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掃除・整理整頓が好きな子に育つには?考えたい人格形成の基礎

生活の変化が多い季節。「気分を入れ替えて、大掃除をしなきゃ…」と思うこの頃です。

ただ、毎年、この時期になって「日頃から掃除や整理整頓をコツコツやっていれば、こんな大変なことにはならなかったのに…」と思っている人も多いかもしれません。

日頃の掃除・整理整頓は「人間形成の基礎」という人もあり、非常に大切なことです。

仏教でも掃除の大切さが教えられています。子どもに伝えたい、掃除の大切さを仏教から学んでみましょう。

奈々
原田店長の娘(小学4年)。お父さんのいるカフェの勉強会にも参加し、大人顔負けの質問をする。
ふじ江
内孫と外孫、合わせて7人の孫を持つおばあちゃん。書道の腕前は超一級で、自宅で書道教室を開く。仏教塾ではベテラン選手。
塾長
仏教塾いろはの塾長。アメリカの大学で仏教の講義をしていた。店長(原田健太)とは旧知の仲。

学校の帰り道で、ふじ江おばあちゃんとばったり出会った奈々。今日、学校であったことを話し終わると、今度はお母さんから言われたことの話になった。

  1. この前ね、ママから、「もうすぐ新学期だから、奈々も自分の部屋を掃除しようね」って言われたんだけど…。

  2. それは良いことね~。掃除や整理整頓をすることは、人としてとっても大切なことなのよ。

  3. え~、でも~。掃除するの、めんどくさいよ…。せっかく学校が休みだから、奈々はお外で遊びたいし、部屋が散らかってても別に平気だよ。

  4. 気持ちはよ~くわかる。でも、掃除や整理整頓には、良いことがたくさんあるのよ。それは、仏教を説かれたお釈迦様も言われているのよ?

  5. え、掃除は良いことって、おしゃかさまが言われているの?

  6. そうよこの前、塾長さんから聞いた掃除の大切さを、奈々ちゃんにもお話ししてあげましょう。

成功する人は、掃除や整理整頓を心掛けている

  1. 塾長

    今日は、仏教の観点から「掃除の大切さ」についてお話ししますね。

家の掃除や整理整頓は毎日しないといけないと思うものの、忙しかったり面倒だったりして、つい後回しになっていないでしょうか。

掃除する時間があるなら、もっと別の意味のあることに時間を使いたい、と思うかもしれません。
しかし、掃除や整理整頓の良いところがたくさんあります。

実は、多くの著名人が、掃除を大切にしているといわれています。

例えば、日本を代表するお笑い芸人である北野武さん。俳優や映画監督としても実績があり、マルチな才能をお持ちですね。その才能を羨んでいる人も多いでしょう。

ところがそんな北野武さんが、とあるインタビューでこう言っています。

おれは、自分の好き勝手やっているだけで、人よりも才能があるとは思えない。

しかし、テレビ番組をやっても、小説を書いても、なにをやっても評価されてしまう。よく考えても、自分の才能でそれらをやれるわけがない。

ただ、心当たりが、たった一つだけある。

それは、若いころに師匠に“トイレを綺麗に掃除しろ”と言われてから30年以上、ずっとトイレ掃除をやり続けてきた

自分の家だけでなく、ロケ先や公園、ときには隣の家のトイレ掃除もした。オレが成功しているのは、トイレ掃除のお陰かもしれない!

30年以上、トイレ掃除を続けているとは驚きです。

「自分の才能でそれらをやれるわけがない」とは、さすがに謙遜だと思います。ただ、成功の原因の一部分に、トイレ掃除をやり続けられたことは間違いなく入っているでしょう。

他にも、野球界の星野仙一さんや、パナソニックの創設者である松下幸之助さんも、長年トイレ掃除を続けられていると聞きます。

どの分野にも共通して、毎日コツコツと掃除を続けることが、その道で大成するに大切なことなのですね。

  1. (へ~、えらい人って、みんなちゃんとお掃除やっているんだね)

人として当たり前のことをできる人が、信用を得る

『こころの朝』には、自動車王ヘンリー・フォードの事例を通して、掃除・整理整頓の大切さが教えられています。

「不潔な職場に、優秀な従業員はいない」

ヘンリー・フォードの名言である。

実際、彼が作った自動車工場は、清潔さに、最も重点が置かれていた。

工場を新設したり買収したりすると、まず、大掃除を行う。

日常も、清掃、窓ふきを、従業員に厳重に行わせ、床や机の上が乱雑にならないように注意を呼びかけていた。

しかも、工場の隅にあたる暗い場所には白いペンキを塗り、少しでも汚れると、すぐに分かるようにしたという。

彼は常に、
「フォード社の工場内部や外庭の清潔さは、普通の公園よりも、はるかに勝っている」
と言っていた。

なぜ、そこまでする必要があるのか。彼は、続ける。

不潔な職場には、自然と怠惰な従業員が集まってくる。それだけではない。勤勉な人にも悪影響を与え、全体の能率、品質も低下させる

フォード自動車会社は、一九〇三年の設立以来、急成長を続け、アメリカを代表する企業となった。

日本の企業からも、次のような指摘が聞かれる。

「机の上が散らかっている社員はミスが多い」

「掃除の行き届いていない工場からは、不良品が出る」

「タバコの吸い殻やジュースの空き缶が散乱している現場には、トラブルが多い」

このため、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」などを、会社の重要な方針と位置づけ、社員が一丸となって取り組む企業が増えている。

清潔さと、仕事の能率、品質は、深い関係があるようだ
明るい家庭、安全な社会を築くうえでも、大切な精神といえよう

(『新装版 こころの道』木村耕一著 より引用)

不潔な職場によって、仕事の能率や品質が低下してしまう原因は、心が乱されるからでしょう。
心が乱れれば、仕事に身が入らず、さまざまなミスが誘発されてしまいます。

反対に、整理整頓できている人は、心や頭も常にスッキリとしていて、仕事に集中ができます。

掃除に時間を費やすのは決して非効率なことではなく、むしろ清潔さが仕事の効率や品質の向上をもたらしてくれるのですね。

また、掃除が行き届き、心がスッキリしていれば、そこでの上司や同僚、家族とのコミュニケーションも円滑になり、明るい関係が築かれていくでしょう。

  1. (仕事のことはわからないけど、そういえば散らかっているお部屋で宿題してても、いろいろ気になって、あんまり進まなかったなあ)

お釈迦様も徹底された掃除

仏教を説かれたお釈迦様も、掃除の実践を弟子たちに徹底されていました。

こんなエピソードも、残っています。

お釈迦様の十大弟子の1人、シュリハンドクは、自分の名前も覚えられない生来の馬鹿だと言われ、お兄さんにも愛想をつかされ、家を追い出されてしまいました。

門の外で泣いているシュリハンドクにお釈迦様は、このような話をされました。

釈尊(お釈迦様)は、やさしくなぐさめられて、一本のほうきと『ちりを払わん、あかを除かん』の言葉を授けられた。

シュリハンドクは清掃しながら、与えられた聖語を必死に覚えようとした。

『ちりを払わん』を覚えると『あかを除かん』を忘れ、『あかを除かん』を覚えると『ちりを払わん』を忘れる。

しかし彼はそれを二十年間続けた。

やがて彼は、ちりやほこりは、あると思っているところばかりにあるのではなく、こんなところにあるものか、と思っているところに、意外にあるものだということを知った。

そして、「オレは愚かだと思っていたが、オレの気づかないところに、どれだけオレの愚かなところがあるか、わかったものではない」と驚いた。

ついに彼に、阿羅漢のさとりが開けたのである。

(『新装版 光に向かって100の花束』高森顕徹著 より引用)

シュリハンドクは、20年間もの間ひたすら、お釈迦様の勧められた掃除をやり続けたことで、ついに悟りを開いたといわれています。

なぜお釈迦様は掃除を勧められたのでしょうか?

それは、掃除や整理整頓は人間の基礎・人格形成の基本であり、自分の心を見つめる得難い機会となるからです

当たり前のことをコツコツと努力できる人が、周りからも信頼され、人の役に立つ上で大切なこともどんどん身についていくのですね

先の松下幸之助さんも、「掃除を続けることで辛抱ができるようになる、その辛抱が人を成長させる」と語られています。

まずは少しずつでも、自分自身が実践し、子どもに掃除の大切さを伝えていきたいですね。

  1. ふじ江おばあちゃん、いろいろ教えてくれてありがとう!お掃除とっても大事なことなんだね。

  2. わかってくれて嬉しいわ。掃除を続けることは、人として大事な徳を身につけることになるのよ。奈々ちゃんも、大掃除を機に、掃除を続けてみたらどうかな?

  3. うん。奈々、毎日お掃除、がんばってみるね!

まとめ

  • 掃除や整理整頓は大事なことと思いながらも、忙しさや面倒な心も加わり、日頃おろそかにしてしまいがちです
  • しかし、掃除は「人間形成の基礎」といわれ、世に名をはせる著名人も、コツコツと掃除を続けている人が多くあります。当たり前のことを当たり前に継続できる人が、周りから信頼され、光る存在となれるのです
  • 仏教を説かれた釈迦も、掃除の大切さを教えられ、弟子たちにも徹底されました。まず自分自身が少しずつでも実践し、わが子にも大切さを伝えていきたいものです
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