子どもを守る防犯の新常識 #2

  1. 子育て

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点

犯罪から子どもを守る、正しい防犯をご紹介する連載記事の第2弾です。

自分の子どもが犯罪に巻き込まれたらどうしよう、と思いませんか?
警察庁のデータによると、13歳未満の子どもに対する誘拐や性犯罪に関する割合が年々増えており、平成30年には1000件以上の被害が報告されています。

前回は、不審者の間違った先入観と、防犯ブザーの正しいつけ方について、防犯対策の日本有数の専門家である小宮教授に教えていただきました。
今回の記事は、子どもが連れ去られやすい場所についてです。子どものためにも絶対におさえておきましょう!

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像1

連れ去られやすい場所を2つのポイントで見分けよう

「子どもがもし知らない人に連れ去られてしまったら……。」

せめて、子どもが連れ去られやすい場所がわかればいいのに、と思いませんか?
危険な場所さえ分かれば、子どもに「その場所を通るときは気をつけてね」と教えてあげられます。

では、判別方法はあるのか?

それが、あるんです!

実は小宮教授によると、連れ去られやすい場所は、周りの景色で見分けることができるのだそうです。
そのために覚えてほしいポイントが「入りやすい」と「見えにくい」です。
ではまず「入りやすい」とはどういうことなのか見ていきましょう。

「入りやすい」場所とは?

「入りやすい」場所とはその名の通り、誰でも簡単に出入りできる場所です。
犯罪者からすると、簡単にターゲットに近づけて、すぐに逃げられる場所になります。
入りやすい場所の典型は、このような車道と歩道の間にガードレールがないところです。

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像2

小宮教授によると、誘拐事件のほぼすべてが、ガードレールがないところで起こっています。
こうした場所で連れ去られてしまうのは、子どもが誘拐犯にだまされたと気づく前に、車に乗ってしまうからです。逆に、ガードレールがあれば、車に乗り込むのに時間がかかります。その間に誰かが目撃してくれるかもしれません。誘拐犯はそう考えます。

だからこそ、ガードレールの有無さえ注意すれば、ほとんどの誘拐事件から子どもを守ることができます。

登下校時の誘拐を防ぐ効果的な教え方を、小宮教授が教えてくれました。

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像3

しかしここで注意するべきことがあります。
それが、このようなガードレールが途切れている部分です。

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像4

 

ここも「入りやすい」場所です。車でいきなり連れ去られる危険があります。この場所も注意するように、子どもに教えてあげましょう。

「見えにくい」場所とは?

次に「見えにくい」場所とは、なにか犯罪が起きても、誰にも見てもらえない可能性が高い場所です。
犯罪者からすると、犯罪の準備がしやすく、犯行を目撃されにくい場所になります。

具体的には死角でさえぎられている場所。周囲の視線が届かず、誰にも見てもらえない可能性があります。
このように周りに高い木がある場所は「見えにくい」場所になってしまいます。
また、死角がなくても、見晴らしがよくても、周りに家の窓が見えなければ、「見えにくい」場所です。
田んぼ道がその例です。

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像5

「見えにくい」場所には、もうひとつのパターンがあります。
それが「心理的に見えにくい」場所です。
具体的に見ていきましょう。

心理的に見えにくい場所とは?

・ちゃんと管理されていない、落書きや不法投棄などが多い場所
・不特定多数の人が集まり、行きかう場所

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像6

落書きや不法投棄が多い場所は、地域住民の関心が低いということです。犯罪をしても見つからないだろうと、犯罪者は推測します。
また、駅前広場や繁華街などの人が多く集まる場所は、注意が拡散し、いち個人を意識してもらうことが難しいです。
つまり人がたくさんいても「見えにくい」場所になってしまいます。
人がたくさんいる場所は安全というのは、間違った防犯知識なのです。

2つのポイントを子どもに教えるには

ここまで「入りやすい」と「見えにくい」というポイントで、子どもが連れ去られやすい場所の見分け方を紹介しました。
では実際に、この2つを子どもに理解させるには、親はどのように教えればいいのでしょうか。

親子でコミュニケーションをとろう

小宮教授によると、子どもに「入りやすい」、「見えにくい」という2つのポイントを教える効果的な方法があります。それは親子でコミュニケーションをとることです。

具体的には、親が子どもにクイズを出してあげましょう。
例えば、一緒に公園に遊びに行ったときに「この公園は見えやすい場所かな?周りに窓はいくつある?」と聞いてみましょう。
また、一緒に道を歩いているときには「ガードレールに途切れている部分はないかな?そこは入りやすい場所だから気をつけようね。」と教えてあげましょう。

このように日ごろから親子でクイズを行うことで、だんだんと子どもに2つのポイントが定着していくそうです。
親子でコミュニケーションをとることが、子どもを守るために大切なのです。

どちらの道が連れ去られやすい?

先ほどは、親子で外に出たときに行うべきクイズを紹介しました。
しかし、今の時期は子どもと一緒に出かけることが、難しいかもしれません。なので今回は、家でも簡単にできるクイズを作成しました。ぜひ親子でやってみてくださいね。

第1問

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像7

どちらの道が、より連れ去られやすいでしょうか。
理由も含めて考えてみてください。

↓正解↓

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像8

正解は右側の道です。
左の道には車道と歩道の間に、ガードレールがあります。
「入りにくい」場所になっているので連れ去られにくいです。

しかし、右側の道には段差があるだけです。
つまり「入りやすい」場所になっています。これでは子どもが車で連れ去られてしまう危険があります。
ちょっとした違いですが、お子さんに教えてあげてください。

ここでもう1つ重要なポイントがあります。
それは、どちらの写真も周りに家が少なく「見えにくい」場所になってしまっていることです。
「入りにくい」場所だからと安心することなく、2つのキーワードを常に意識することが大切です。

第2問

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像9

では、もう1問いってみましょう!
どちらの道が、より連れ去られやすいでしょうか。
理由も含めて考えてみてください。

↓正解↓

人が多いと誘拐されないは間違い!専門家が語る本当に危ない通学路の共通点の画像10

正解は左側の道です。
右側の道には、周りに多くの家があります。なので、「見えやすい」道になっていて安全です。
「見えやすい」安全な道の見分け方は、その道の周りにある、窓の数を数えることです。周りにある窓の数が多ければ多いほど、犯罪者は誰かに見られているのではないかと思います。
だからこそ、周りにある窓の数で犯罪の危険性が少ない、「見えやすい」道を見分けられるのです。

一方で左側の道は、周りを木や高い塀に囲まれています。たとえ窓があっても、こちらから見えないのであれば、「見えにくい」場所になってしまいます。このような道を子どもが1人で歩くときは、注意が必要です。

連れ去られやすい道を見分けるクイズを、2問出題しました。いかがでしたか。

まずはお母さん自身が、「入りやすい」「見えにくい」という2つのポイントを、理解することが大切です。
そしてその2つのポイントを、クイズやコミュニケーションを通して、お子さんに教えてあげてくださいね。

まとめ:「入りやすい」「見えにくい」場所を、親子で確認を

今回は、2つのポイントで分かる子どもが連れ去られやすい景色について紹介しました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

・ガードレールがない場所は「入りやすい」

・周りに住居の窓がない場所は「見えにくい」

・人がたくさんいても「見えにくい」場所になる

・親子のコミュニケーションで子どもは守れる

次回が小宮教授に教えていただく最後の防犯記事になります。お楽しみに!

参考資料はこちら

令和元年版警察白書

関連記事

記事の第1弾はこちら↓