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忍者が語源?すっぱ抜くの意味や由来、使い方を紹介します

すっぱ抜くの意味

すっぱ抜くの意味は、以下のとおりです。

 人の秘密などを不意にあばいて明るみに出す。

出典:広辞苑

他人の秘密を大衆の前に、暴露することをいいますね。

「すっぱ」という単語だけでは普段ほとんど使いませんので、言葉をみただけではどうして上記の意味になるのかわからないので、「すっぱ抜く」の語源を通して「すっぱ」の意味についても説明していきます。

すっぱ抜くの語源・由来

すっぱとは「透破」とも書かれ、戦国時代に活躍した、いわゆる「忍者」のことです。

黒澤明監督の映画「影武者」の中で、織田信長が「すっぱどもの目は節穴か!」と激怒するシーンがあります。

「忍者」という名称が広がるのはずっと後世になってからで、戦国時代は「透破」や「乱破(らっぱ)」「間者(かんじゃ)」などと呼ばれていました。

忍者の任務

忍者と聞くと、不思議な術を使って戦うシーンをイメージしたりします。

しかし戦国時代の透破や乱破は、大名のもとで、情報収集や、偽情報を流して敵を混乱させるなどの諜報活動するのが主な任務でした。そのために山伏や商人などに変装することもしばしばです。

忍者の修行の中に「麻の苗木を植え、それを毎日飛び越える」というものがあります。麻は成長がとても早く、1日で3センチほどのスピードで上に伸びていきます。それを毎日飛び越えているうちに、高くジャンプすることができるようになるという訓練。

そうした身体能力を諜報活動に活かしたのです。

有名なのは、三重県伊賀地方の「伊賀忍者」、滋賀県甲賀地方の「甲賀忍者」など。

伊賀忍者の服部半蔵は徳川家康に仕え、大名として取り立てられる異例の出世を遂げます。東京「半蔵門」は服部半蔵の屋敷があったことに由来します。

また関東の北条氏に仕えた風魔小太郎も有名です。

透破は、情報収集など諜報活動で活躍したため、相手の秘密にしている情報をあばいて明るみに出すことを、いつしか「すっぱ抜く」と言うようになりました。

すっぱ抜くの使い方例

かつての首相・田中角栄氏は、高等教育を受けていないにも関わらず、首相にまで上り詰めた経歴から「今太閤(現代版の秀吉だ)」と呼ばれました。

政治家として日中国交正常化を成功させるなど手腕を発揮。しかし、不正な金銭問題をジャーナリストの立花隆氏らに暴かれ、大きな批判にさらされることに。

その結果、首相も退陣に追い込まれてしまいました

こんなとき「金銭問題をすっぱ抜かれた」と表現します。

あるいは、秘密裏に進めていた計画をマスコミに嗅ぎつかれ、計画が台無しになった、という時なども「マスコミにすっぱ抜かれた」と言いますね。

また夏目漱石の『こころ』にこんな一節があります。

「どこか男らしい気性を具えた奥さんは、いつ私の事を食卓でKに素ぱ抜かないとも限りません」

主人公は、友人のKと同じ下宿に住んでいました。その下宿のお嬢さんに恋をしているとKから聞かされます。

主人公は、上辺は応援しているようなことを言いながら、自分もお嬢さんに恋情を抱いている。お嬢さんとの仲を真剣に考えるKをよそに、主人公はお嬢さんの母親に、お嬢さんとの結婚をひそかに申し込み承諾を得るのです。

Kの知らないところで進んだこの縁談が、母親の口からいつ漏れるかと気が気でないという場面。

ここで言う「すっぱぬく」とは「実はうちの娘に結婚を申し込んできたのです」と母親からKに暴露されることです。

まとめ

「すっぱ抜く」意味は「人の秘密などを不意にあばいて明るみに出す」ことです。

その語源は、戦国時代にも活躍した「透破」や「乱破」という、後に忍者と呼ばれる人たちと言われます。

敵の情報を盗み見たりする諜報活動に活躍したため、いつしか「すっぱ抜く」の由来になりました。

「すっぱ抜く」使い方は、「マスコミにすっぱ抜かれた」などで、明るみに出したくない情報を嗅ぎつけられたときなどに使います。

類語としては「暴露」「暴き出す」「ばらす」「露呈させる」などです。

あなたの身の回りの情報セキュリティーは大丈夫でしょうか?悪意をもった現代版忍者が、あなたの大切な情報を盗み見ようとしているかも知れません。

安全、安心の情報管理に気をつけたいと思います。

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