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関節リウマチは自己判断しないで!専門医が警告する自己治療のリスク

40代、特に女性の発症が多いといわれる「関節リウマチ」。

身体に異変を感じ、関節の痛みが続いているとしたら、関節リウマチにかかっておられるかもしれません。

関節リウマチの疑いがあった際に、自己判断で治療をしても大丈夫なのか。自己治療のリスクとは。

気になる点を関節リウマチの専門医である太田悟先生にお聞きしました。

関節リウマチは40代の発症、中でも特に女性が多く患います。

関節リウマチは全身の関節が痛み、壊れていく病気で、治らないと思っている方が多いです。病院に行っても高額な薬を勧められたり、薬にも副作用があるのではないかと思ったりと、心配になりますね。

正確な医療情報が入らず、相談できる家族や友人もいないと、病気を放置しておくことでさらに病状が悪化してしまいます。自己判断で民間療法や高額な健康食品に手を出し、結果、健康も経済面でも破たんをきたすケースもあるのです

関節リウマチの治療はこの20年で、大きな変革がありました。
治らない病気ではなく、早期に診断し治療を進めれば、関節の痛み・腫れが進むことなく、病気を意識せずに健康な生活が送れるようになります

リウマチ専門医にかかり、正しく診断と治療を受けることで、負の連鎖を断つことができるのですが、自己判断で、かえって病気が進み、不幸な結果となることがあります。事例を紹介します。

朝起きると身体に異変 40代女性の実体験

明子さんは、現在46歳。20代の頃は、バブル崩壊期でしたが、友人とカラオケや旅行など楽しんでいました。

地元の会社に就職し、結婚してまもなく男の子が一人、生まれました。
育児に追われることが多かったものの、夫の協力もあって家庭を守ることができ、大変ではあったのですが、母として妻として充実した日々を送っていました。

しかし転機が訪れます。夫が浮気をしたことが原因により39歳で離婚しました。

子供は、小学校高学年になっていましたが、自分一人で育てる決意をしました。
若い頃のように派手な生活、遊びはなくなりましたが、なんとか教育費もまかなうことができ、休みに息子とカフェやショッピングに行くことが唯一の楽しみになります。また、息子も母である自分を支えてくれました。

そんな折、明子さんは時々、自分の体に異変を感じるようになります
朝起きると、手がこわばって力が入りにくい。3カ月たってもそれは治まらず、会社の同僚に話すとリウマチではないか、病院で検査を受けた方がいい、と勧められました

そこで、近くの病院の整形外科を受診すると、やはり関節リウマチを疑うとのことで、血液検査を受けました。1週間後、結果をおそるおそる聞きに行ったところ、診断結果はリウマチ。それから、明子さんの負の連鎖が始まったのです

関節リウマチの自己判断・自己治療は禁物

医師からは、関節リウマチについて一通りの説明を受け、今後の治療についても話がありました。

その日は鎮痛剤を処方されたのですが、今後、頻繁に仕事を休んで病院に行くことなど難しいと思いました。
息子は高校2年で、将来は設計士になるため大学受験を考えていたため、子供を大学に入れるまでは自分はもう少し我慢しよう、と心に決めました。

そこで目に入ったのが、雑誌で目にした関節リウマチに効くというサプリメントでした

月々数万円もかかりましたが、残業を増やしたことでなんとか、やりくりできました。サプリメントのほかにも、マッサージや呼吸法など、周囲の人から勧められ続けてみました。

それらはしばらくは良いと思っていましたが、日々を重ねるにつれて、なかなかスッキリしないと思うようになります。

そして、リウマチ発症から2年を過ぎたころのある朝、痛みを感じて、立ち上がれないようなだるさを感じました。手がこわばり朝は力が入らない、手首や指のふしぶしが腫れている

仕事も休みがちになり、精神的にも追い詰められてしまったのです。

高額な健康食品などで貯蓄も減らしてしまい、息子の進学のことを考えるとふさぎ込む日が続きました。

関節リウマチは専門医の診察を

明子さんはたまらず、最初に受診した整形外科を訪れました。

リウマチを発症して2年、再度、レントゲンと血液検査を受けました。
2年前に比べ、リウマチのデータが上がっており、レントゲン写真でも手の関節の隙間が少し狭くなっているところが見られたのです

担当医から、リウマチ専門医を紹介しましょう、と紹介状を渡されました。

明子さんはそのとき初めて、整形外科でも専門があるのだと知りました。
そのドクターから、リウマチは正しく診断し早めに治療することが大切である。この20年で関節リウマチの治療も大変わりし、定期的にコントロール、治療すれば以前と同じように生活、仕事ができる、と説明を受けました。

効果の高い高額な生物学的製剤についても、医療費控除が受けられる話を聞きました。

早速、1週間に1回飲む抗リウマチ薬が処方され、現在、生物学的製剤の注射も行っています。以前の全身の関節の痛み、体のだるさが取れ、体調も良好とのこと。

自己注射に切り替えてからは、2カ月に1回の受診を続けており、血液データもよくなりました。仕事も順調で、この4月から数人の部下を持つ管理職を任されました。

そして息子は希望の大学に進学し、将来の夢に向かって進んでいます。

最初から、リウマチ専門医の治療を受けておけばよかったと、少し遠回りしたことを明子さんは後悔したのでした

まとめ

リウマチにかかわらず、病気は早期診断・早期治療が大切です。専門知識のない人が自己判断すると誤った方向に進んでしまい、不幸な結果を招くことがあります。

病気を治療するのは医師です。リウマチは、その道のプロであるリウマチ専門医の指示に従うことが正しい選択であるといえます。
自己判断に頼らずに、リウマチの疑いのある方はぜひ専門医に診察、治療を受けてください

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