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【産後うつ】自分と子どもの自己肯定感のカギは、失敗の受け止め方にアリ(4)

今回の【産後うつ】シリーズでは、前回の続きで、子育てにおける、お母さんの自己肯定感について、お話します。

安心は、結果ではなくプロセス(今の種まき)にある

自己肯定感とは、深い安心感ともいえます。

自己肯定感が低く、「周りにどう思われてるだろう」「どうせ自分なんて・・・」と不安や緊張することが多いと、神経がなかなか休まらず、疲れてしまいます。

自信が持てず、いつも不安になるときは、すぐに結果を求めすぎているのかもしれません。

「いい子育てをしよう」と力んでも、それがいい子育てかどうかは、10年後20年後にならないとわかりません。
もしかしたら、一生わからないことかもしれません。

むしろ、「親にとってのいい子」に育てようと、結果的に子どもも親も不本意なことになっていないか、を振り返ることも大切かもしれません。
これは子育てあるあるであり、ついやってしまいがちです。(我が家も先日、妻と一緒に反省会しました。。)

大人しくできない、泣き喚く、好き嫌いが多い、言うことがコロコロ変わる、など、とても「いい子」とは言えなくても、それは十分「子どもらしく」育っているとは言えないでしょうか。
「子どもらしく」自分の気持ちや意見を素直に表現できるのは、自己肯定感がちゃんと育まれているからこそ、だと思います。

安心は、結果ではなく、プロセスにある」と言われます。

「今できることは精一杯やっている」と今の自分のガンバリを認めることが、安心につながるということです。
特に子育てに関しては「これでだめなら仕方ない」と開き直るくらいでもいいのではないでしょうか。

明橋先生は、「子育ての問題のほとんどは、成長と共に解消します」と仰います。
子育てに悩んでいるということは、きっと既に十分頑張っている何よりの証拠だと思います。

失敗を笑えると、気持ちが楽になる

大きな失敗をしないための最大の対策は、小さな失敗をたくさんすることです。

そして、小さな失敗から学べばいいのです。

ですから、子どもにもたくさん失敗を経験させることは大切なことです。

親も子どもも、自己肯定感を育てる上で、「失敗」をどうとらえるかはとても大切なポイントだと思います。
失敗が許されない環境というのは、とても息苦しくて、身動きがとれません。
それは学校も仕事も、子育ても同じです。

親として子どもに何を伝えるべきか。それは「親が失敗している姿を見せること」という人もいるくらいです。
「失敗を笑えると、なおいい」とも言われます。

教育とは「どうすればうまくいくか、成功するか、失敗しないか」を教えることと思われがちです。
しかし、失敗したときにそれをどう受け止めるか、どう対処するかを教えることこそ必要ではないでしょうか。

そのためには親自身の「失敗をみせること」も重要な教育といえるのではないでしょうか。

その時のキーワードも「安心」です。

自立や何かにチャレンジする上で最大のハードルは、失敗を恐れる心です。
誰でも失敗はしたくないですし、失敗しないに越したことはありませんが、失敗を過度に恐れると、チャレンジそのものができなくなってしまいます。

自己肯定感が育つ過程は、「甘えと自立」をくり返すことです。
甘えて安心することで、チャレンジ精神が芽生えてきます。

失敗したら、また甘えて慰めてもらって安心して、再チャレンジすればいいのです。

子どもがすきなお母さんは・・・

子どもたちに「どういうお母さんがいちばんいいか」、というアンケートが「0〜3歳の子育てハッピーアドバイス」に紹介されています。

私も診療でお母さんに聞いてみることがあります。
お母さん自身の予想で多いのは「いつもやさしいお母さん」ですが、アンケート結果は違いました。

それは「失敗するお母さん」だそうです。

「またやっちゃった。テヘっ」と笑ってごまかすようなツッコみどころ満載のお母さんが子どもは大好きなのです。

それはきっと、「自分もいつも完璧でいられなくてもいいんだ」とホッとできて、「失敗しても嫌われるわけじゃないんだ」と安心できるからではないでしょうか。

【産後うつ】自分と子どもの自己肯定感のカギは、失敗の受け止め方にアリ(4)の画像1

0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス

0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス

明橋大二(著) 太田知子(イラスト)

終わりに

子育ても、二人目三人目になると、一人目ほど色々気にならなくなってくると言われます。
そして、完璧な子育てを目指そうとしなくなります。

「完璧な子育て?何それ?おいしいの?」と余裕がもてて、そんなことはありえないとわかっているからでしょう。

何があっても否定されない、家族はいつも味方でいてくれる。

親も子どもも一番安心できるところが家庭。

そんな家族が増えていってほしいなと思っています。

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