鎌倉時代に書かれた『歎異抄』は、音読すると、文章の美しさが、より深く伝わってきます。「歎異抄の文章は、国宝級だ」と語った文学者もいるほどです。
『歎異抄』の中でも、もっとも有名な第3章を、ベテラン声優の鈴木弘子さんの朗読でお楽しみください。(『朗読DVDブック歎異抄をひらく』より)

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第3章 有名な悪人正機を言われたもの

原文

 善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや。しかるを世の人つねにいわく、「悪人なお往生す、いかにいわんや善人をや」。この条、一旦そのいわれあるに似たれども、本願他力の意趣に背けり。
 そのゆえは、自力作善の人は、ひとえに他力をたのむ心欠けたる間、弥陀の本願にあらず。しかれども、自力の心をひるがえして、他力をたのみたてまつれば、真実報土の往生を遂ぐるなり。
 煩悩具足の我らはいずれの行にても生死を離るることあるべからざるを憐れみたまいて願をおこしたまう本意、悪人成仏のためなれば、他力をたのみたてまつる悪人、もっとも往生の正因なり。
 よって善人だにこそ往生すれ、まして悪人は、と仰せ候いき。

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名文で名高い『歎異抄』を、ベテラン声優の朗読で聞くの画像1

※この原文のわかりやすい意訳と、解説は、『歎異抄をひらく』の中に掲載されています。
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