「昨日まで赤ちゃんだと思ってたのに…」
成長する子どもの姿を見て、そう感じたことはありませんか。
あるいは親から言われて、驚いたことがあるかもしれません。
毎日顔を合わせていると気づきにくいものですが、大切な家族との関係も、日々少しずつ変化しています。
誕生日という名のカウントダウン
子どもの誕生日、一緒に祝えるのはいつまで?
-
成長はうれしいけど、ちょっぴり切ないもの。
子どもの誕生日は、1年間の成長を振り返る節目でもあり、思い出に残る一日ですよね。
「普段は仕事で忙しいけど、せめて誕生日は子どもと過ごすと決めている」
「毎年ケーキを買ってきて、子どもの好きな料理をやプレゼントを準備している」
など、その家なりのイベントがあると思います。
しかし、小さいうちは家族で祝うことが多い誕生日も、子どもの交友関係が広がると、家族よりも一緒に過ごしたい相手ができるものです。
そしていつか、友達や恋人との約束を優先し、誕生日に当の本人がいないのが当たり前になってきます。
「あるとき突然〝本人のいない誕生日〟を迎え、子育てが終わりに近づいていることに驚いた」という声はよく聞かれます。
大人の階段を昇る君に、なぜか感じるさみしさ…
-
「私がいないとダメ」と思う相手に、実は支えられているのかも。
子どもの誕生日に本人が外出している、というのは、自立への一歩であり、大人に近づいた証拠です。
それは今に始まったことではなく、子どもが生まれたときから繰り返されているのではないでしょうか。
たとえば、
子どもが自分で歩けるようになったとき、
一人でお風呂に入れるようになったとき、
親子で一緒に寝るのをやめたとき。
自立を喜ぶと同時に、「この先、一人でなんでもできるようになって、そのうち離れていくんだろうな…」と想像して、なんだか切ない気持ちになってしまう……。
本来なら嬉しいはずの子どもの成長をさびしく感じてしまうのは、一体なぜでしょう。
それは、「私が子どもの成長を支えている」と思っている親自身もまた、子どもの存在に心を支えられているからです。
親は毎日クタクタになっても、「子どもがいるから、仕事も家事もがんばろう」と思えます。
子どもがご飯をおいしそうに食べる姿、楽しそうに笑っている姿、安心して眠っている姿を見るだけで、どんな疲れも吹き飛んでしまうほどです。
だからこそ、そんな大切な存在が、次第に遠くへ行ってしまうことにさみしさを感じるのです。
さみしさは「自分だけの人生」を考えるための一歩
-
孤独を感じたときこそ、自分を見つめる時間になるんだね。
どんな人でも、今まで当たり前だと思っていたものや、頼りにしているものがなくなった時、さみしさやむなしさを感じます。
あるいは、今はまだ手元にあっても、いつか自分から離れていってしまうと思うと、不安になります。
家族なら、それを強く感じるのは、今までずっと一緒に暮らしてきた子どもが、進学や就職・結婚といったタイミングで、家を出たときでしょう。
一生懸命育ててきた子どもが巣立っていったとき、「この先なんのために頑張ればいいんだろう…」と心にポッカリと穴があいたような喪失感に襲われ、気分が落ち込むことがあります。
いわゆる「空の巣症候群」です。
これは、子どもをとても大切に育ててきたことの現れでもあります。
ただ、同時に「親」という役割は一時的なものであって、いつまでも自分を支えてくれるわけではないことも知らされてきます。
「親」だけではありません。夫や妻という役割は、伴侶を失ってしまったときに解消されます。会社なら、課長や部長といった立場は、退職したときに手放さなければなりません。
期限付きの立場であるにもかかわらず、それだけを心の支えにしてしまうと、いざ終わりを迎えた時、自分はどこに向かえばいいか分からなくなってしまいます。
役割が減り、他者のために使う時間が少なくなるということは、今度は、自分のために使える時間が増えていくことでもあります。
さまざまな役割を離れた自分自身の人生をあらためて振り返り、これからの生き方を考えるチャンスかもしれません。
孤独を感じたときこそ、本当に自分の心を支えてくれるものは何か、じっくりと見つめ直すための見聞を広げてみてはいかがでしょうか。
(1万年堂出版編集部より)
「人生の最後に支えてくれる一冊」と話題のロングセラー
あっという間に過ぎていく人生、一体何をしたらいいんだろう……。
心にポッカリと穴が空いた瞬間、ふと考えることはありませんか。
そんな疑問にそっと寄り添い、生き方のヒントを与えてくれるのが、700年前の古典『歎異抄(たんにしょう)』です。
このたび、66万部を突破したロングセラー解説書『歎異抄をひらく』(高森顕徹 著)には、次のような喜びの声が届いています。
「これからの私の人生において、必要で大事な一冊になる本です。」(41歳・女性)
「家族にも紹介しようと思います」(31歳・女性・主婦)
「人生の折り返し地点を迎え、少し立ち止まり、読んでみました。私にとって、これから何度も読んでいく本だと思います」(49歳・女性)
(『歎異抄をひらく』の読者アンケートより)
▼詳しく知りたい方はこちら▼
マンガ『こども歎異抄』とは
子どものころ、ひそかに感じていた、素朴な疑問。
家族や学校の先生に聞いてみても、「まぁそんなものだよ」「考えてもどうしようもない」とごまかされて、モヤモヤした経験はありませんか?
大人になるにつれ、知りたかった気持ちにはフタをして、目の前のことに追われる毎日。
「心とは?」「人間とは?」「生きるってどういうこと?」
今さら人に聞けなくなってしまった人生のギモンを、700年前の古典『歎異抄(たんにしょう)』を通じて、少し深めに掘り下げるマンガ連載が、『こども歎異抄』です。