年齢を追うごとに悩みが大きくなる理由
心療内科医の明橋大二氏が2015年、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士の『Highly Sensitie Child』(邦訳タイトル『ひといちばい敏感な子』)を翻訳出版してから、「HSC」という言葉は日本でも少しずつ知られるようになってきました。
HSCは、赤ちゃんの頃から育てにくさを感じることが多いようです。
保育園や幼稚園に通うようになると、「何か他の子と違う」と心配に思うことが増え、そこへ加えて先生やママ友から、他の子と違う点を指摘される場面も出てくると、母親の悩みはますます深くなっていきます。
学校へ通うようになると、クラスになじめず、発達障がいでは?といわれたり、支援学級をすすめられたり、不登校気味になる子もあります。
学力は低くはないし、発達障がいとも違う気がする。だけど、子育てがすごく難しい。
なるべく子どもの気持ちに寄り添うようにしてきたけど、このままでいいの?
いったいこれから、どうしていけばいいか分からない…
そんな悩みを抱えた親御さんに、ぜひ一度確認していただきたいのが、次のチェックテストです。
HSCかどうかを知るための23のチェックテスト
このチェックリストは、HSC(ひといちばい敏感な子)かどうかを判断するために、アーロン博士が作ったものです。
次の質問に、感じたままを答えてください
子どもについて、どちらかといえば当てはまる場合、あるいは、過去に多く当てはまっていた場合には、「はい」。全く当てはまらないか、ほぼ当てはまらない場合には、「いいえ」と答えてください。
- すぐにびっくりする
- 服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
- 驚かされるのが苦手である
- しつけは、強い罰よりも、優しい注意のほうが効果がある
- 親の心を読む
- 年齢の割りに難しい言葉を使う
- いつもと違うにおいに気づく
- ユーモアのセンスがある
- 直感力に優れている
- 興奮したあとはなかなか寝つけない
- 大きな変化にうまく適応できない
- たくさんのことを質問する
- 服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
- 完璧主義である
- 誰かがつらい思いをしていることに気づく
- 静かに遊ぶのを好む
- 考えさせられる深い質問をする
- 痛みに敏感である
- うるさい場所を嫌がる
- 細かいこと(物の移動、人の外見の変化など)に気づく
- 石橋をたたいて渡る
- 人前で発表するときには、知っている人だけのほうがうまくいく
- 物事を深く考える
13個以上に「はい」なら、お子さんはおそらくHSCでしょう。
しかし、心理テストよりも、子どもを観察する親の感覚のほうが正確です。
たとえ「はい」が1つか2つでも、その度合いが極端に強ければ、お子さんはHSCの可能性があります。
(『HSCの子育てハッピーアドバイス』より)
うちの子はHSCだったのか! ストンと落ちると楽になる
いかがでしたか?
ほとんど当てはまる!と驚きの声を上げる方もあります。
チェックリストを見て、娘の特徴にぴったりなので、驚きました。
小さい頃はちょっとしたことが気になったり、「どうして?」と思うことばかりで、子育てに悩みましたが、そういう特徴を持って生まれたんだと思うと、腑に落ちると同時に、不安や嫌悪感、執着心に寄り添ってやれなかった、申し訳ない思いがこみあげてきました。
多くの人に知ってほしいです。
今まで、自分自身も生きづらさを感じており、子どもが生まれ大きくなるにつれ、自分に似た違和感を感じておりました。子育ての難しさに手を焼いている日々です。
HSCを知って、コレだったのか!!と、気持ちがストンと落ち着く思いでした。(私自身は精神疾患や発達障がいを疑い、子どもの頃から病院をまわっていました)
まだまだ一般的ではなく、相談できる相手も身近にはいませんが、自分と、まだ小さい娘の人生の光が見えた気分です。
我が子2人に対して感じていた、赤ちゃんの頃からの「ちょっと変」。その疑問がやっと解けました。発達障がいグレー?とも考えていましたが、人の気持ちには敏感なので、少し違うかなぁと思っていたところ、まさしくこれ!です。
子ども2人、そして私も当てはまる部分が多く、普段の生活には壁が多いですが、子どもと自分のペースを大切にしながら子育てしようと思います。
参考になる本
チェックテストが掲載されている本をご紹介します。
HSCを育てているお母さんは、周りから「過保護」だとか「子どもの言いなりになりすぎ」と言われることがあります。
しかし、明橋先生は、「子どもの要求を受け入れることは、決して甘やかしではなく、必要なことなのです」とおっしゃっています。
「育て方が悪い」といわれ、とても苦しんだ、と告白される方もあります。
HSCを持つ親御さんが、HSCを知り、HSCの子育てのスキルを身につけることによって、少しでも楽になることを願っています。