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学生こそ知るべきHSP!困った特徴と、知って変わったことをインタビューで聞いてみた

書籍はもちろん、テレビで取り上げられ、ようやく最近になって認知されてきた「HSP」。

HSPとは、「ハイリー センシティブ パーソン」の略で、人の感情に過度に共感してしまったり、些細なことが気になって、疲れやすく生きづらさを感じている人のことを指します。

これまでのシリーズで、大学生にとって身近なHSPを紹介してきました。

HSPの基本的な内容は下記でまとめていますのでご覧ください。

前回までの記事はこちら

自分がHSPだと知ることで、何か良いことはあるのでしょうか。

シリーズの締めくくりとして、インターンシップに参加した現役女子大生で、診断で自分もHSPだと知ったさくれさん(仮名)に、インタビューをしました。

「HSP」を知ったきっかけは何?

※画像はイメージです。

―最近は、インターネットやテレビなどにも取り上げられ、世間でも認知されてきました。さくれさんは、自分がHSPであることを、どのようなきっかけで知りましたか?

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HSPについて知ったのは、高木のぞみさんの『生きづらいHSPのための自己肯定感を高めるレッスン』を読んだ時です。ちょうど1万年堂出版のインターンシップに参加して、1万年堂出版の書籍を読んだ時に知りました。それまでは知らなかったですね…。周りの家族や友だちでも知っている人はいなかったと思います。

生きづらいHSPのための、自己肯定感を育てるレッスン

生きづらいHSPのための、自己肯定感を育てるレッスン

高木のぞみ、高木英昌(著)


―インターンに参加していなかったら、知らなかったかもしれないですね…。本を読み、HSPだと知って、何か変化がありましたか?

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    そうですね。「この感覚、私だけじゃなかったんだ!」と思って、本当に嬉しかったです!目の前が明るくなった感じでした。ちょうどその時期に、友達と「周りの音や光、感情が気になりすぎて、いちいち反応していると疲れてしまうから、意識的にシャットアウトしているんだよね」という話をしていたので、まさに「これだ!」と合致した感じがしました。本の中では、「怒っている人が怖い、チクチクする素材が苦手、つらい出来事がよみがえる」などについて、「どうしてみんなは平気なんだろう?」と書かれてます。これを読んで思わず、「分かる分かる!」とうなずいた覚えがあります。

―なるほど。具体的に書かれているのを読んで、今まで違和感を覚えていたことが思い出されていったんですね。

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    確かに振り返ってみると昔から、「他の人と違う」ことに、悩んでいたことが多かったです。HSPについて知るまでは、自分の感覚は異常なもので隠さなければならない、普通の人のフリをしなければ社会に適応できないと思っていました。話しても誰にも理解されないと感じていたので、自分と同じ生きづらさを抱えている人がいることに、まず衝撃を受けましたね。

集団行動がとにかく苦手!学生生活で現れたHSPの特徴とエピソード

特徴①深く考えて動けない「何をそこまで考えているの?」

―HSPは、徹底して深く考える性質があるので、「深く考えすぎ」とよく言われるそうですが、さくれさんも言われたことはありますか?

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    最近だと、就職活動の時に言われました。友達に「会社に入って、あまり向いていない仕事を任されたらどうしよう」と相談したところ、「まだ入社してもないのに、何でそんなことで悩んでいるの?」と呆れられました笑。考え始めると沼にはまってしまうので、普段は深く考えないように意識もしました。すると逆に、「何も考えてなさそう」と言われてしまって。「考えすぎ」より、「何を考えてるか分からない」と言われる方が多かったです。なので親しい相手には、準備が整わないと取りかかれないことを事前に話しておきますね。

特徴②集団行動は大の苦手、周りの目に苦しむ

―HSPの人は、過剰に刺激を受けやすいと言われ、深く受け止めて辛かった経験も今まであったのではないかと思います。もしよければ、これまでの辛い経験を教えてもらってもいいでしょうか?

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    小さい頃は、集団行動が大の苦手でした。周りに人がたくさんいると、刺激が多すぎてキャパオーバーになっていた気がします。お遊戯をする時は他の子に合わせないといけない、先生の期待に応えないといけないというプレッシャーで、皆の輪に入れず、一人だけ先生に抱っこしてもらっていました。給食もなれない味に戸惑ってしまい、食べ終えるまで帰ることができないので、皆が掃除をしている中でも廊下で給食を食べていました。それでも強要されることが辛かったです。

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    また、皆の前で発表するときに、緊張して声が出せませんでした。全校生徒の前で発表する時や、授業で先生に当てられて答える時、とにかく人の目線が集まると皆からどう見られているかが気になり、緊張していました。大きな声が出せないと、「聞こえない!」「何を言っているかわからない!」と先生に怒られて、私だけ何回もやり直しをさせられました。怒られて注目されて、より緊張してまた声が小さくなる悪循環に陥っていました。

―それは辛かったですね。発表するのが嫌になって、もう人前に出たくなくなってしまいそうですね。

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    はい。本当に失敗するのが嫌だったので、宿題が出来なかったり、提出物や授業で使う道具(書道セット、リコーダー、工作の材料)など、ちょっとしたものを忘れただけで、「どうしよう、この世の終わりだ」と絶望して青ざめていました。同じ忘れ物をした友達が、先生に怒られてもヘラヘラしているのを見て、「なんであんな平気そうなんだろう」とうらやましく思っていました。

学生こそ知るべきHSP!困った特徴と、知って変わったことをインタビューで聞いてみたの画像8※画像はイメージです。

特徴③怒られているのって私かな?空気を読みまくる中学時代

―怒られると、深く受け止めてしまうのはHSPの性質が現れていますね。すると怒られないように、自己防衛をすることもあったのではないですか?

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    はい。怒られないように、忘れ物を誤魔化したり、他の人のせいにしたりすることも多く、言い訳ばかりしていました。他の子は、失敗したり怒られることをそこまで怖がらずに自分から弱みを出していたので、「本当にすごいな」と思っていました。怒られないようにすると、「真面目」と言われるようになったのは、すごく嫌でした。良い子を演じていただけなのに、根が良い子だと思われることに罪悪感がありましたね。

―自分の性質と、本当の自分は全然違う、ギャップに悩んでいたんですね。その悩みは解消できましたか?

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    それからは「真面目」から離れることに全力を注いで解消しようとしていました。わざと授業中にずっと寝ていたり、遅刻が多かったりしたので、「もっとちゃんとしなさい」「そんなんでどうするの」と言われていました。振り返ると、人からどう思われるかばかりを気にしていて行動が極端になっていたと思います。

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    とにかく周りから浮きたくなくて、空気を読むのに必死でした。皆に合わせようと思って面白くないことで笑ったり、喋り方を変えたりと、若干無理をしていた気がします。例えば友達と話す時は、声を高くしたり、メールやラインで「w」を使うことを意識したりして、周りの子に合わせようと、頑張っていました。親には「喋り方変だよ。気持ちわるい」とか言われてました。

―使いたくなかったのに、わざわざ「w」を使っていたんですね。自分の気持ちに話して使うのは、抵抗がありますね。学生生活は部活動とか、上下関係もありますから、空気を読むのが大変だったのではないですか?

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    はい。私の部活動は、上下関係が厳しく、先輩と廊下ですれ違う時は90度近い礼をしなさいと言われました。怖い先輩も多く、先輩に可愛がられるかが、かなり重要でした。いつも先輩の顔色を伺っていたので、結構疲れましたね。

自分は弱い人間じゃない!HSPのままでよかった

―それは大変でしたね。これまでのエピソードを聞くと、「生きづらいHSP」と言われる理由が本当によくわかりました。一方でさくれさんは、HSPだと知ってよかったな、と思うことはありますか?

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    私は、自分だけ細かいことを気にしておかしいのかな、と思っていたので、5人に1人の性質だと分かって本当に嬉しかったです。

―なるほど。嬉しかったんですね!確かに原因がはっきりすると、清々しい気持ちになります。以前と比べてもだいぶ変わりましたか?

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    同じように感じている人がいることや、今までモヤモヤしていた感覚に名前があると知ってスッキリした気待ちになりました。今までは、どうせ誰も自分のことを分かってくれない、という孤独感がありましたが、自分が気づかなかっただけで、実は周りに同じような仲間がたくさんいることが分かって、本当に嬉しかったです!他人と線を引いたり、刺激の多い場所と距離を取ることも、悪いことだと思っていたので、対処法としてすでに、必要な方法を取っていたことも分かり、だいぶ安心しましたね!

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    自分が苦手だと思っていたことも、怠けていたのではなく、HSPの敏感さから来ているとわかりました。みんなは出来るのに自分が出来ないのは悪いことだと思っていたけれど、自分が弱い人間なのではなく、そもそも出来ること出来ないことが違うと分かったことで、自分を責めなくなったと思います。

意外と疲れる似たもの同士

―やっぱり、HSPの人は、同じHSPの人同士の方が付き合いやすいですよね?どうしても非HSPの人と一緒にいると、「鈍感だな!」と思ってイライラするとか、無いですか?

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    そうですね…HSP同士の場合、「分かってもらえないかも」という不安は少ないですが、話をちゃんと聞いていなかったり、雑に話していると気づかれててしまう感じが少し気を張ります。人と話す時は、表情などから一方的に「この人は私の話に興味がなさそう」「怒っているのかな」「冷たい人だ」「私のこと嫌いなのかな」と想像してしまうことがあるので、HSPの人と話すときは、常に笑顔でいないと余計な気を遣わせてしまう感じがしますね。

―日常会話でも、逆に気を遣ってしまうんですね…HSPの人同士だから、共感しあえていいということではないのですね。今はSNSやラインでのやり取りが多いので、よりコミュニケーションを取るのが難しく感じませんか?

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    LINEを送るときも返しづらくないか、悩みますね。同じ絵文字を入れたり抜いたりすることを繰り返す、という動作です。HSPは、文面の雰囲気から自分が相手にどう思われているかを想像しがちだと思うので、「。」だけで終わらせたら、怒ってるように伝わってしまうかなとか、キラキラや笑顔の顔文字を使いすぎると圧が強いと思われるかな、と用件に関係ない部分を色々と考えてしまって、送るのに時間がかかりますね。表現を考えて書いたり消したりしているうちに夜中になって、「こんな遅い時間に送ったら常識がないと思われるかな」と送れなくなってしまいます。繰り返しているうちに、結局何日も経ってしまうということもよくあります…。とにかく人の目線が集まると皆からどう見られているかが気になり、緊張していました大きな声が出せないと、「聞こえない!」「何を言っているかわからない!」先生に怒られて、私だけ何回もやり直しをさせられました。怒られて注目されて、より緊張してまた声が小さくなる悪循環に陥っていました。

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    非HSPの人との方が、相手にかける負担が少ないので、何でも気軽に話せますね。一方でHSPの人とは、共感できるポイントが多いので、お互いの気持ちがわかり合えるからこそ言える悩みもあるので、それはとても助かっていますね。

―それはよかった!(泣)

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    実際は、あまりHSP、非HSPと見分けることができないので、うるさい場所や人が多い場所に積極的に行かない、匂いが強いものを避けるなど、苦手なものが一緒な人と、一緒にいるのが楽ですかね。

HSPはHSPのままでいい!知ってもらいたいHSPの長所

―HSPのことを知らず、悩んでいる大学生も多いと思いますが、HSPで悩む学生に、アドバイスはありますか?

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    小さい頃から、人と違うことに悩んでいましたが、その特徴があったことで今の自分があると思っています。HSPは向いていることと向いていないことの差が激しいので、自分の特性を勉強することで、楽に結果を出せるやり方を考えられるのではないでしょうか。向いていないこと、能力的には出来るけど気持ちが付いていかない、ということから逃げることも時には必要だと思います!逃げるのは恥じゃないんです!笑

―逃げるのは恥じゃない!どこかで聞いたことがありますね笑。自分の特性を活かすという視点には、驚きました。できれば特性を無くすのではなく、活かしていきたいですよね。さくれさんは将来、編集を目指していると聞きました。HSPであることをまだ知らない人に伝えるに、どのように伝えていきたいと思いますか?

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    HSPについて知るまでは、皆は普通に出来ていることなのに自分だけ逃げるのはズルい、自分は弱い人間だ、と思っていたので、そもそも感覚が他人と違うという事実は励みになりました。HSPの話題は割と、辛い、大変、他人に理解してもらえない、という部分がピックアップされがちですが、自分の特性が分かった時にネガティブな情報ばかりだと、知らない方が良かった…と思ってしまうかもしれません。本質を読み取る力があることや、人間関係を円滑にしやすいこと、気遣いが出来ることなど、HSPで良かった!と思えるような内容も伝えられたらうれしいですね。

―なるほど。他の人と違っていることに、悩んでいる人も多いと思いますので、長所をもっと取り上げて、伝えていきたいですね。答えにくい質問も多くあったと思いますが、本日は答えて頂き、有難うございました!