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あの人はどのタイプ?地雷や禁句で失敗しないための、知っておきたい4つの感情タイプ

同じ人間でも日本人でも、まったく異なるタイプ

急に不機嫌になることがあります。

理由を聞いて答えないくせに放っとくと怒ります。

いつもごめんね。

西野カナさんのヒット曲、「トリセツ」の一節です。

初めて聞いたとき、まったく理解できませんでした。そして、男性と女性の違いを端的に表した名言だと感じました。

黙っているときは、男は、言わなくても分かるだろうと思います。女性は、どうして気づいてくれないの、どうして何も言わないの、鈍感ね、と思うらしいです。

会話で求めるものは、女性は感情共有(共感)だし、男は情報共有です。タイプが異なるということなら、男性と女性は、まったく違うタイプの人間です。

不機嫌そうな女性を見ると、君子危うきに近寄らずで、黙って離れようとするのが男性です。

しかし、西野カナさんの歌では“そんなときは、懲りずにとことん付き合ってあげましょう”と続きます。
放っておいては、ますます、溝が深まります。

「面倒くさいな、男女の人間関係は」と思いますが、そんなことも言ってられません。

国籍が違ったり、民族、宗教、そういう違いがあれば、習慣や考え方が違うだろうと注意します。しかし、同じ日本人で、同性であっても、考え方が理解できないことがよくあります

兄弟であっても、性格は、驚くほど異なります。

大学生の時の同じクラスで、双子の姉妹がいて、新聞に掲載されていました。

一人は、バトミントン部に所属し活発でしたが、もう一人はハーブティーが趣味でおしとやかな感じでした。

外見はそっくりでも、話してみると、ずいぶん違うなあと驚きました。

よかれと思って言った一言で、気分を害してひどく叱られたり、同じことを言っても、他の人なら大変感謝されたりすることもあります。
時間を使って相談に乗っても、おせっかいな人と嫌われ、がっかりすることもあります。

この人には、どのように接して、どう話せば良いか、トリセツがあれば苦労はないのですが。

せめて、どういうタイプの人には、どうしたらいいか。そういうヒントはないものでしょうか。

あなたはタモさん、さんまさん?分類で分かるコミュニケーションのポイント

昔から、いろんな観点で、人のタイプ分類がされてきました。

情緒安定か不安定か。
個人主義、団体主義。協調性はどうか。
根明、根暗。
プラス思考、マイナス思考。
楽観的、悲観的。

いろんなパラメーターの中で、何で分類するのがいいでしょうか。

それを調べて、コミュニケーションに関する2つの要素、「自己主張の強弱」と「感情表現の多寡」で分けるのが、最も効果的に分類できるという調査結果があります。

自己主張の強い人と弱い人、感情表現の激しい人と乏しい人、大まかに4つに分類して、その方向性を判断するのです。

冷静沈着な“タモリ”タイプ、

親分肌の“北野タケシ”タイプ、

いい人の“所ジョージ”タイプ、

楽しい“さんま”タイプに分かれます。

主な特徴と、コミュニケーションのポイントをまとめると、下の表のとおりです。

タイプ分類 自己主張の強弱と、感情表現の多寡

典型的に、このタイプということもあれば、2つのタイプの中間ということもあります。

X軸に自己主張の強さ、Y軸に感情表現の多さを取り、座標平面上の位置を考えると、100人いれば、みな異なります。

75億の人がいても、厳密には、同じ座標に重なるということはないのです。自分とまったく同じように考える人、同じ感性の人は二人といないのです。

「彼はなぜあんなことをするのだろう」と理解に苦しむことがあります。当然です。自分にさえ、自分のことがよく分からないのです。まして、人の思いは分かりっこありません。

人の立場に立つのが大事といわれますが、厳密には不可能です。自分が、あの人の状況なら、どう思って、どう行動するかということを推測するだけです。
同じ状況を再現することもできなければ、その人がどう感じて、どう考えたか、第三者には分かるはずがないのです。

異なった人格が、一緒に生活したり、共同作業をしているという認識から、出発すべきでしょう

そのうえで、この人は、このような状況では、どういうコミュニケーションの取り方がいいのかと考えることになります。
どういう傾向が強いか、どういうタイプかということが分かれば、大変参考になります

しかし、その人のタイプも、時と場所、話し相手、心理状況によって変化します。年月とともに、さらに変わっていきます。固定不変のものはないのです。

だから、何事にも、臨機応変な対応が必要になります。基本を踏まえて、相手の表情や反応から、対応を微調整しなければなりません。

タイプが分かれば禁句や地雷も避けられる

快感情、不快感情につながるコミュニケーション様式と内容は、4タイプで以下のようになります。

アナライザー(冷静沈着な“タモリ”タイプ)

  • 快く思うこと

論理的な内容、詳細な根拠、専門性の重視、十分な検討、十分な準備。

  • 不快になること

ペースを乱される、計画の変更、論理の飛躍、漠然とした内容、納得できない仕事、妙にノリが良い、大げさな態度。

コントローラー(親分肌の“北野タケシ”タイプ)

  • 快く思うこと

単刀直入、スピーディー、権限を与えて任せられる、目標を与えて競争させる、教えを請われる。

  • 不快になること

コントロールされる、回りくどい話し、前置きが長い、あれこれ質問される、一方的に要求される、妙におだてられる。

サポーター(いい人の“所ジョージ”タイプ)

  • 快く思うこと

優しくされる、心遣い気配り、丁寧さ、協調性、ほめられる。

  • 不快になること

個人主義、不協和、見切り発車、丸投げされる、放置される、単刀直入、次々と要求される。

プロモーター(楽しい“さんま”タイプ)

  • 快く思うこと

夢がある、おだてられる、ほめられる、自由な雰囲気、目立つ。

  • 不快になること

細部にこだわる、論理的な追求、批判される、地味な仕事、無視される。

(『熱いビジネスチームをつくる4つのタイプ』より)

相手のタイプを知るには?

では、目の前の人が、一体どのタイプなのか。どうすれば、分かるでしょうか。

CSI(Communication Style Inventory)というセルフチェックテストが、ウェブサイトで利用できますが、曖昧な質問をして、その反応をみることで、大体分かります。
例えば、「調子はどうですか?」と尋ねて、どんな答えが返るかをみてください。

 

  • 「何の調子ですか」 → アナライザー(冷静沈着な“タモリ”タイプ)
  • 「どうして、そんなことを聞くのだ」 → コントローラー(親分肌の“北野タケシ”タイプ)
  • 「あなたはどうですか?」 → サポーター(いい人の“所ジョージ”タイプ)
  • 「絶好調です」 → プロモーター(楽しい“さんま”タイプ)

仕事を依頼するとき、何か相談するときなど、相手がどんなタイプなのか、あらかじめ予想して、これは禁句という、地雷を踏むことがないようにしましよう。

【参考文献】
鈴木義幸著(2002年)『熱いビジネスチームをつくる4つのタイプ』ディスカヴァー・トゥエンティワン

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