伊藤 健太郎

「なぜ生きる」の答えに科学哲学で迫るフィロソファー

昭和44年、東京都生まれ。東京大学大学院修士課程修了(専攻 科学哲学)。哲学者。
趣味は読書、映画鑑賞。柔道初段も持つ。

読者へのメッセージ

何も信じられなくなった今日、真の希望があるとすれば、「なぜ生きる」の答えではないでしょうか。
私たちは何のために生まれ、生きているのか。どんなに苦しくとも、なぜ生きねばならないのか。生きる意味も理由もわからぬまま、いくら生活が便利になり、経済が繁栄しても、それがそのまま幸せといえないことは、日本が身をもって学んだことです。
試験を乗り越え、就職難をくぐり抜け、結婚、マイホーム、子育て、ローンの返済。その先に、どんな光があるのでしょう。自分や家族が癌になるやら、認知症になるやら、介護や年金の心配も絶えません。想定外の災害や、テロの不安もあります。昔も今も、心の中は戦争状態です。
「頑張れば幸せになれる」「上を向いて歩こう」というフレーズは、右肩上がりだった昭和の一コマでは通用しましたが、今は空しく響きます。日本でも格差が広がり、いわゆる貧困層の割合が増えました。家庭の事情で夢を捨てた少年少女に、生きる希望を与えるのは、大人の役目です。それには、「そのうち、いいことがあるよ」という、根拠のない励ましは無効でしょう。
努力の報われる保証は、どこにもないのに、なぜ学校や塾に通うのか。リストラや倒産に脅えつつ、何のために働くのか。生きる目的がわからなければ、自殺を止めることも、テロに走る若者を諭すこともできません。
「なぜ生きる」の答えを知れば、勉強も仕事も「このためだ」と目的がハッキリしますから、すべての行為が意味を持ち、心から充実した人生になります。病気がつらくても、人間関係に落ち込んでも、競争に敗れても、「大目的を果たすため、乗り越えなければ!」と〝生きる力〟が湧いてくるのです。
時代と国を問わず、子どもから大人まで、最も大事な「生きる目的」を論じた拙著『なぜ生きる』は、幸い広範な読者に迎えられました。
朝の来ない夜はありません。どんな人にも、「人間に生まれて良かった」と喜べる日が、必ず来ます。
拙著が、幸せな人生の入り口になれば、望外の喜びです。

関連サイト

伊藤健太郎ブログ「哲学の部屋」

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