日本人なら知っておきたい 意訳で楽しむ古典シリーズ #106

  1. 人生

『徒然草』からの生きるヒント〜住宅に、主の人柄が表れます(徒然草 第10段)

いい家とは?

11月18日は「いい(11)いえ(18)」と読む語呂合わせから「いい家の日」なのだそうです。

ステイホームや、テレワークが呼び掛けられて、「自分にとって、いい家とは?」と考える機会が増えたように思います。皆さんはいかがでしょうか。

『徒然草』にも住宅についての一段がありました。
兼好さんの「いい家」とは、どんな家なのでしょうか?

木村耕一さんの意訳でどうぞ。

住宅に、主の人柄が表れます

住宅は、どうせ儚い一生の仮の宿だと思っていても、住んでいる人に、しっくりきていると、とても好ましく感じます。
品格も教養も備えた人が、ゆったり落ち着いて暮らしている家は、さし込んでいる月の光までもが、一段と、心にしみるようです。

これに対して、豪華な家を建て、珍しい置物や高価な家具をたくさん並べているのを見ると、何となく気がめいってしまいます。
そんな豪華な家に、いつまでも住み続けられるはずがありません。命には限りがあります。しばらくの間のことでしかありません。しかも、生きている間でさえ、火災が起きたら、あっという間に焼けて、すべて煙になってしまう物ばかりです。

住宅を見ることによって、その家の主の心や人柄などが、だいたい推測できるものです。

【原文】
家居の、つきづきしく、あらまほしきこそ、仮の宿りとは思えど、興あるものなれ。よき人の、のどやかに住みなしたる所は、さし入りたる月の色も、ひときわしみじみと見ゆるぞかし。(第10段)

大切なのは心

木村耕一さん、ありがとうございました。

その主人の心や人柄が、家に表れてくるとは意外でしたが、ふと思い出したことがあります。

子どもの頃、親や学校の先生から、
「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持ちなさい」
とよく言われました。これは、リンカーンの言葉のようです。

その時は……。
「自分の顔」は「こんな顔」で、年を取っても「こんな顔」のままだと思っていました。

しかし、人生を重ねていくと、その人の心が「顔」に表れてくるんだなと知らされました。

同じように、「家」にも表れてくるのだと、兼好さんに教えられました。

大切なのは、心なのですね。

いい家に住んで、いい顔で、いい人生を送りたいと思います。

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