内容紹介

三国志の定番、吉川英治の名作小説『三国志』の第10巻・完結編です。
『三国志』は、ただの娯楽小説ではない。「人間とは、何か」を、深くえぐり、考えさせる力を持っています。
初めて吉川文学に触れる人は、読書がますます楽しくなることでしょう。かつて胸躍らせて『三国志』を読みふけっていた人には、再びあの感動を。単行本で、読みやすい大きな文字でお届けします。

(内容紹介)

座して滅ぶより、出でて討つ

孔明、悲壮なる決意で北伐へ

孔明は、蜀の大軍を率いて、幾たびも北伐を断行する。魏を破り、先帝(劉備)の悲願・中国統一を果たすためだった。
痩身を削り、悲壮な覚悟で臨む孔明。しかし遠征六度めの戦地で、ついに病に倒れる。命旦夕に迫る中、夜明けの空を仰いで呟く。
「――悠久。あくまでも悠久」
雄大な大自然、この清々しい空は何百年後までも続くであろう。
「人命何ぞ仮すことの短き。理想何ぞ余りにも多き」
それに比べ、人間の命は、なんと短いことか。生涯になすべきことの、いかに多いことか……。悔し涙をたたえながら、独り嘆息する姿が浮かんでくる。
孔明の生涯は、無私純忠、受けた大恩に報いようと粉骨砕身した五十三年間であった。

1巻2巻3巻4巻5巻6巻7巻8巻9巻も好評発売中。

目次

五丈原の巻

中原を指 して/美丈夫姜維/祁山の野/西部第二戦線/鶏家全慶/洛陽に生色還る/高楼弾琴/馬謖を斬る/髪を捧ぐ/二次出師表/二度祁山に出づ/食/総兵之印/司馬仲達計らる/天血の如し/長雨/賭/八陣展開/竈/麦青む/北斗七星旗/木門道/具眼の士/木牛流馬/ネジ/豆を蒔く/七盞燈/水火/女衣巾幗/銀河の禱り/秋風五丈原/死せる孔明、生ける仲達を走らす/松に古今の色無し

篇外余録

諸葛菜/後蜀三十年/魏から──晋まで