を使わない

徒然草6
他人より優れていることは、大きな欠点である

徒然草7
日の善悪や縁起を問題にするのは迷信だ

徒然草8
山の奥に、”猫また”というものがいて、人を食うそうだ

徒然草9
ミスを根絶するための大切な心掛け

徒然草10
けなされても、笑われても、恥ずかしいと思わず、
熱心に稽古に励む人が「一流」になる

徒然草11
春の日の雪ダルマと、人間の寿命は、どちらが長いのだろうか

徒然草12
名誉を得れば、幸せになれるのだろうか

徒然草13
決意したことは、ためらわずに、すぐに実行すべきである

徒然草14
「死」は嫌だからといって逃げていては、何の解決にもならない

 

第4章 野に咲く色とりどりの花  読者から寄せられた体験談

(1)夫からのプレゼント
福井県 39歳・女性

(2)次で降りるのでどうぞ
千葉県 26歳・女性

(3)息子からの早朝の電話
静岡県 61歳・女性

(4)ぼくがいるからさっ
神奈川県 31歳・女性

(5)やっぱり、ええ子やった
大阪府 63歳・女性

(6)桜並木の思い出
埼玉県 41歳・女性

(7)よかったら使いなよ
茨城県 15歳・男子

(8)何回も親切を受けた一日
愛知県 36歳・女性

(9)言葉って、笑顔って、大切
宮城県 41歳・女性

(10)また、お会いできますように
大分県 62歳・女性

(11)大雪の日の素晴らしい出会い
広島県 32歳・女性

(12)細かい配慮も仕事のうち
山形県 59歳・男性

(13)赤ちゃん、泣いてるから
福島県 26歳・女性

(14)人の心の痛みを治すのは、人の心
長野県 50歳・女性

(15)息子の優しさに涙
栃木県 29歳・女性

(16)あんたが一番
福島県 65歳・女性

(17)先生は、ずっと励ましてくれた
愛知県 47歳・女性

(18)運転手さんの温かい思いやり
岐阜県 62歳・女性

(19)教室に行くなんて、すごいね
静岡県 15歳・女子

(20)世界に一つの素晴らしい特効薬
東京都 30歳・女性

(21)一言のメモが心をいやす
京都府 66歳・男性

(22)「近くですみません」と言った時
愛媛県 40歳・女性

(23)こんな素晴らしい家族がいるんだ
長野県 64歳・男性

(24)先生の思いやり
群馬県 73歳・男性