ママパパのための「子育て支援」のススメ #1

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ワンオペ育児の最強の味方!「一時保育」の“今”をNPO法人に聞いてみた

「ワンオペ育児で疲れてしまった…」
「泣いている子どもとずっと家にいるのが辛い…」
コロナ禍で気軽に遊びに行くことができなくなってしまった今、子育て疲れに悩むお母さんが増えています。

子育ては辛くて当たり前?我慢して頑張らなきゃいけないものなのでしょうか?

編集部は、20年以上練馬区で子育てを支え続ける「NPO法人 保育サービスぽてと」を取材。実際の保育の現場から、全3回に渡り「ママパパのための『子育て支援』のススメ」について紹介します。

第1弾のテーマは「一時保育の今」です。

「少しでいいから自分の時間がほしい」
そんな気持ちを一時保育が助けてくれるかもしれません!

 

NPO法人保育サービス ぽてと
1999年「子育てに疲れた」というお母さんたちを助けるために活動を開始。東京都で2番目に子どもの数が多い練馬区から受託をし、一時保育や学童保育などの子育て支援を行っている。

一時保育とは?

一時保育(一時預かり)は、子育て支援制度の中の1つです。保育園に行かずに在宅で保育をしている家庭でも、子どもを預けられるよう作られました。

利用登録をすれば誰でも、保育園や地域の保育所などで短時間子どもを預かってもらうことができます。0歳から6歳の未就学児を対象とする施設が多く、幼稚園に入学するまでの0歳から2歳の利用が中心です。

各施設によって料金や預けられる時間が異なりますが、目安は1回の利用で1,000円から3,000円。多くの人が使えるように、月に何時間まで利用できるかが定められています。

どんな時なら子どもを預けられるの?

  • 病気や怪我で育児が難しいとき
  • 冠婚葬祭などの用事があるとき
  • 子育て疲れをリフレッシュしたいとき

保護者の方の職業や理由には関係なく、予約を取ることができれば預けることができます。保育園と併用で利用されている方もいるようです。

実際の利用状況を聞いてみた

「本当に自分のために子どもを預けてもいいの?」
「子どもがかわいそうじゃないのかな?」
疑問に思う方もいるかもしれません。実際の利用状況はどのようになっているのでしょうか?

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NPO法人保育サービスぽてとが委託を受けて、「乳幼児一時預かり」を運営している「練馬子ども家庭支援センター練馬駅北分室練馬ぴよぴよ(一時預かり室)」の施設長、辺貞姫さんに実際の利用状況を伺いました。

 

――リフレッシュ目的で一時保育を使われている方はどの位いるのでしょうか?

この施設ができてから8年目になるんですが、リフレッシュのために使ってくださる方は増えてきています。

赤ちゃんが産まれる前から「色んなサービスを使っていくのが本当の子育て上手なんですよ」ってママやパパにはお伝えするようにしていて、6割くらいはリフレッシュ目的の方だと思いますよ。

――中には使うことに申し訳なさを感じてしまう人もいるみたいです。
気になるけど、「勇気がでなくてどうしようかなぁ」と思っている人もいらっしゃいますよね。でも「預けてよい」という考え方も少しずつ浸透してきて、躊躇や気まずさっていうのは本当に少なくなってきたと私は思います。

お休みをしてお母さん自身がハッピーになれば、もっと良い子育てができるようになると思います。

利用登録だけされている方もたくさんいらっしゃいますよ。

一時保育、子どもへの影響は?

――泣いてしまう子もいると思うのですが、子どもへの影響はどうなのでしょうか?
最初は泣いちゃうかもしれないけど、ずっと抱っこしているうちに赤ちゃんたちは安心して「遊んでみようかな?」と思い始めるみたいです。

保育園とは違って今日この瞬間ですぐには慣れないかもしれないけど、ほんの1つ、絵本を見れたとかおもちゃで遊べたとか、そういう少しずつの積み重ねでお子さんの世界が拡がります。
ほんの小さな変化でも、お母さんにお伝えしていくっていうのは丁寧にやっていきたいところです。

泣く時間が短くなったり、頼れる先生が増えていったりして、何度か来てもらう中で楽しめる場所になる一助になればいいな、と思っています。

コロナ禍で変化した子育ての在り方

――新型コロナウイルスの影響によって、利用状況などに変化はありましたか?
うちの施設は通常予約利用が12名、当日利用が3名で最大15名をお預かりしているのですが、2020年の9月末までは最大7名までに減らして運営していました。アルコール消毒や検温、マスクの着用が一般的になってきています。今ではもう利用状況は元に戻っていますね。多くの予約をいただいています。

お子さんを預ける理由はやっぱり様々です。
お家にはいるけど、リモートワークをしていて子どもの面倒を見れない方とか、仕事を探したいという方もいます。こんな状況だとお店や公園にも行きづらい、子どもと密着している時間が増えますよね。子育てで気持ちが鬱々としてしまったお母さん、お父さんもいらっしゃいました。

コロナだから預けるのが怖いなって思う方もいらっしゃると思いますが、感染症への対策をしっかりしてお待ちしています。

――ZOOMを使った取り組みもされているとお聞きしました。

オンラインで交流の場を作ったり、講座を開いたりしています。

私たちは一時預かりだけでなく子どもと家庭の相談も行っています。やっぱり人に話すことって大事ですよね。
孤立した子育てを防いで、虐待を予防しようっていう大きな目標があります。妊娠する前から子育て支援っていうのが、今の国全体の動きです。

――子育てのスタイルも時代と共に変わっているんですね。
少子化が謳われて久しいですが、子育てばかりでなく私たちの暮らし方全般が変わってきています。コロナ禍の中で、また変わって来ていると思います。働き方や暮らし方の変容の中で、子育ても、人や社会資源に頼ってみようとか、子どもを預けてみようと思う気持ちが広がっていくのかなと思います。

お母さんのハッピーが、家族のハッピーに繋がる

――最後に、子育てに向き合うお母さんたちへメッセージを頂けますか?
あなたは1人じゃないよ。どこかに、誰かが必ずいる。だから頼ってもいいんだよ。

『子育てハッピーアドバイス』でも、親自身の自己肯定感が大切って言われていますよね。お母さんとお父さんがハッピーになっていることが、家族のハッピーに繋がるんじゃないかなと思います。

まとめ

辺さん、ありがとうございました!

子どもを一時保育へ預けるハードルは、時代と共に下がってきているということを教えて頂きました。より良い子育てをするために、お母さんがお休みすることは決して悪いことではありません。一時保育はお母さんが選べる、子育ての手段なんですね!

今回は「一時保育の今」についてお話を伺いました。引き続き「保育サービス ぽてと」さんにお世話になり、次回は「預かり中の子どもたち」についてお伝えします。実際の様子を見ていきましょう!

「保育サービスぽてと」をもっと知りたい方はこちらから
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