1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銀賞

『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方』を読んで

村越久美子さん(37歳・静岡県) 一般の部

明橋先生の本は、『子育てハッピーアドバイス』シリーズを読んで大好きでしたが、今回『大好き!が伝わるほめ方・叱り方』は、タイトルの「大好きが伝わる」の言葉が、とても私の心に強く残り、ぜひ手元に欲しい本だと思いました。

一番初めに「『子どもが幸せに育つために、いちばん大切なこと』、それは、自己肯定感(自己評価)です」と、書かれていました。「自分は大切な人間だ」 「自分は必要な人間だ」という気持ちは、子どもも大人も皆が求めているものなんですね。私も今でも「ほめてもらいたい。認めてもらいたい」と、強く思って います。大人で親の立場である私でさえ、こう思うのですから、子どもはもっとそう思うことでしょう。

「自分のいいところも悪いところもみんな受け入れられ、愛されている」「喜びも悲しみも共感してくれる」、そう感じることで、幸せを感じるんですね。つい 親は、子どもが頑張っている時は、ほめますが、失敗した時や落ち込んでいる時は、「がんばって」と言ってしまいがちです。

『ハッピーアドバイス』を読んでから、なるべく子どもの気持ちに共感しようと思いました。子どもが学校から帰ってきて「ただいま」の声に元気がなかった 時、「何かあった?」と聞くようにしました。子どもが話してくれた時は、「そうだったんだね」「悲しかったね」「嫌だったね」と、子どもの立場になったつ もりで接してきたら、子どもが作文に「お母さんは、ぼくのことを何でも分かってくれます。だからぼくは、安心して学校に行けます。お母さん、ありがとう」 と書いてくれました。

この作文を授業参観で読んでくれて、プレゼントしてくれました。子どもに「ありがとう。とても嬉しかったよ。宝物にするね」と伝えたら、恥ずかしそう に、でも喜んでくれました。この作文は、子どもが私自身を認めてくれた証と思い、とても嬉しく、今でも宝物として時々落ちこんだ時に、こっそりと読み返し ています。今、子どもといい親子関係が出来ているのも、明橋先生の本に出会えたからだと思っています。

親は、子どもの為と思い、皆さん叱っていると思います。でも、なかなか子どもは、「自分の為を思って叱ってくれている」、なんて思ってくれてはいないで しょう。私も叱った後は、子どもとの間に嫌な空気、後味の悪い空気になってしまうことが多いです。それは、やっぱり叱り方に問題があるのだと思います。 「あなた」メッセージではなく、「わたし」メッセージで。このアドバイスは、親子関係だけでなく、いろんな人間関係にあてはまることだと思います。

いつも子どもには、「相手の気持ちを考えて行動しようね」と言っています。それは、自分にも言えることだなと改めて思いました。子どもが、「自分のこと を分かってくれている」「自分のことを考えて言ってくれている」と思える叱り方を私はしていただろうか?と反省しました。「私は、あなたが大好きだよ」と いう気持ちが伝わる、そんな叱り方をこれから心がけていこうと思いました。そして、これからは、親にとっては困ったことでも、人に迷惑をかけるほどではな いことには、怒らないように、大きな心で見守っていこうと思います。

私には、男の子が2人います。片付けが上手だとはとても言えません。親から見ると、本当にごちゃごちゃと散らかっています。今まで何度言っても、その時 は、きれいに片付いても、数日経つと元通りでした。「子どもというものは、こういうもの」と思うようにしたら、少し気楽になり、注意する回数も減りまし た。いつか子どもが本当に困った時に片付けに目覚めてくれる、そんな日が来ると思っています。そして、やらない時は放っておく。やった時は、すかさずほめ る。このことに心がけ、子どもに接していこうと思いました。

この本を読んで、私が一番心に残ったのは、「子育てというのは、子どもが今すでに持っているいいところを発見することから始まるんじゃないかと思ってい ます」という文です。親の期待や理想で子どもを変えようと思わず、今の子どものありのままを認め、すでに持っているいいところをほめて、自分は愛されてい ると子どもが感じてくれるように接していこうと思いました。

親子だけでなく、夫婦でも友達でもいろんな人間関係にも同じことが言えると思います。ほめてくれる人を嫌う人は、いません。叱るよりもほめる。皆ほめられたら心が温かくなり、今の世の中も少しずつ明るく変わっていくのではないかと思います。

「ありがとう」は、最高のほめ言葉です。もっとこの「ありがとう」を皆が惜しみなく使えば、きっと皆が幸せを感じるのではないかと思いました。この本に出会い、素晴らしいことに気づくことができました。とても感謝しています。ありがとうございました。

子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方

子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方

明橋大二(著) 太田知子(イラスト)