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【誤解】
もちろん、そうだよ。刑事ドラマでも亡くなった被害者を「ほとけの身元を洗え!」って言ってるでしょ? -
【正解】
いいえ、違います。仏とは、死人のことではありません。最高のさとりを開かれた方のことをいうのです。
【解説】仏とは、最高のさとりの名称です
仏教で「さとり」と言っても、低いさとりから最高のさとりまで、52の段階があります。これを、「さとりの52位」といわれます。
例えば、大相撲でも序ノ口、幕下、大関、横綱などの違いがあるように、さとりにも、それぞれ名称があります。
仏教では、この52のさとりの最高位を「仏覚」と言い、仏覚まで到達した方のみを「仏」と言われるのです。これ以上のさとりはありませんから「無上覚」とも呼ばれます。
「さとり」が一段違うと、人間と虫けらほど知恵に差があるといわれています。
仏とは、どんな真理をさとった方?
では、「さとり」とは一体、何をさとるのかと言いますと、大宇宙の真理です。真理と言っても、数学的真理、科学的真理などがありますが、ここで言われるのは、全ての人が本当の幸福になれる真理のことです。
登山にたとえると、一合目よりも二合目、二合目よりも三合目と、登るほどに展望が開け、頂上に登りつめると四方八方を見渡すことができるように、最高の「仏のさとり」を開いた方だけが、幸福の真理のすべてを体現できるのです。
今日まで、地球上でこの「仏のさとり」に到達した方は、約2600年前にインドで活躍された釈迦お一人です。
ですから「釈迦の前に仏なし、釈迦の後に仏なし」といわれます。
このことを知れば、死人を「仏」と言うのは、まったくおかしな話だと分かられると思います。