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無痛分娩のデメリットとは?後悔しないために知っておきたい、ソフロロジーとの違い

出産の痛みや不安を和らげる方法として、「ソフロロジー法」が注目されています。

陣痛が来てもパニックにならず、穏やかに出産できる、と聞くと魅力的に感じますが、出産の痛みを和らげる方法といえば、まずは「無痛分娩」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

今回は、ソフロロジーが「麻酔を使わない無痛分娩」と言われる理由と、ソフロロジーと無痛分娩との違いを、たなべクリニック院長の田邉良平先生にお聞きしました。

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ソフロロジーは「麻酔を使わない無痛分娩」?

-出産の痛みを和らげる方法として有名なのは、無痛分娩です。ソフロロジーは「麻酔を使わない無痛分娩」 と言われるようですが、一体なぜでしょうか?

以前テレビで特集が組まれた際に、ソフロロジーのお産は、まるで痛みを感じずに出産しているように見える、と話題になったんです。

ちょうど麻酔を使わずに無痛分娩をしているかのように見える、ということですね。

そういった場面をテレビで見て、痛くないのなら、私もソフロロジーで産みたいです! というお母さんもいます。
しかし、お母さんがとっても静かに、痛くなさそうに赤ちゃんを産むというのは、実は結果論なんです。

-実際にはとても痛いのに、頑張って痛くないフリをしているということですか?何だか辛そうですね…。結果的に痛くなさそうに見えるとはどういうことか、もう少しお聞きしたいです。

ソフロロジーでは、陣痛を、赤ちゃんを産み出すための大切なエネルギーと捉えます。
そして、この痛い陣痛があるからこそ、赤ちゃんに会えると考えています。

出産を、お母さん一人が痛みを耐え忍ぶものではなく、赤ちゃんとお母さんの初めての共同作業と捉えているのです。

ソフロロジーは、厳密にはお産の方法ではありません。世界で唯一の確立された産前教育法なのです。

もし、お母さんが正しい知識を持たないまま、お産に臨んでしまうと、「自分だけが痛くて辛い思いをして赤ちゃんを産んだ」と感じてしまいます。

産前教育をきちんと受けたお母さんは、痛いのは体の一部だけ、陣痛には休み時間がある、と知っているため、リラックスして赤ちゃんを産むことができるのです。

赤ちゃんとお母さんは一心同体なので、お母さんがリラックスしないと赤ちゃんもリラックスできません。

自分が休まないと赤ちゃんも休めない、赤ちゃんに酸素を送れるのは自分しかいない、と思ってお産をすると、結果的に、とても静かに、痛くなさそうに出産できます。

その落ち着いた様子が、まるで麻酔を使っていない無痛分娩のように見えるのです。

お産は、赤ちゃんとお母さんの初めての共同作業

-正しい知識を持つことが大事なんですね。何となく分かってきました!
でもやっぱり、痛くない出産法としては、無痛分娩のほうが魅力的に感じます…。無痛分娩と比べて、ソフロロジーにはどういったメリットがあるのでしょうか。

もちろん、無痛分娩をしっかりした考えでされている病院はたくさんあります。
中には、全てのお産を無痛分娩で行う病院もありますし、それを否定する訳ではありません。

ただ、痛いのが嫌だ、無痛分娩なら痛くないから無痛で産もう、と安易に考えているとしたら、少し立ち止まってみてほしいと思います。

私自身、開業するまで、お母さんがお産の痛みでパニックになって「もう二度と産みたくない!」「早くお腹を切って!」と叫んでいる場面にも立ち会ってきました。
そして、そういうお産に立ち会う度に、むなしく、切ない気持ちになりました。

そのため、自分が開業したら無痛分娩を扱おうと思っていたのです。

しかし、心の中には「赤ちゃんも頑張って陣痛を乗り越えているのに、どうして誰も赤ちゃんの頑張りを褒めてあげないんだろう」というモヤモヤとした気持ちがありました。

例えば、三日三晩の難産で出産したお母さんがいたら、赤ちゃんも同じ時間、大変な痛みを乗り越えて来たのに、お医者さんも助産師さんも看護師さんもご家族も、お母さんばかりを褒めるのです。

-確かに、出産を終えたお母さんには「よく頑張ったね」「おめでとう」と声をかけますが、赤ちゃんを褒める場面は見たことがありません。

こうして、ただ単に痛みを薬で和らげることが、赤ちゃんとお母さんにとって本当に必要なのか、と悩んでいたときに、ソフロロジーに出会ったのです。

私は、ソフロロジーの「あるがままを受け入れる」というポジティブな考え方はとても素敵だと思いました。

陣痛はネガティブなものでも、不必要な痛みでもありません。そしてお産は、決してお母さんだけがするものではありません。

陣痛は赤ちゃんを大切に産み出すためのエネルギー、お産は人生最初のお母さんと赤ちゃんの共同作業です。
陣痛をポジティブな痛みと捉えられたら、無痛分娩をしなくても前向きに出産できるのではないか、と考えました。

そこで、産前教育をきちんとして、お母さんの母性を育んでいったら、皆、願っていたように、ポジティブに陣痛を乗り越えて出産できたのです。

帝王切開でも、赤ちゃんに酸素を送るのはお母さん

-痛みを人工的に抑えるのではなく、ありのままでポジティブに捉える方法がソフロロジーなんですね。
お産を赤ちゃんとの共同作業、と考えると、一緒に乗り越えよう、赤ちゃんのために頑張ろう、という気持ちになれそうです。

無痛分娩を否定はしませんが、お母さんの痛みだけを取る、という考え方は、お母さんが中心で、赤ちゃんの立場が消えてしまっています。

しかし、本来、赤ちゃんとお母さんには、お産・陣痛を一緒に乗り越える力が備わっているはずです。お母さんの痛みだけを取る方法ならば、絶対に必要、といえるでしょうか。

もちろん中には、お産が上手くいかず、帝王切開になってしまうお母さんもいます。
そうすると、ごく一部のお母さんは、自分は元気に赤ちゃんと一緒に頑張れなかった、普通にお産できなかった、と自分にきびしく点数をつけるんです。

帝王切開であっても、お母さんと赤ちゃんが頑張ることには変わりがありません。手術中に赤ちゃんに酸素を送ってあげられるのは、お母さんしかいないんです。

だから私は、手術が終わるといつも「お母さんありがとう」と声をかけます。お母さんが手術中にいっぱい酸素を送ってくれたおかげで、赤ちゃんはすごく元気に会いに来たよ、と。

私が麻酔をしたから、手術をしたから、赤ちゃんが元気に産まれたわけではありません。

お母さんが酸素を送ってくれたから、赤ちゃんが元気だったんです。
だからお母さんも、赤ちゃんと一緒に頑張った、と感じられるのです。

帝王切開で出産しても、赤ちゃんがこんなに頑張って会いに来てくれた、という気持ちに気づきます。これは、とても大事なことです。

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