1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銀賞

『光に向かって123のこころのタネ』を読んで

山口恵美子さん(47歳・熊本県) 一般の部

私が『光に向かって123のこころのタネ』に出会った時は、15年務めました妻と母と嫁にピリオドを打ち、ひとりでアパート暮らしをはじめたころでした。

しばらくは実家にて暮らしておりましたが、どうしても自分の仕事がしたく、上京したばかりでした。本と出会う前は、何で私がこんな事になるのかと周囲をうらんだり、夫のもとへ残してきた4人の子供を思い、毎日の様に涙しておりました。自分の事はさておき、夫がどうだ、姑がどうだ、仕事での人間関係がどうだと、又、こんな時に親や妹もあてにならないものだと、たしかに生きる目的を見失って、いつどこでどんなにしたら死ねるかなど思いめぐらしておりました。そしてはじめて、独立してからの給料で買いもとめた本でありました。

最初の数回は、何でこんな思いができるものか、ひと文字ひと文字理解したくない心でした。しかし、10回ぐらいすぎたころからでしょうか。もしかして世の中にはもっと苦しかったり、悲しかったり、さまざまな人生を送っている人がいるだろうと思いました。

本を読んでいく中で、一番心にひびいたものは、3番の「しばらくの縁」であります。

「この世は皆、しばらくの縁である。しばらくの間、夫であり妻であり、子供であり親なのである。そうと知れば、一瞬一瞬のご縁を大切にせずにおれなくなる」

私が今まで一番大切にしてきた事であり、一番の宝物であった事です。

夫とは見合いでしたが、共に資格を取るために婚期が遅れた2人でした。実家が、多額の借金にて一度は断りましたが、この人ならと結婚にふみきった人でした。又、まさか4人の子供に恵まれるなど想像もせず、男児3人と女児1人に恵まれた事に、一番の宝物を頂いた思いでした。2人で一生懸命育てました。しかし、子供たちに学んだ事は多々ありました。4人の子供がいたからこそ、私もいろいろと資格をとれたものだと思います。

4番の「〝ありがとう〟の言葉」では、
「自分が一番苦労していると、各自思っている。他人の良いところばかりが、目につき腹が立つ。ホントは、一番のんびりしているのが私。みんなは、ギリギリ一杯努力しているのだ。これが事実と思えないから、〝おかげさまで〟と感謝できず、〝ありがとう〟の言葉が出ない」。

たしかに今、いろいろと思いおこしてみると、してもらって当たり前で、「ありがとう」「ごめんなさい」など、言葉に出して相手に伝えていなかった事に気づかされました。ましてや夫婦・家族・仕事仲間などに対し、心より〝感謝〟をしていたかと深く考える事ばかりでした。今まで、多くの方々とのご縁を頂きました。そして、たくさんの事を学んでまいりました。自分の努力があってこそ、チャンスをつかんだものだと思いあがっていたのでしょう。悲しい思いやさみしい思いを体験してみて、この本の言葉に、今までの生き方を見直すことばかりでした。きっと、4人の子供たちのためにも、人間としての修業をさせてもらったと思っております。

そう心に問いかけ出してから、日々の中で聞けなかった鳥のさえずり、ここちよい風、朝から出会いにてかわす「おはよう」ということばに、自分以外の多くの人たちに支えられて今まで生きてきたのだとつくづく思える様になりました。そして、何でこんな事になったものかと周囲をうらんだ事にたいへんはずかしい思いをもつ様にもなりました。

今、末永く共に支え合う、尊敬と信頼をもった夫婦として、将来社会に役立つ人づくりのため子供を心強く、思いやりをもって、〝夢〟と〝希望〟をつねに失わない子供たちを送り出したいです。そして老後は、夫と共に心豊かな日々が送れればと思っております。

この本は、4人の子供たちにも読んでもらっています。すばらしい本との出会いに心より感謝申し上げます。ありがとうございます。