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子供の食べ物の好き嫌いに悩んでいるママへ。解決に向かうポイントは?

子どもに何でも食べてほしいと思っても、好き嫌いで悩むことは多いのではないでしょうか? 「せっかく作ったのに、どうして食べてくれないの!?」とイライラしたときの心の持ち方について、児童臨床家の佐藤幸子さんにお聞ききしました。

子どもの食欲には個人差があります。

何でもパクパクと「おいちー、おいちー」と食べる子がいるかと思うと、お母さんが手間ひまかけてせっかく作ったものを、かたくなに食べようとしない子。

急に手で払って床に落としてしまう子。

好きなのは太麺と、なぜか“ほっけの開き”のみという子……。

そんな子どもの親御さんにとって、テレビのお子様対象の料理番組は、ストレスの元だそうです。

色彩豊かな、野菜をすべてみじん切りした「アンパンマンのキャラ弁」の紹介を見て、子どもの小食はひとえに母親の努力不足が原因と言われたようで、すっかり落ち込んでしまうのです。

では、子どもの好き嫌いは親の努力不足でしょうか。

食事の悩みについてお答えしたいと思います。

食べ物に“良いイメージ”を持たせる

以前、朝日新聞に「子どもの味覚」についての記事が載っていました。

それによると、子どもは大人に比べて経験が少ないので、様々な味のイメージが育っていないそうです。裏を返せば、それぞれの食べ物についてのイメージが「快」の状態として積み重なることで、すすんで食べることができるものが増えていくとの解説がありました。

私自身も、何年か前に、あるカップそばを食べようとしたときに、急に胃腸炎特有の吐き気が起こり、それ以降、しばらくそのカップそばが食べられなくなったことがありました。

原因はカップそばではなかったと思います(そんなに早く胃腸炎にはならない!)。

でも、カップそば=「気分の悪さ」がイメージされてしまうと、こうなるわけです。

皆さんも似たような経験はないでしょうか。

ですから、食べ物の“良いイメージ”を子どもに持たせようと思ったら、お母さん自身のゆったりとした雰囲気、明るい表情、笑顔、優しい励ましなどが大事であることがわかります。

“栄養素=成長”という不動の物差しに合わせて、「何がなんでも食べさせてやるぞ!」と意気込むことが、子どもにとって不快(威圧感、迫力、圧迫感等)のイメージとして残るとすれば、食事へのモチベーションとしては、決してプラスにはならないことがわかります。

かといって、栄養不足も心配ですよね。

「食べる」ことにまつわる「快のイメージ作り」について、説明していきたいと思います。

「食べさせる」のも「待つ」のも、親のがんばっている姿

「疲れている中、こんなにがんばって食事を作ったのに!」

「栄養のあるものを何がなんでも食べさせることが、母親としての責務だ!」

と、子どもにがんがん迫り、涙のバトルになったことはありませんか?

そう、そのようなお母さんは、本当に真面目でがんばり屋さんなんですね。

一方で、「どうせ食べないんだから、気が向くまで待っていてもいいんじゃない?」というお母さんもいます。

このような親は不真面目かといえば、そうではないんですよね。子どもの気持ちを大事にし、尊重し、子どもに合わせることをがんばっているお母さんだといえます。

どちらの考えも一理あります。一方で、お互いに、「それはやり過ぎでは?」「それは手抜きでは?」「栄養不足になったらどうするの?」と、譲れない部分も出てくると思います。

見方によっては、それぞれが「食べさせること」「待つこと」にがんばっているともいえるでしょう。

せっかく双方に、がんばりや深い愛情があるのに、どうしてうまくいかないのでしょうか。

ついついキレてしまうのは、がんばり過ぎが原因かも

「食べさせること」をがんばっているお母さんは、さらにこんなことを思うのです。

「自分の時間や睡眠を削ってがんばったのだから、食べてくれないと報われない!」

「なんで、お母さんの苦労がわからないの?」(2歳の子どもに、母親の苦労がわかったらすごいことなのですが……)。

反対に、「待つこと」にがんばっているお母さんは、怒りたいところを無理に笑顔にしたり、「まあまあ気にしない、気にしない」と自分に言い聞かせたりしても、なぜか子どもには見抜かれてしまうんですね。

しかも、がまんして子どもに合わせようとした時間と労力が大きい分、「今までにない破壊力でキレてしまった!」という最悪の結果で幕が降りた、という経験が、私にも何度もあります。

それで、ますます自己嫌悪に陥り、自信を失い、親子関係はズルズルと負のスパイラルに……。

こうなると、がまんして子どもに合わせ、笑顔を振りまいたことが、かえって怒りの火種になるという、立ち直れない状況になってしまいます。

「じゃあ、どうすればいいのよ!」と言いたくなりますよね。

子供の“心の窓”を自然に開かせる方法

親が肩の力を抜くと、親が楽になります。

親が楽になると、子どもも楽になります。

(出典 明橋大二(2006).P47『子育てハッピーアドバイス3』1万年堂出版)

これは、私の尊敬する心療内科医・明橋先生の言葉です。

「馬を川べりに連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」といわれます。

どれだけ水を飲ませようと、馬の顔を無理やり川に突っ込んでも、馬が飲もうとして口を開けなければ水はお腹に入りません。

子どもの心の窓を開けるのも同じですね。

子どもの口をこじ開けるのですら、かなり難しい(指をかまれる可能性あり!)。

ましてや、「子どもの心の窓を開ける」技術は相当なものです。

ところが一気にハードルが低くなる方法があるのです。それが、お母さんが「心の窓を開ける」「肩の力を抜く」ことなのです。

ちょうど、口の小さい壺に手を突っ込んだときには、手を開けば抜けるのと同じことです。意地を張って、手を握ったままで壺を振り回したら、壺が割れ、手に怪我をしますよね。

これは、食事の場面だけにあてはまることではありません。

親と子が、心の窓を開き合って関わり合うことは、「しつけ」や「学習」など、さまざまな面でも良い結果につながるのです。

なかなか肩の力が抜けないときは、どうしたら?

「肩の力を抜きなさい」と言われても、自分ではどうすることもできないときがあります。

そんなときは、自分以外の人の力を借りることも大切です。

自分の心に元気をくれる人、

自分らしさを引き出してくれる人、

自分の失敗を笑って励ましてくれる人、

何も言わずに聞いてくれる人、

自分の気持ちをそのまま言える人、

「ちょっと助けて!」とSOSを出せる人……。

誰でもいいのです。周りにそんな人がいなときは、この記事を見て、「大丈夫、私だけじゃないんだ」「じゅうぶん、がんばってる」と、少しでも思っていただければと思います。

そして、親が自ら心の窓を開くことで、子どもも心の窓を開け、親の思いを届かせるお手伝いをしたいと思っています。

親がいろいろとがんばっているのに、子どもの心が閉じた状態では、親も子もつらいですものね。

そのためにも、親御さんたちが、マイナーな感情も含め、自身の様々な感情に気づき、吐露し、肩の力を抜くことで、子どもをとりまく雰囲気をゆったりと、温かいものにすることが大切です。

そのことが、食事はもちろん、様々な場面での心地よい明るいイメージ作りにつながり、子ども自らが心を開き、生き生きと生活を楽しむきっかけになるからです。

子どもは皆、潜在的に素晴らしい力を持っています。

子どもが笑顔で自分らしさを最大限に発揮できるよう、親御さんと子どもたちをサポートしていきたいと思っています。

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