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約束を守る大切さって?子どもに伝えたい、大事な約束を守るしつけ方

言っても言っても約束を守らない子どもに、イライラしてしまうことはありませんか? さらに厳しく叱っても、逆効果なだけ。そんなときにぜひ知っておきたいことを、仏教に聞いてみましょう。

登場人物

真理子
中2の娘と小4の息子を持つワーキングマザー。お気に入りのカフェで行われている「仏教塾いろは」に参加しはじめ、毎日が発見の連続!
智美
真理子さんのママ友達で、在宅でデザインの仕事をしている主婦。息子がゲームの時間を守らないことから、約束を守る大切さを伝えたくて……。
塾長
仏教塾いろはの塾長。カフェ店長とは大学時代からの友達で、悩みに仏教で答える塾を始める。

勉強会が始まる前のカフェにて。智美と真理子。ゲームの話から約束の話で盛り上がって……。

  1. 智美

    息子がぜんぜん、約束を守らないんです。ゲームは1日1時間って決めてるのに、守ったことなんてほとんどなくて。門限の6時も『忘れてた〜』って平気な顔で帰ってきたから、思わず怒ってしまいました。

  2. 真理子

    うちの息子も同じよ。『帰ったらすぐ宿題する』約束なんて、守ったためしがないわ。4年生にもなったんだから、できてほしいんだけどな〜。

  1. 智美

    そうそう、できるのにやらないのは、約束を守ろうとする気がないんです。友達と遊ぶ約束とか、先輩から頼まれたことなら、言われなくても守るのに……。

  2. 真理子

    相手によって約束を守るとか守らないとか、そんな大人になってほしくないわよね。

  1. 智美

    ほんと、ほんと。……塾長なら、“約束の大切さ”をどう教えてくれるんでしょうね?

「怒られるから約束を守る人」にならないために

  1. 塾長

    仏教ではどう“約束の大切さ”を教えられているか、お話ししますね。

子どもが約束を守らないというのは、頭が痛いですよね。
どの約束も、子どもにとって大切なこと、身を守ることになるからこそ、約束をされているのだと思います。

「ゲームばかりしていたら、体に悪い」「約束の時間に帰ってこないと、事故に遭ったんじゃないかと心配してしまう」からこそ、約束を守らない子どもにイライラしたり、腹が立ったりするんですよね。

まずは、その心配だという気持ちを、ストレートに伝えてみてはどうでしょうか。

意外と気持ちは伝わっていないもので、子どもにしても、「どうしてお母さんはこんなに怒るんだろう?」としか思っていないこともあります。

「なぜ、この約束が必要なのか」

「守らないと、親がどう心配するのか」

「自分が約束を破られたら、どんな気持ちになるか」

ということを、一緒に考えてみることをおすすめします。

「叱られるのが怖いから、言うことを聞く」というのは、心配されているとおり、相手によって約束を守ったり、守らなかったりということにつながります。

富豪よりも、貧しい少女との約束を果たした青年の話

その点、仏教では、相手を選ばず、どんなときでも約束を守ることの大切さが教えられています。それを子どもに伝えるのに適した、こんな話があります。

歴史家で有名なナピールが、ある日、散策していると、路傍にみすぼらしい少女が陶器のカケラを持って泣いている。

やさしくわけをたずねると、少女の家は親一人子一人。親が大病なので、家主から一リットル入りのビンを借りて、牛乳を買いにゆこうとして落として割ったのだ。

家主に、どんなに叱られることかと泣いていたのである。

あわれに思ったナピールは、ポケットから財布を出してはみたが貧乏学者、一文の持ちあわせもない。

「明日の今ごろ、ここへおいで。牛乳ビンのお金は、私があげるから」

少女とかたく握手して別れた。ところが翌日、友人から、

「君の研究の後援者になろうという富豪が現れた。午後は帰ると言っているから、ただちにこい」

という至急の伝言である。

しかし富豪に会いにゆけば、少女との約束を破らねばならぬ。ナピールはさっそく、友人に返答した。

「私には今日、大事な用件がある。まことに申し訳ないが、またの日にたのむ」

そして少女との約束をはたした。

富豪は、ナピールを思いあがったやつだと、一時は怒ったが、後日それを知ると、いっそう信用を深め、彼を強く後援した。

高森顕徹著(2010).『光に向かって100の花束』より引用

自分がナピールの立場だったらどうか、家族で話し合ってみてもいいですね。

不言実行と有言実行、どちらが優れている?

お釈迦さまは、私たちが幸せになるために、たくさんある「善」を6つにまとめて教えられています。

その2番目に、「持戒」があります。

持戒とは、言行一致という意味で、言ったことと実行することを一致させる、つまり、約束を守るということです。

たとえ自分に都合が悪いことでも、約束したことは、必ず果たす。果たせない約束は、はじめからしない。また、途中でどうしても守れない事情ができたときは、相手に心から謝る。これが約束の基本です。

よく「男は黙ってやればよい」と、不言実行がすすめられますが、仏教では、不言実行よりも、有言実行が優れているとされます。

言わなければ約束を破っていてもバレませんし、実行したときだけ評価されます。これはとても楽な方法ですよね。

しかし、公言したからには周りの目もあり、より厳しい環境の中で約束を果たさなければなりません。

かのナポレオンは、そのプレッシャーから逃れるためか、「約束を守る最上の方法は、決して約束しないことだ」と言ったそうです。

それだけ約束を守るのは難しいことであり、だからこそ、それを果たすというのは、とても素晴らしいことなのです。

大人でもなかなか実行しがたいことですが、ぜひ、子どもに“約束を大切に思う心”を育てていってほしいですね。

  1. 智美

    そういえば、子どもが約束を破ったら怒るけど、子どもとの約束は、破っても「ごめんごめん」で済ませていたかもしれないわ。

  2. 真理子

    私も反省。一度、約束について、ゆっくり話し合ってみようと思う。できない約束をいくらさせていてもダメよね。

まとめ

    • 仏教では、自分の都合や相手の立場によらず、約束を守る大切さが「持戒」として教えられています。
    • 約束したことは、必ず守る。守れない約束は、はじめからしないようにしよう!
    • 途中でどうしても果たせない事情ができたときは、相手に心から謝るのが約束の基本ですよ。

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