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【1万年堂通信】『こころきらきら枕草子』全国の書店に並びました(第394号)

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「豪雪の年は猛暑になる」といううわさそのままの、記録に残る酷暑が続きました。

逆走する台風など、異常ともいえる気候により、様々な困難に直面された方も多いと思います。
お見舞い申し上げます。

これからお盆の時期。
遠路帰省される皆様も、お気をつけくださいませ。

『こころきらきら枕草子~笑って恋して清少納言』全国の書店に並びました

最新刊
『こころきらきら枕草子~笑って恋して清少納言』
が全国の書店に並びました。

十二単の後ろ姿、鮮やかなピンクの帯が目を引きます。

枕草子に秘められた「人生を楽しくする気くばり、心くばり」とは?

枕草子、方丈記、歎異抄、徒然草と、弊社発刊の古典シリーズ4点が並んでいます。
ぜひ手に取ってごらんください。

書店の写真はコチラ
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書籍情報

『こころきらきら枕草子~笑って恋して清少納言』
木村耕一(著) 黒澤葵(イラスト)
定価:本体 1,500円+税

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主な内容はコチラ

二宮金次郎の農村立て直し 5 役人を一喝!「人の命よりわが身の立場が大事なのか」

荒れ果てた桜町領の復興に尽力した、二宮金次郎のエピソード連載も、最終回です。

役人として、「わが身に罪が及ばないこと」よりも、「人の命を救う」ことを最優先に考えた金次郎の勇気ある行動が、多くの人の命を救いました。

この姿勢あったればこそ、今に至るまで尊敬を集めているのではないかと思います。

その金次郎の行動を、『新装版 思いやりのこころ』から、転載いたします。

二宮金次郎は、ナスが好きだった。

天保4年(1833)の初夏のこと。

彼は、食事の膳に出されたナスを食べて、首をかしげた。季節は初夏なのに、もう秋ナスの味がするのだ。

「今年は冷夏となり、稲が育たないかもしれない」

そう直感した金次郎は、桜町の農民に、冷害に強いヒエを栽培するように勧めた。

案の定、真夏になっても気温が上がらなかった。雨が続き、稲が実らない。
「天保の大飢饉」の幕開けだった。

金次郎は、50年前に発生した大飢饉の様子を調べていたので、

「やがて恐ろしい飢饉がやってくるぞ。もっとヒエ、アワ、大豆を作るんだ」

と促し、各家庭に十分に蓄えさせた。

翌年、翌々年と凶作が続き、いよいよ天保7年には全国的な大飢饉が発生した。餓死する者、数十万人を超え、死体の山が各所に築かれる有り様であった。

桜町領では、金次郎の呼びかけにより雑穀の蓄えが十分にあったので1人の餓死者も出さずに済んだ。それだけでなく、備蓄した食糧を飢餓にあえぐ村へ届けて多くの農民の命を救っている。

金次郎の出身地である小田原も、深刻な飢饉に襲われていた。
藩主の大久保忠真は江戸屋敷で病気で寝込んでいたが、小田原の状況が心配でならない。そこで、金次郎に、自分の代わりに小田原へ向かわせ、領民を飢饉から救うように指示したのである。その際、「非常用に蓄えてある米倉を開けてもよい」という特別な許可まで与えた。

金次郎が小田原へ駆けつけると、そこは、飢えに苦しむ人々であふれ、想像以上の惨状であった。もはや一刻の猶予もない。すぐに城の米倉を開けて領民に与えようとしたが、重臣たちの反対に遭ってしまった。

「殿が米倉を開ける許可を与えられたというが、我々には、まだ正式な命令が届いていない。そなたの言葉を信じて米倉を開け、後日、お叱りがあってはかなわんからな。確かに急を要する事態ではあるが、一度、江戸へ使者を出して、殿にお伺いしてからにすべきだ」

これを聞いた金次郎は、重臣たちの前で言い放った。

「何万とも知れぬ人々が、今、まさに死に瀕しているのですぞ!

江戸へ使者を出して、返事が来るまでに何日かかるとお思いなのか。

その間に、国民の半数は餓死するでしょう。

おのおの方は、人の命を救うよりも、わが身に罪が及ばないことのほうが大事なのでござろう。それが政治をつかさどる者の態度といえましょうか。

ああ、なんと無慈悲な! あまりにも情けない!

おのおの方は、領民を思う殿のご心労も、飢えに直面している人民の苦悩も、少しも分かってはいない。これ以上、議論しても何の意味もない。

そこで、おのおの方に提案がござる。

断食をしていただきたい。この議論が決着するまで絶対に食事を取らないでもらいたい。自身が暖衣飽食したままで、どうして明日をも知れぬ国民の気持ちが分かりましょうや。論より証拠、まずご自身が、断食して飢餓を味わえば、自然と結論が出るはずです」

その声は雷のごとく、人命を尊ぶ心は火のごとく、徹底した理は矢のごとく、人々の胸を打った。

重臣たちは一言も反論できず、米倉を開くことに一決した。

かくて、数万の人民を救済する道が開けたのであった。

金次郎は、身も心も打ち込んで救助の陣頭指揮を執り、2カ月半後に、大任を終えて、桜町領へ帰っていった。

金次郎に農村改革の援助を求める声は、この後も、関東全域からわき起こった。まさに東奔西走の、忙しい日々を送っている。

70歳で亡くなるまで、生涯、権力にこびず、地位を求めず、自ら荒廃した農村を歩き回り、悲惨な生活に苦しむ人々を救うことに尽力したのであった。

(おわり)

書籍情報

『新装版 思いやりのこころ
~人はみなひとりでは生きてゆけない』
木村耕一 編著
定価:本体 1,100円+税

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主な内容はコチラ

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