孤独の名言レシピ #3

  1. 人生

独身貴族でも家庭のぬくもりを求めてしまう人へ贈る「孤独の名言レシピ」

人生100年時代における独身貴族の幸せとは?

2019年、阿部寛さん主演のドラマ「まだ結婚できない男」が放映されていました。
このドラマは10年以上前に作られたドラマの続編です。
イケメンで高収入なのに、偏屈すぎて結婚できない主人公の悲哀を描いた同作は、当時の独身中年男性の絶大な共感を呼び、大ヒットしました。

現代社会では、このような独身者は増加の一途をたどっています。
少子化社会対策白書によると「50歳時未婚率」、すなわち50歳になっても結婚したことがない人の割合は、男性で23.4%、女性で14.1%です。
いろいろと便利になっている現代。
個人で楽しめることが増えて、独身でも不自由がなくなってきているからでしょう。

今回の続編では、主人公と自分の境遇を重ね合わせてドラマを観ていた人が多いのではないでしょうか。
物語の中で、主人公が次のように語っている場面がありました。

「人生100年、つまり人生には必ずセカンドステージが来るということです。
結婚してもしなくても、セカンドステージが幸せかどうかには関係ないんです。そこ(結婚)に人生の本質はありません」

SNSでは、主人公の言葉に共感する声も多くあがっていました。
一生独身でも生きていけるし、むしろ配偶者が居るほうがあれこれ面倒、煩わされず生きていきたいと思っている人には共感を呼ぶセリフでしょう。

しかし、本当にこのまま年を重ねてよいものか、不安を抱えている人もあります。
そんな人からのお悩みを紹介します。

「人に頼れない」独身貴族のホンネ

現在、大阪府に住んでいるYさん(50代女性)は、ずっと独身を貫いてこられたそうです。
これまで交際した人も何人かいたそうですが、結婚まではいかなかったのだとか。

なぜYさんは、独身を貫いてこられたのでしょうか?
独身貴族の本音をお聞きしました。

18歳で四国から出てきて、一つの企業で働き続けて35年。
この年まで、ずっと独身のままでした。

今までつき合った人は何人かいましたが、結婚まではできませんでした。
私が小さいころ、母に対する父の日常的な暴力が原因で両親が離婚。
そのことがトラウマになっていて、結婚してもうまくいかないのではないかという思いがどこかにあるのです。

父の姿を見ていたせいか、人のことが信用できず、ずっと自分だけが頼りでした。
今まで一人で生きてきたので、だいぶたくましくなったと思います。
周囲からも「しっかりしてますね~」とよく言われ、「できる女性」と思われているみたいです。

私自身は本当はそんなに強い人間ではありません。
弱い自分を見せたくなくて、強がっているのです。
誰かに弱音を聞いてほしい、頼る相手がほしい、でもそんな場所がない。
それが今の悩みです。

仕事はやりがいがあるし、同僚や友達もいるので一人でも楽しいし、独身でいることに特に不自由はありません。
でも一方で、自分の弱さを受け止めてもらえる場所が家庭なのかも、と思う自分もいます。
やはり家庭を持ったほうが幸せなのでしょうか?

孤独を選ぶのは傷つきたくない心の裏返し

誰にも頼らず、弱音も吐かれず、今まで一人でしっかり生きてこられ、本当に素晴らしいです。
きっと、多くの人から頼りにされてきたのでしょうね。

悩みを打ち明けてくださって有難うございました。
これはYさんだけのことではなく、誰もが抱えていることだと思います。

心の寂しさの本質を表した、こんな名言があります。

孤独は厚い外套(がいとう)である。
しかし、心はその下で凍えている。

コルベンハイヤー(ドイツの作家/1878~1962)

外套とは、コートのことです。
コートは寒さをしのぐものですよね。
この名言はどのようなことを表しているのでしょうか。

Yさんが幼いころの家庭環境によってトラウマを抱えてしまったように、人といれば傷つくことがたくさんあります。
心ない言葉を投げつけられたり、ウソをつかれたりすることもあるでしょう。
突然の別れが訪れたり、仲違いすることもあるでしょう。
そういう経験を重ねていると、傷つくことが怖くなり、次第に一人でいるほうがいいと思うようになります。

孤独とは、自分が傷つかないための予防線なのかもしれません。
一人でいれば、そもそも他人から傷つけられるということもなくなるからです。
その様子を、寒さをしのぐために厚いコートを着ることにたとえられています。
はたから見れば、あの人は寒くないから大丈夫、一人でも生きていける強い人だと見えるかもしれません。

しかし、どれだけコートを着ても、やはり心は寂しいのです。
一人で大丈夫と強い自分を演じてみても、心の中では自分のことをわかってくれる人を求めているのではないでしょうか。
それは、一人の生活を謳歌している独身貴族の人も同じだと思います。

孤独な人が幸せに一歩近い理由

Yさんは、家庭を持ったほうが幸せになれるのではないかと考えておられますが、そうなのでしょうか。
続けて、こんな名言も紹介します。

孤独は優れた精神の持ち主の運命である。
ショーペンハウアー(ドイツの哲学者 / 1788~1860)

弱い自分を受け止めてくれる場所や頼れる相手を家庭に求めるのはとても自然なことです。
しかし、必ずしも家庭を持つことが幸せとは限りません。
そう考えるからこそ、Yさんも独身を貫いてこられたのでしょう。

孤独を感じ、辛い経験をしているからこそ見えてくる世界もあります。
むしろ、自分を見つめる機会は孤独な時間だからこそとれるのではないでしょうか。
そして孤独な人は、真面目に人生を見つめている分、幸せに一歩近い人と言えるかもしれません。
優れた精神の持ち主だと言われるゆえんです。

孤独な時間は、人生を意味あるものにする大切な時間なのです。

まとめ

一人の時間を謳歌する独身貴族でも、心のどこかでは寂しさを感じ、家庭のぬくもりを求めてしまうものかもしれません。
決して一人では生きていけない私たちですが、結婚したからといって幸せになれるものでもないようです。

幸せの本質とはいったい何なのか。
それを真面目に考えられるのは、孤独を感じ、つらい経験をしたときなのではないでしょうか。

孤独に苦しんだ人は、その分寄り添ってくれる人がいることの有難さもわかり、他人を大事にできます。
いずれ家庭を持つことになったとしても、この時間が必ず生きてくるはずです。
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