弁護士に聞く終活のススメ #1

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弁護士から見る「終活」とは?50代から始める、第二の人生の考え方

「終活」と聞くと、人生の終わりに向けての活動で、暗いイメージを持つ人もあるかもしれません。

しかし、本来の終活とは、どうすれば人生を幸せに生きられるか、どうすれば今が輝くのかを目的とした活動なのではないでしょうか。

50代からの終活を通して、第二の人生を輝かせる方法を二木弁護士からお聞きします。

取り組むことで人生が輝く!終活本来のテーマとは?

2010年、「終活」という言葉が流行語大賞にノミネートされ、広く知られるようになりました。
終活とは、本来、自分の人生の終わりに向けた活動のことを指す造語です。

○活という言葉は、最近はやりで、よく使われています。
その種類は、就活、婚活、妊活、など様々です。
就活といえば就職活動、婚活と言えば結婚に向けての活動、妊活と言えば妊娠するための活動。
結局、いろいろなことに向けての活動のことですが、いずれもその目的は、より幸福になること、より安心と満足を得ること、そのための活動にほかなりません。

そうだとすると終活も、単なる人生の終わりに向けての活動というだけではないでしょう。
人生の終わりに向けて、どうすれば幸福になるか、安心満足できるか、そして輝くことができるのか、これこそが本来の終活のテーマと言えるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、人生の終わりに向けて終活を意識した人が、どうすれば輝けるのかをテーマとして、必要な法的知識などを書いてみたいと思います。

50代からでも遅くない!輝く歴史上の人物のエピソード

私もそうですが、一般的に、歳を取ることにはマイナスイメージを持っています。
特にスポーツ選手とか、アイドルタレントとか、女子アナなどを見れば、歴然としています。
しかし歴史を振り返ると、中高年となってから活躍し、輝きを放っている人は少なくありません。

カーネル・サンダース

ケンタッキーフライドチキンで有名なカーネル・サンダース(1890年~1980年)は、40歳まで様々な職を転々としていました。
しかし、40歳のときにガソリンスタンド経営を始めたことがきっかけで、カフェを併設することになり、初めて飲食店業界に乗り出したのです。

そして、各地のレストランの経営者や従業員にフライドチキンの調理法を教えて歩合を得るという、現代に近い形で新しいビジネスモデル(フランチャイズ)を始めたころには、60歳を過ぎていました。
今や、世界に名だたる飲食チェーン店に発展しています。
カーネル・サンダースは、90歳で亡くなる年になっても、世界を飛び回っていたそうです。

伊能忠敬

日本では江戸時代に活躍した伊能忠敬(1745年~1818年)という有名な人物がいます。
近代的な学問を学んで、日本全国を回り、極めて正確な地図を作成し、日本の発展に多大な貢献をした人です。

伊能忠敬は、50歳まで関東の田舎の村の商人である伊能家の当主としての仕事を全うしました。
その後隠居して伊能家の当主の地位を退いた後、19歳年下の学者に弟子入りして暦学を一から学び、次いで天文学、天体観測や測量の技術を学んでいます。
そして、55歳から17年をかけて日本全国を測量し、大日本沿海輿地全図という地図を作成しました。
当時としては際立った、精度の高い日本全国の地図でした。

伊能忠敬は、73歳の晩年まで、地図作成の第一線で活躍したのです。
50歳で隠居するまでと、その後の23年間とで、全く異なる分野に進出し、立派な業績を上げたことから、人生を2度生きた人、としても有名です。

これらの実例を見ると、年を取ることは決してマイナスなどではないことを示唆してくれています。
逆に、年を取る過程で人生経験を積み、人生を強くたくましく生き抜く知識や、能力を身につけているという、プラスの面が大きいと言えるのではないでしょうか。

終活を意識する50代の方へ

この記事を読まれている人にもいろいろな人があるでしょう。
結婚して子どももできた、自分の終活、婚活は終わった、子どものお受験も終わった、今度は自分の終活のことも考えた方がいいのかな、など思っている人もあるでしょう。

また、最近は適齢期を越えても結婚しない人が増えてきました。
有名人で独身を貫いている人でまず思い出すのは、プロ野球日本ハムの栗山監督(54歳)や、大相撲の元大関豪栄道(33歳)などが浮かびます(2020年1月現在)。
結婚相手に事欠かないだろうに、と見える人でも結婚していない、そんな人(褒め言葉ですよ!!)が多くなりました。

結婚した人、していない人、子どものある人、ない人。
仕事や趣味も様々で、個性の尊重がこれからもますます進むことでしょう。
それに伴い、生き方や価値観も多様化しています。

一人ひとり顔形も性格も異なりますし、年齢も異なるでしょう。
ですが、そろそろ先が見えて来た、そうなると終活も考えた方がいいのかな、と思うことが誰しもあるのではないでしょうか。

この連載では、そんな「終活」を意識するようになった世代の方へ、少しでもお役に立てる情報や元気の出るメッセージを発信していきます。
そして、これからの人生を輝かせる力となれれば幸いです。
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