日本人なら知っておきたい 意訳で楽しむ古典シリーズ #203

  1. 人生

『徒然草』からの生きるヒント〜春の暖かい日に、雪だるまを作ったら……(徒然草 第166段)

先日、雪が降ったと思ったら、急にポカポカ陽気になりました。
東京で1センチ以上の雪が積もったのは2年ぶりだったそうです。近所の公園や遊歩道に出来上がった雪だるまを見て、心がほっこりしました。
古典『徒然草』には、雪だるまの話題から、人生を考えさせられる一段があります。
木村耕一さんの意訳でどうぞ。

春の暖かい日に、雪だるまを作ったら、どうなりますか

(意訳)
世の中の人が、一生懸命にやっていることを見ると、まるで、春の暖かい日に、雪だるまで仏像を作ろうとしているのに似ています。そして、雪だるまを美しく飾るために金銀珠玉の宝石を集めたり、安置する御堂を建てたりするために働いているのです。

では、せっせと働いて建てた御堂に、雪だるまの仏像を安置することができるでしょうか。

いいえ、できないのです。雪だるまは、すぐに解けてしまいますから、御堂が完成するまでもたないのです。

人は誰でも、「自分の命は、まだまだある」と思っています。しかし、実際には、雪が解けていくように、私たちの寿命は、日々刻々と縮まっているのです。

それなのに、あれもしたい、これもしたいと、とても多くのことを計画し、成就する日を待ち望んでいるのは、雪だるまの仏像のために御堂を建てようとしているのと、全く同じではないでしょうか。

(原文)
人間のいとなみあえるわざを見るに、春の日に雪ぼとけをつくり、そのために金銀のかざりをいとなみ、堂を建てんとするに似たり。(第166段)

『徒然草』からの生きるヒント〜春の暖かい日に、雪だるまを作ったら……(徒然草 第166段)の画像1

(『こころ彩る徒然草』木村耕一著 イラスト 黒澤葵より)

雪が解けていくように……

木村耕一さん、ありがとうございました。
兼好さんの視点にハッとさせられます。
雪だるまが解けてしまうことを忘れて、夢中になっているように、人生に終わりが来ることを忘れて、あれもしたい、これもしたいと欲に振り回されているのを痛感しました。
人生で大事なことは何か、を考えさせられます。
『徒然草』は、江戸時代にベストセラーになったそうですが、江戸時代の人は『徒然草』を読んで、「人生の目的」を考えていたのかもしれませんね。

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ありがとうございます。
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(長野県 50代・女性)

今までの人生、うれしかったこと、幸せだったこと、悲しかったこと、苦しかったこと、後悔など、たくさんありましたが、それらに無駄なことは一つもないと言ってもらえて、とても晴れやかな気持ちになりました。
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