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135作品が集結! マンガコンテスト「なぜ生きる大賞」審査会が行われました

9月29日(土)、1万年堂出版が主催するマンガコンテスト「なぜ生きる大賞」の審査会が、東京新宿で行われました。

審査員は、明橋大二氏、中野晴行氏、高野優氏と、1万年堂出版編集部のメンバー3名。

コンテストには、8月から約1カ月半の応募期間に、10代から50代までの幅広い世代から、135件の応募作品が集まりました。

審査会では、始めに、1万年堂出版代表取締役社長からのメッセージが読み上げられました。

初の試みでしたが、これほど反響があったことに驚くばかりです。特に中学生からも興味深い作品が送られ、創作の可能性に感じ入るばかりでした。マンガコンテストの元となった『なぜ生きる』が出版されたのは、平成13年です。それから17年、多くの人が手に取り、93万部を超えるロングセラーとなりました。地震や豪雨など、想定外といわれる災害が続く昨今です。
明日は我が身かもしれないと思うと「なぜ生きる」の言葉が重く感じられます。
皆様の素晴らしいマンガを通じて、人類永遠のテーマである「なぜ生きる」について、一人でも多くの方が向き合われることを願ってやみません。(要約)

次に、審査員長で、『なぜ生きる』の著者のお一人である明橋大二氏から、ご挨拶を頂きました。

私は『子育てハッピーアドバイス』という本で、多くの人に知っていただいたのですが、実は、私の最初の著書は、共著という形ですけれども、この『なぜ生きる』という本でした。
この本の内容は、学生時代からぜひ書きたいと思っていた内容そのものです。
私はこの本ができた時点で、もう私の人生これで終わってもいいというくらい、達成感というか、喜びがありました。
私は精神科医として、日々何のために生きないといけないのかと悩む人を多く診てきました。
リストカットとか、自殺未遂とか、今回のマンガにもたくさんありましたけれども、そういう人たちに、『なぜ生きる』の本の内容を、どういう形で伝えられるか、深い内容を、どういう形でいろんな人に、伝えられるかな、と考えていました。
そいういう時に、教育とか子育てという入り口から、この内容を少しでも伝えられたらな、と思って「子育てハッピーアドバイス」ができたんですね。
「子育てハッピーアドバイス」のテーマは「自己肯定感」です。
自己肯定感とは、自分は生きている価値がある、ということですが、実はその根拠は『なぜ生きる』の中にあると思っています。
これがあるから、命の価値があるんだ、生きている意味があるんだ、と言ってきましたし、そういう意味では、すべてのバックボーンがこの本だと思っています。
今回たくさんのマンガを読ませていただいて、いじめとか重いテーマがたくさん出てきて、リアルに何のために生きているのか、ということを、多くの子どもたちも考えている、向き合おうとしている、そういう作品は、本当に素晴らしいなと思いますし、ぜひそういう人たちにも、この本に触れてもらえればなと願っています。

編集部からは、『なぜ生きる』の監修者である高森顕徹氏の紹介もあり、今回のマンガコンテストに関心を持たれ、応募作品に目を通されたと発表がありました。

そして、いよいよ審査が始まりました。
3名の審査員それぞれから、推薦するマンガを、講評を交えて発表していただきました。

明橋大二氏


私はまず70番はいいなと思いましたね。

キャバ嬢が、ある意味人間の生の実態というか、素の人間の姿が出てしまうような場所で見聞きした、今を生きる人間の現実から出発して、「ナンデナンデ」と問いかける「ナンデオバケ」が、最初は悪霊のように取り付いているのだけれども、それが、実は悪霊ではなくて、すごく自分の魂の深いところからの訴えだったんだということに気づく。
そういう本音というのは、実はキャバクラに来る人だって、そうでない人だって、みんな抱えているものなんだなと。
「ナンデオバケ」は、人生をより深く考えるきっかけだったんだということに気づいて、最後一緒に考えていこうかとなる。
見ないようにしているうちはオバケは黒かったんだけど、最後は、オバケが白くなっていますよね。向き合った時に、実はそれがすごく大事なSOSとかサインだったんだなという話は、いいなと思いました。

次に29番


シンプルなんですけれども、いじめをテーマにしていて、リアルな、おそらく子どもか、子どもに近い人が描いた作品だと思います。
ゴミ捨て場のような所に、押しのけられているんですよね。そういうところから、傷ついているんだけども、だけど、こんなんで終わるのは嫌だと、すっくと立ち上がってパッパッとゴミを払って。いろいろ辛いことがあって傷つく中で、「なぜ生きていくのか」ということを私は考えて生きていくんだ、という決意が出ていて、いいなと思いましたね。

あとは15番


これも自分のコンプレックスという、リアルな現実から出発して、私が生まれた意味を見つけたいという作品ですよね。
コンプレックスを言い訳にしないで、これがあるから駄目だというのではなくて、コンプレックスがあっても、私が生まれてきた意味を見つけたいと、最後、ポジティブなところがいいと思いました。

中野晴行氏


私の一番は61番


「生きるとは何ぞや。そんなことをずっと考えてこんな年になってしまった」と言う人が、煩悩を持って、年をとって、星占いを見て、運が20年後に開けると書いてあって喜んでいたりする。達観できない多くの人を代表するメッセージではないかと思いました。
それと、マンガとしてとてもよくできている。無駄な絵がなくて、セリフもものすごく少なくて、おもしろいなと思います。この薄墨の入れ方も手慣れているんですよね。

70番は、『なぜ生きる』の監修者の言葉に合わせるとしたら、これがいいと思います。

あと、好きなのは9番


これはオチが生きていて、あとはもうちょっとセリフをうまく入れられればね。最後にオチを持ってくるのがうまいんだけれども、難をいえば、三角巾を上手に隠す工夫があったほうがよかった。
ギャグとしては、最後一発で引っくり返すのはいいですよね。

高野優氏


私が選んだのは、決して大賞向けではないと思うのですが、中野先生もお好きな9番の方です。
こんな答えでもいいのかな、と思ったんです。何のために生きているのか、という明確で、すごく真剣な答えとか、人を納得させるような答えじゃなくて、こういうふざけたことを応募するこの方自身が好きということで選びました。オチが大阪の方っぽくて好きです。
あとは15番の方です。


文字数が多くて、「マンガ」ではないかもしれませんが、この方にしか描けない作品だと思いました。
なにより前向きでステキ。自分の職業柄でいうと、もっと文字をそぎ落として、もっと絵もシンプルにした4コマにできます。でも、今回はプロのための賞ではないんですよね。それでしたら、「このテーマを描きたい!」と、一生懸命な気持ちを応援したいなと思って選びました。

三方から講評を頂いたところで、いよいよ選考に入りました!

なぜ生きる大賞 1名
佳作      3名
審査員特別賞  1名

さて、結果はいかに?

審査発表は、こちらからごらんください。

選ばれた作品以外でも、審査員からコメントがあった作品を紹介します。


21番は、最初見た時に、意味が分からなかったのですが、じっくり見た時に、左と右のコマが相関関係があると気づいて、かなり深いということが分かりました。
生物の生き死にに対して、セミなら見向きもしないし、魚はおいしく食べるし、ネズミならインスタグラムやフェイスブックに投稿して、ネコだったら悲しむ。同じ生物に対して、ここまで向き合い方が違う、ということをサイレントで描いているところが深いなと思いました。(編集部)

25番は、勇者に悪者がやっつけられるのですけれども、息絶え絶えの悪者に「こんな私は何のために生まれてきたのだ」と問われても、それに勇者は答えられない。本当に勇者であれば、悪者の問いに答えられるはず。そこの矛盾をついているところ、すごくおもしろいと思いました。(編集部)


30番は最後の、「それ何の解決にもなってないよね?」というセリフがいいですよね。
「何で生きてるんだと思う?」という質問に対して、友達は割といい感じで話を終わらせようとしているんだけど、「いやそんな簡単なものじゃないよ」と、突っ込んでいるところが、結構考えさせるなと思います。(明橋氏)


54番は、ちょうど私が使っている駅でも、いつも募金活動をしているのですよね。心臓移植のための募金で赤ちゃんの写真があって、身につまされるのですけれども、「もしも自分がその赤ちゃんだったら」と考えたんです。何億円というお金を集めて、みんなのおかげで渡米して、帰ってきた後のこと。
自分だったらどう生きていくか、背負っていかなきゃいけないんだろうと。考えていたのですが、でも答えはなくて……。このマンガを見た時に、その思いがそのまま描いてあったので、モヤモヤしている、どう解決していったらいいのか、ここをあえてマンガにした、というところでいいなと思いました。(高野氏)


118番。みんなに大切にしてもらったけれども、人に迷惑をかけるばかりで何の役にも立っていない、自分に価値があるのか。やっぱりこういうのも、この人の実感だと思うのですよね。
だけど、生きる価値がないとか、死にたいということではなく、生きる目的を知って真剣に生きたいと、生きるということに対する真面目な姿勢が素晴らしいなと思いました。(明橋氏)