日本人なら知っておきたい 意訳で楽しむ古典シリーズ #119

  1. 人生

【イソップ物語】子イヌのまねをしたロバ〜「自分らしさ」を大切に

熱戦が繰り広げられた北京オリンピックが終わりました。さまざまな感動をありがとうございました!

フィギュアスケートの羽生結弦選手は、「自分らしく滑れるプログラム」で史上初の4回転半ジャンプに挑みました! すごかったですね。

「自分らしく」って、改めてステキな言葉だなと思いました。

ついつい「あの人ばかり、評価されていいな」「どうせ私なんか」と、他人と比べて嫌な思いをしてしまいます。

「イソップ物語」には、こんな話がありました。木村耕一さんの意訳でどうぞ。

子イヌのまねをしたロバ

ある所に、子イヌとロバを飼っている人がいました。
子イヌは、主人が家に帰ってくると、いつも尻尾を振って出迎えます。

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うれしそうに跳び跳ねて、主人のひざに登ったり、顔をペロペロなめるのでした。
なんてかわいい子イヌでしょう。
主人も喜び、ますます子イヌを大事にするようになりました。

それを見ていたロバは、子イヌがうらやましくなったのです。
「ボクはいつも、重い荷車を引く仕事ばかりだ。ボクも、あの子イヌのように、かわいがられたいな……

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次の日、ロバは子イヌのまねをしてみました。
帰ってきた主人の周りを、大きな尻尾を振って跳び跳ねます。
主人は、びっくりして立ち止まりました。

「よし、次は、顔をなめよう!」
ロバは、大きな口を開けて主人に近づきます。

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ところが、勢いがありすぎて、前足で主人を蹴飛ばしてしまったのです。
「あっ、ごめんなさい。失敗しちゃった……」

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主人は、カンカンに怒っています。
「いつも真面目に仕事をしているのに、今日は、どうしたというんだ! この暴れん坊め」

棒でロバをたたいて、小屋につなぎ、
「もう、出てくるな!」
と言って扉を閉め、カギをかけてしまったのでした。

子イヌには、ロバのまねはできません。
ロバには、子イヌのまねはできません。

だけど、子イヌには、子イヌのいいところがあります。
ロバには、ロバのいいところがあります。
みんな違って、当たり前。
それぞれ特長が違うだけなのです。

私たちも、周りの人を見て、うらやましく思ったり、嘆いたりしていないでしょうか。
「自分らしさ」を大切にするほうが、幸せになれますよ。

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(『月刊なぜ生きる』 令和2年10月号「イソップ物語 人生にこんな場面ありませんか?」 文 木村耕一 絵 黒澤葵 より)

「自分らしさ」を大切に

木村耕一さん、ありがとうございました。

健気なロバがかわいくて、思わず笑ってしまいました。
周りの人がうらやましくなった時は、このイソップ物語を思い出して、自分らしく、笑顔になりたいと思います。

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