1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銀賞

『光に向かって心地よい果実』を読んで

水野友乃さん(21歳・愛知県) 一般の部

何か、甘酸っぱい果実が食べたかった。

果実にはビタミンが豊富に含まれていて、元気回復のもととなります。

『光に向かって心地よい果実』を読んで、これは本だったけれど、心を元気にさせてくれるビタミンが入っていた、と感じました。

高校を卒業した私は、社会を歩いていく事が難しい事のように思えました。学生の頃のように、勉強や人生の道徳を教えてくれる先生の指示に従う事もなく、社会では色々な人と接して、自分で自分を発見したりしなくてはいけません。それでも、社会はどう歩んでいって良いのか分かりません。その時、私は心のビタミンが不足していたのだ、と思います。

毎日、仕事から帰って『光に向かって心地よい果実』を開くのが楽しみでした。心が休まって、夢を与えてくれたからです。この本では、たくさんの話と出会う事が出来ました。それらの各話には詳しく解説されていません。しかし、それだけに、自分自身で”この話は、こう書いてあるからこういう事を言っているのだろうな”とか”きっと、こういう意味の話なのかな”と考え、気付く事が出来ました。そんな中、私の心のビタミン不足の原因は”どう生きるか”という事にこだわりすぎていた事と、善人になろうとしていた事だった、と解ったのです。そして、学生気分が抜け切っていなかったのか、人から注意される事に不服さを感じていたのです。

教えられました。感謝の気持ちを持つ大切さを。この事を知らずにいたら、私は心の成長をしていく事が出来ない、と思います。そして、成長出来ない自分にイラ立ったり、悲しんだりで心が疲れるばかりでした。第1章ではビタミン不足の心を潤してもらいました。

第2章では、おもしろい話がたくさんでした。例えば、欲張っているうちにその夢から覚めた話、笑顔の方が得な理由などが書かれてあり、何度か笑いながら読みました。笑顔の方が、怒っている時の顔よりも筋肉を動かさなくても良い。そう知った時、もちろん笑えましたが、この本は一種の美容の本でもあるな、と思ったのです。それも、一番大切な基礎からを教えてくれた美容の本です。

後半からは、夢を持っていても、諦めてしまう挫折の心を、光へ導いてくれました。夢を、再び持てたのです。夢を持っていると、毎日が楽しくなります。夢の大きな力を、感じました。”入り口がふさがっているからといって、断じて絶望してはならない”という話には、夢を絶対に諦められない、と決意させられました。そして”成功は努力の結晶である”という事も。

この『光に向かって心地よい果実』を読んで、ビタミン不足だった私の心は、心地よい果実によって回復出来ました。

社会を歩く私に、光へ導いてくれた最高の果実です。その果実は、いちごでもなく桃でもなくキウィでもなくて……感謝という、とても心に吸収しやすい果実です。

私にとっては、今まで当たり前だ、と思い過ごして来たけれど、周りの人たちのおかげで自分がいる事、命の大切さ、夢を持つ大切さを教えてくれた、社会の中の先生でもあります。そういう本、果実と出会えた事に感謝しています。