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息子がワンクリック詐欺に!高額請求でも対処方法は「一切無視」で大丈夫

インターネットの普及に伴い、それによる詐欺被害も年々増加していますね。

自分は気をつけていても、知識を持たない子供が思わぬ詐欺被害に遭ってしまう危険も大きくなっています。

今回は弁護士への相談内容でも特に多い「ワンクリック詐欺」に遭ってしまった場合の適切な対処法について、弁護士の二木克明先生にお答えいただきました。

相談内容:息子がワンクリック詐欺に遭い、高額の請求が来ました。払わないと大変なことになりそうです。どう対処したらいいでしょうか?

二木弁護士によるご回答

法律相談をしていると、このような相談はよくあります。

たいていは、無料、とあったので、アダルトサイトを閲覧していたら、突然、有料となり、

会員登録ありがとうございました。会費は月に20万円となっております。振込先は次のとおりです。

なお、解約希望の場合、次の電話番号までご連絡お願いします。30分以内であれば解約可能ですが、それ以後は受け付けません。

というようなメッセージが出るのが、最近よくあるパターンです。

そして、あわててその指定されたところに電話すると、誰も出ず、代わりに、このようなトラブルに対処する相談サイトに誘導されるようになっています。

そこで「助かった」と思って相談サイトに連絡すると、親切を装って、

退会できるようにしてあげますよ。その場合の手数料は6万円です。振込先はこちらです。

などと言われ、言われるまま支払ってしまう、というパターンです。

このような請求は、結論からいえば、法律上は無効ですので、会費の20万円も解約手数料の6万円も支払う必要はありません。対処法としては、一切無視することです

するつもりのない意思表示は「原則として無効」

このような支払いをしなければならないかどうかは、民法に定めがあります。

「月に20万円の会費を払って、アダルトサイトを自由に閲覧できる会に入会する」という申し込みと承諾があれば、入会契約が成立し、支払義務が生じます。

しかしこの人の場合、そのような申し込みをする意思はまったくありませんでした。意思がないのに申し込みをする旨のクリックをしたわけです。

これは民法95条に該当します。そこには、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする」と定められています。

「錯誤」というのは、勘違い、ということです。
法律では、勘違いして、するつもりのない意思表示をした場合「原則として無効」ということになっています

息子さんの場合、明らかに、そのような高額な料金を支払うサイトであるとわかって入会の意思を表したものではありませんので、錯誤に該当するのは明らかです。

ネットの場合は「意思確認画面」が必要

ただし、すべての錯誤を無効とした場合、様々な支障が生じてきます。そこで、民法95条は但し書きで、「重大な過失があったときは、……自らその無効を主張することができない」と定めております。

そうなると「たとえ被害に遭っても、大変な不注意によってワンクリックをした場合、この但し書きによって無効の主張ができなくなるのでは?」と心配する人もあるでしょう。

しかし、これについて、さらに電子消費者契約法で、ネットでの取引の場合、「“意思確認画面”を出さなければならない」と定めております。

つまり「今これをクリックすれば、会費が月20万円かかりますけどよいですか?」と問いかける画面を出さなければならないことになっています。

皆さんも、普通のネットショッピングをしていると、必ずそういう画面にぶつかるはずです。

そのような意思確認画面を出していない場合、いかに軽率であっても、いかに重大な過失があっても「勘違いだから無効である」という主張ができることになっております

以上から、このようなワンクリック詐欺の場合、無効の主張ができることに間違いありません。

業者側は、このような法律を熟知した上で、そのような法律を知らない人がひっかかって来るのをねらって、意思確認画面を出さず、お金をだまし取ろうとしているのです。

また「手数料6万円で会員登録抹消してあげます」というのも、詐欺ですお金を払わなくても、無効なのですから、手数料など支払う必要もありません

完全に詐欺グループの仲間が結託して、詐欺に引っかかる人をねらっております。十分ご注意ください。

子供が詐欺被害に遭わない最善の方法は

この種の詐欺に引っかからないようにするためには「おかしいな」と思ったら、すぐに対処法を相談することです

相談先としては、弁護士でもよいですが、市役所などには必ず消費者センターという、一般市民対象の相談コーナーもありますので、そこでもよいです。警察でもよいでしょう。

そして親として大事なのが、トラブルに巻き込まれたとき、子供がすぐに親に相談することができるような親子関係を作っておく、ということです。

今回の場合、息子さんが相談してこられたのでよかったのですが、えてして、思春期の子供は、親の言うことをうるさがったり反抗的になったりします。

そうなると親に相談することはほとんどなく、親も子供には小言ばかり言ってしまう。

その結果、子供はなおさら親をうとましく思って、相談などありえない、ということになりがちです。

ですが、このようなとき、親に相談することができれば、被害を未然に解決できることにつながります。そのような親子の信頼関係を保ち、維持すること。これが大切ではないでしょうか。

まとめ

  • ワンクリック詐欺への対処法は結論として、一切無視することです
  • ネットでの取引の場合、「“意思確認画面”の表示」が義務付けられており、意思確認画面を出していない場合は重大な過失があったとしても契約を無効にできるのです
  • 「おかしいな」と思ったら、弁護士や消費者センターに相談する、また子供がすぐに親に相談できるような関係をつくっておくことで、被害を未然に防ぐことができます

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