セカンドライフ心理学 #5

  1. 人生

「会話が続かない」を解消!初対面でも会話を楽しむ簡単な方法

初対面でも心配なし!会話を続けるためのポイント

以前、ストレス発散のためにボクシングジムに通ったことがあります。
残念ながら1ヶ月で辞めてしまったのですが、実はその間話したのはトレーナーくらいで、それ以外の人と会話した記憶がありません。
もしジム内で仲の良い友達でもできていたら、もう少し続けられていたのかもしれませんね。

このように、新しい環境でうまく馴染めず、気まずい雰囲気を味わった経験はありませんか?
第二の人生で新しい環境に踏み込むとき、初対面の人とどうすれば仲良くなれるのかと悩みを抱えて躊躇している人は少なくないと思います。
特に「初対面でどんな会話をしたらいいのかわかない」という不安は大きいのではないでしょうか。

どのように会話を始めればいいのかわからず、ついつい相手から声をかけられるのを待ってしまう…。
思い当たる人もおられるでしょう。

今回は第二の人生を迎えるあなたへ、初対面の人とでも会話を上手くこなすためのポイントをご紹介いたします。

聞き上手が会話上手なワケ

会話の上手い人と聞くと、「口が達者な人」「次から次へと面白い話ができる人」「場を盛り上げる人」などをイメージするかもしれません。
しかし、一口に会話と言っても、それぞれ役割があります。
会話には、「回す人」「話す人」「聞く人」がいるということです。
必ずしも会話は「話す」だけではないのです。

あなたがもし「話す」ことが難しくても、「聞く」ことならまだできる気がしませんか?
聞き上手になれば、コミュニケーション能力は上がっていきます。

なぜかと言いますと、聞き上手になれば相手が話しやすい話題を振ることができるようになるからです。
相手が気持ちよく話ができるようになると、「この人と会話していると楽しい!」と感じるでしょう。

さらに会話の中で相手が喜ぶツボをつかめば、「この人は私のことをよく理解してくれている」という信頼にもつながります。
会話が上手くなるだけでなく、相手から信頼され、必要とされる人間になれるのではないでしょうか。

これであなたも聞き上手に!信頼を勝ち取るテクニック

聞き上手になるための具体的なテクニックを紹介しましょう。
NLPという最新の心理学の技法では、「バックトラッキング」と呼ばれる方法があります。
これは会話中に相手が使った言葉を返すことで、いわゆる「オウム返し」です。

例えば、こんな会話です。

あなた:今日はどちらから来られたんですか?
相手:尼崎から来ました。
あなた:尼崎から来られたんですね!

この場合は、相手が言った事実をそのまま繰り返していますが、「うれしかったんですね」「辛かったんですね」などの感情を返す方法もあります。

このバックトラッキングにプラスしてもう一言あると、さらに相手との関係性を深められます。
例えば、バックトラッキングの後に、「それで?」「それから?」「どうなったの?」など会話を促すことで、相手との会話がさらに広がっていくのです。
また質問を付け加えたりすると、相手に「この人はちゃんと理解してくれようとしている」という信頼感が生まれていきます。

聞き上手になるためには、会話の中身だけが重要なのではありません。
人は自分に似ている人や共通点の多い人に対して、安心感や親近感を無意識に感じています。
これを心理学では「類似性の法則」と言われます。

具体的な方法としては、

・話のスピードやリズムを合わせる
・声の高さを合わせる
・姿勢や動きを合わせる
・呼吸を合わせる

などがあります。
相手を注意深く観察する必要がありますが、これをすることで相手に安心感を与え、信頼関係が築かれていくのです。

話のネタは必要なし!?永遠に会話を続ける方法

バックトラッキングで言葉を返せるようになったら、会話を広げるために「質問力」を磨きましょう。

ハーバード大学で好かれる人やモテる人の会話のデータを研究したところ、好かれる人の会話には共通点があったそうです。
それはズバリ、質問が多いという点です。
トップ営業マンは、普通の人よりも質問の量が2倍も多いそうです。

しかし、なんでもかんでも質問すれば良いのではありません。
いきなり年齢や家族構成などのプライベートなことを聞くのは失礼でしょう。

ではどんな質問をすればよいのか。「フォローアップクエスチョン」がいいと言われます。
「フォローアップクエスチョン」とは、会話の中で出た相手の話題について質問することです。
テレビ番組で司会をやっているような人は、ほとんどがフォローアップクエスチョンだけで会話をしていますので、一度注意深く聞いてみてください。

例えば、こんな会話です。

相手:最近ヨガを始めたんです。
あなた:ヨガ始めたんですか!きっかけは何だったんですか?
相手:運動不足で何か始めようと思ったときに、たまたま友達から誘われたんですよ。
あなた:お友達に誘われたんですね!ヨガ始めてみてどうでしたか?
相手:思った以上に汗かいて、良い運動になりました!楽しかったです!

こんな感じでいくらでも会話を続けられます。
フォローアップクエスチョンの良いところは、相手の話題を盛り上げれば良いので、自分の話題を用意する必要がないことです。

雑談力を磨いて、良好な人間関係を築きましょう

このように、「聞き上手」になり「質問力」を身に着けることで会話は上達していくのです。

ちなみに、日常のとりとめのない会話を雑談と言いますね。
この雑談によって更に良好な人間関係が築けます。

心理学では繰り返し接すると好意度や印象が高まる(単純接触効果)と言われますが、必ずしも会えば会うほど好きになるとは限りません。
例えば、会社で毎日会っているお客さんや上司の中でも、好きな人もあれば、嫌いな人もいますよね。
この好き嫌いの違いは何なのでしょうか?

実はここに雑談の量が関係しています。
上司とどれくらい雑談をしていますか?
お客さんと仕事の話ばかりしていませんか?

もし上司やお客さんとの関係がよくないと思ったら、雑談不足になっているのかもしれません。
良好な関係を築きたいのであれば、積極的に雑談の機会を増やしましょう。

まとめ

第二の人生で新しい環境に踏み込むとき、初対面の人と会話が続くだろうかと不安になることは誰にでもあります。
しかし、あるポイントを心掛ければ、誰でも会話を続けることができるのです。

まず聞き上手になること。そして、質問力を磨くこと。
そうすることで、会話のポイントがつかめ、会話をすることが楽しくなってくるはずです。

ぜひ実践してみてください。
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