1. 人生
  2. 健康

【医者からのメッセージ】痛みの中で生きるとは?線維筋痛症を乗り越えて①

体の痛みを抱える人、心の痛みを訴える人は、年々増加しています。

医学生時代、全身に痛みが走る「線維筋痛症」と闘った、原田樹(みき)医師は、自らの経験を通し、体だけではなく、心の痛みとの向き合い方、乗り越え方を伝えています。

痛みを経験したドクターの、連載コラムが始まります!

(1万年堂ライフ編集部より)

レディー・ガガも闘う、日本で200万人を超える「線維筋痛症」とは

線維筋痛症という病気を知っていますか?

24時間常に全身に痛みがあり、倦怠感や不眠など、さまざまな症状が現れる病気です。あまり知られていない病名だと思いますが、実は日本だけでも200万人を超える患者さんがいると言われている、わりとメジャーな病気なのです。

2017年には歌手のレディー・ガガさんが線維筋痛症と闘っていることを公表されたことで、テレビでも大きく取り上げられました。このとき初めて耳にしたという人もあるのではないかと思います。

私は現在医師として働いていますが、医学部5年生のときに突然強烈な全身の痛みに襲われ、それをきっかけに、自分が線維筋痛症だったということを知りました。

おそらく発症自体はもっともっと前で、日常生活に支障がない程度だったため、自分が病気であるとは全く思っていなかったのです。

夜景

体や心、さまざまな痛みを抱え、闘っている人たちへ

線維筋痛症に限らず、慢性疼痛(慢性的な痛み)を抱えている人は非常に多く、本人・家族とも悩んでいる人がたくさんいます。

病気を知ってもらいたくて始めたブログには、私の想像を優に超えたたくさんの人が訪れ、痛みに苦しんでいることを知りました。

ここでは、病気そのものについて詳しく書いていくのではなく、線維筋痛症という病気にこだわらず、体や心、さまざまな痛みと闘っている方への記事を書いていきたいと思います。

私が痛みと向き合ってきた日々や思いなど、これまでの経験が少しでもお役に立てれば幸いです。

私がどん底にいたとき、それは歩くこともままならず、痛みに耐えながらベッドの上で天井を眺めることしかできませんでした。

どん底にいたときよりも精神的につらかったのは、底に向かって落ちていく過程だったのではないかと、振り返ってみて思います。

大切なモノが、ひとつひとつ手のひらの隙間からすり抜けていくような感覚、もう失ったものは戻ってこないという喪失感が強く、一日一日が恐怖でしかありませんでした。

飛行機

先の見えない不安を支えてくれた、尊敬する先生の言葉

今は自分の落とし物をひとつひとつ拾い上げながら、日常生活に復帰し、社会生活に復帰し、医療現場に立っています。

あの日の自分にはとても信じられないことですが、闘病中に結婚し子どもが生まれ、現在は2児のママになっています。

先が見えない毎日の中で支えにしていたのは、私の一番尊敬する先生にかけていただいた、「朝の来ない夜はない」という言葉です。

あのときの私に、「大丈夫だよ」「本当だったよ」と声をかけたい。自分を信じられて本当によかったと思っています

私にとっては、ただただ大変だったという経験ですが、ブログを通じて講演の依頼や取材を受けるようになり、同じように苦しんでいる、まだ見ぬ誰かの希望になっているということを知りました。

1万年堂ライフという場をお借りして、どなたかの希望のかけらになれたらうれしいです。

あなたにも、必ず朝はやってきます

下を向いているあなたも、どうか一緒に空を見上げて、そして顔晴り(がんばり)ましょう!