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「3日以内に入金がないと訴訟します」!? ワンクリック詐欺にあったら

インターネットで、いろいろなサイトを見ているうちに、請求画面に切り替わってドキッとした経験はないでしょうか。
もし「支払わないと訴える」などと書かれていたら……

このような時、どうすればいのか、弁護士の浮田美穂さんにお聞きしました。

「息子がサイトを閲覧していると、請求画面に切り替わり、脅すような文句が書かれていた」という相談がありました。

「3日以内に入金がないと訴訟をします」などと書かれていると、支払わないと大変なことになるのではないかと不安になりますね。

しかし支払ったほうが大変なことになります。

これはワンクリック詐欺といって、インターネットを用いた詐欺ですから、決して支払ってはいけません。

クリックしただけで?ワンクリック詐欺とは

ワンクリック詐欺とは、パソコンや携帯電話でインターネットに接続し、サイトやメールに記載されているURLをクリックするとお金を請求されるというものです。

例えば、興味本位でサイトに載っていたURLをクリックしただけなのに、「ご入会ありがとうございました」などの画面が出て、高額な請求を受ける、ということがあります。

また、無料だと思って閲覧していたのに高額な請求をされ、サイトをよく確認してみると利用規約に有料であると記載されている、というものもあります。

脅しの手口としては、次のようなものがあります。

  1. 「〇日以内に入金しないと裁判をする」と書かれている
  2. 「個体識別番号」「IPアドレス」などが画面に表示され、あたかも個人情報を特定されたかのような画面が出てくる

いずれも、「このまま放置しておいたら大変なことになるのではないか」と思わせて入金させたり、サイト運営者に連絡をとらせたりします。

請求額を支払わなくてよい理由

契約は、お互いの意思が合致していないと成立しません。

また、勘違いをして契約を締結した場合は契約は無効になります(民法95条本文)。

ですから、「入会するつもりがなかったのに、URLをクリックしただけで入会したことにさせられた」「無料だと思って閲覧していたのに請求を受けた」という場合は、そもそも契約が成立していない、あるいは契約が無効です。

民法95条但書には、「ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない」とあります。

これは、勘違いした人に重大なミスがあれば、勘違いした人は契約を無効だとはいえないということです。

ですが、電子消費者契約及び電子承諾通知に関する法律3条で、契約をするつもりがなかったり、契約内容を勘違いしていた場合には、契約内容に間違いがないか、確認を求める画面がなければ民法95条但書の適用はないとされています。

つまり、ワンクリックの場合は、この法律により契約は無効になります。
したがって、お金を支払う必要はないのです。

脅し文句が届いた時の対処方法

一番良い対処方法は、無視です。
放っておけば何もされることはありません。

操作ミスだったことを説明しようとか、無料だと思っていたと説明しようなどと思って、サイト運営者に連絡してはいけません。

中には、「誤登録の場合は〇日以内にご連絡ください」と書いてある場合もありますが、この場合でも連絡してはいけません。サイト運営者に個人情報を教えることになるからです。

画面に「個体識別番号」とか「IPアドレス」などが出ていても、サイト運営者はあなたの住所、連絡先、メールアドレスなど何も知りません。
連絡することで、それらを教えることになるので、連絡してはいけないのです。

もし、教えてしまった場合でも、既に述べたように支払義務はありませんので、支払う必要はありません。

サイト運営者に連絡して、より脅されて怖くなり、多額のお金をだまし取られることもあります。

不安になったら、国民生活センターでも弁護士でも結構ですから、ご相談ください。

執筆したライフ記事

浮田美穂弁護士の著書

ママ弁護士の 子どもを守る相談室

ママ弁護士の 子どもを守る相談室

浮田美穂 / 二木克明 / 森岡真一(共著) 太田知子(イラスト)

子どもがいじめにあっていると分かった時、「弁護士に相談しよう」と思う人は、どれだけあるでしょうか。まずは学校やスクールカウンセラーに相談するのが一般的です。 しかし、いじめはれっきとした犯罪です。 「いじめくらいで」と思わず、相談相手の中に、ぜひ弁護士を入れてほしいと著者は訴えています。 本書では、暴行、金銭の被害、学校内ストーカー、中傷メールなど、さまざまな事例を取り上げ、相談者といじめた側、学校との間に弁護士が入って、実際にどのように解決できたのかを、分かりやすく紹介します。 また、逆に子どもが加害者として逮捕されてしまった場合、子どもが警察や裁判所でどのような扱いを受けるのか、弁護士にはどのように相談すればいいのか、などについても詳しく説明しています。 「相談費用はどのくらい?」など、誰もが気になる疑問には、Q&A形式で、具体的に答えます。 わが子もいじめにあい、悩んだ経験のある著者が他2人のベテラン弁護士とともに、ママ目線で、分かりやすくつづりました。 『子育てハッピーアドバイス』シリーズの著者である明橋大二医師の寄稿「精神科医のアドバイス」も掲載されています。 わが子を、いじめや事件から守るために、ぜひ一読しておきたい1冊です。 ※この本は、平成17年に発刊した『子どもの心』の増補改訂版です。