1. 子育て

どこからが甘やかし?自分でできるのに「お母さんやって」と言ってきたら

ごはんも着替えも歯みがきも、自分でできるはずなのに、「お母さん着せてよ」「食べさせてよ」と言ってくることはありませんか?

なんでも聞いていたら、やってもらい癖がつくのでは?

甘やかしになってよくないはず…

などと悩みますよね。

子どもの甘えを受け止めることは大切だと思っても、どこまでがよくて、どこからが甘やかしになるのでしょう?

疑問に感じていた、ワーママ・えみさんが、自信をもって対応できるようになったいきさつを、可愛いマンガでお伝えします!

こんにちは。

現在4歳の女の子みいちゃんと、2歳の男の子とうくんを育てているワーママのえみです。

今回は、4歳のみいちゃんとの関わり方で私が悩んでいたことについて紹介します。

自分でできるのに、「やって」と言ってきたとき…

4歳のみいちゃんは、衣服の着脱や食事、トイレなど、日常生活で必要なことのほとんどを、自分ですることができます。

でも「できる」と「やる」は全く別で、できることでも気分が乗らないときは自分ではやりたがりません。

たとえば、保育園にお迎えにいったとき、

「もう出発するからジャンパーを着てください」

と言っても、“自分で着たい気分”でなければ、

「お母さんが着せてよ」

と言ってきます。

「えっ、みいちゃん自分でできるやん」

と言っても、

「いやだ、お母さんがやって」

と、頑なに自分で着ることを拒みます。

自分でできることは、自分でやったらいいんじゃないかと思うのですが、それをそのまま伝えると、

「いやだ!お母さんがやってよ〜」

と泣き出してしまうこともあります。

子どもの要求にどこまで対応したらいい?

これが、ジャンパーだけなら別にいいのですが、日によっては、

「服脱がせて」

「靴履かせて」

「食べさせて」

「パジャマ着させて」

と、日常生活のありとあらゆるものを、私にしてほしがるときがあります。

しかもこれらは、「できないこと」ではなく、みいちゃんがやる気を出せば、何の問題もなく「できること」ばかりなのです。

ここで、これらの要求にどう対応するか、悩みが出てきます。

抱っこやスキンシップというのは、何歳になっても応えてあげたい「甘え」だと思うけど、こういった「自分でできること」まで親が手伝うのは「甘やかし」なのではないか…。

それにこんなことを何度も繰り返ししていると、「何でも誰かにやってもらう癖」がついたらどうしよう…。

という悩みです。

悩み解決のヒントをくれた、明橋先生の本

そんなとき、明橋大二先生の書かれた『3~6歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』を読み、この悩みに直結する内容が見つかったのです。

以下、書籍の内容をそのままご紹介します。

 

【質問】

2、3歳のころは、あまり手がかからなかったのですが、4歳になって、下の子が生まれてから、「やって」「行かない!」など甘えやわがままがひどくなりました。
夫からは、「おまえが甘やかすからだ。そんなことしていたら、収拾がつかなくなる」と責められます。

【答え】

自分でできることを「やって」と言ってきて、その求めを受け入れたら収拾がつかなくなるのではないか?と心配する親御さんがあります。状況にもよりますが、少なくともご相談のようなケースでは、子どもの甘えを受け入れることは本当に必要なことで、一度、受け入れたら、どんどん収拾つかなくなるということは決してありません

保育園の先生からも、似たような相談を時々受けます。
「親が忙しくて寂しい思いをしている子に、優しく接していると、甘えがどんどんエスカレートして、自分にくっついて体中触ってくる。その様子を見て、周りの先生から『もっと厳しく突き放したら、そんな行動は出さないんだ。あんたが甘やかしているからだ』と責められる。どうしたらいいでしょうか」
というようなものです。

もちろん、体中触ってくることで、保育士さんがつらい思いをしているなら、それは子どもに伝えて「それはやめてね」と言っていいですが、しかし甘えを受け止めること自体は決して間違っているとは思いません。
そのように激しく甘えが出てくるということは、それだけがまんしてきたからです。ですから、その甘えを受け止めるのは、必要なことです
まず本来は、親に出すべきですが、出せないときに、まずは保育士さんに出してくる、ということがあるのです。それは、甘えを適切に出せるようになるために必要なプロセスなのです。そのうえで、本当に甘えたいのはやはり親なので、親に甘えられるように、親も子も少しずつ支援していくのが、保育士の役割です。

だから甘えを受け止めることが悪いことでは決してない。むしろ、ようやくそこで子どもが自分の気持ちを出せるようになった。それは子どもにとってたいへん幸せなことです。

2、3歳の頃は、あまり手がかからなかった、ということですが、本来は、2、3歳のときは、いちばん手がかかるときです。それがあまり手がかからなかったということは、何らかの理由で子どもががまんしていたのではないかと思います。それが、下の子が生まれたのをきっかけに、出てきたのだと思います。

甘えを受け止めると、収拾がつかなくなるように思われるかもしれませんが、どんどんひどくなっていくかというと、決してそうではありません。ずっと受け止めていくと、どこかで底を打つということがあります。そうしたら、だんだんまた自分でやっていけることが増えていきます

どんどん悪くなる状況だけを見ていると、不安になるのも無理はないと思いますが、決してそうではなく、むしろしっかり甘えを出せた子が、いずれしっかり自立していく、ということを知っていただきたいと思います。

(『3~6歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』明橋大二著より)

そうか、「やって」というのもひとつの甘えだったんだ!

そして、そんな「甘え」を受け止めてもいいんだ。

むしろみいちゃんには、それが必要なことなんだ。

そう思うと、とてもホッとしました。

それからは、みいちゃんに「ジャンパー着せてよ」とせがまれても、

自信をもって対応することができるようになりました。

「甘え」と「甘やかし」の違いを、こう整理してみた

また、どういうときに親が手を貸すのがいいのか、少し自分の頭を整理してみました。

このメルマガにもあったように、

子どもが「お母さん、やってよ」と言ったときに、親が手を貸すのは自分の中でOKにしました。

でも、子どもが何も言っていないのに、先回りして親が手を貸すのは、できるだけやめようと思いました。

とはいえ、忙しい日常の中では親がやってしまうほうが早いこともあるので、全ての場面でできるかというと難しいこともあるのですが、心掛けとしては気をつけています。

子どもの気持ちはジェットコースターのように、

「自分でやりたい」と「やってほしい」気持ちの間で激しく動いているので、

「昨日は自分でやるって言っていたのに、今日はお母さんにやってほしいの?」

と、こちらがついていけなくなることもあります。

でも、「今の子どもの気持ちはそうなんだ」と受け止めて、「子どものペースに合わせて」親として子どもに必要な対応をとっていけたらいいなと思っています。

まとめ

  • 子どもが自分でできることを「やって」というのも、ひとつの甘え。そんな甘えは受け止めていい。
  • 子どもが「やって」と頼んできたことに手を貸すのはOK。子どもが何も要求してないのに手を出すのはNG。
  • 毎日、ジェットコースターのように、甘えと自立の行ったり来たりを繰り返す子どもの気持ちを、「今はそうなんだ」と受け止めることが大切。

★紹介されたQ&Aは、『3~6歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』に、分かりやすい4コママンガ付きで掲載されています。

本の詳しい情報はこちら

3~6歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス

3~6歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス

明橋大二(著) 太田知子(イラスト)

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