1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銀賞

『子育てハッピーアドバイス』を読んで

松田淳子さん(32歳・富山県) 一般の部

『子育てハッピーアドバイス』。この本は私が32歳の時にパパから誕生日プレゼントされた本でした。お腹にやっと2人目の赤ちゃんができた頃でした。それから、しばらくして無事かわいい赤ちゃんを出産し、母子ともに順調に退院、さあこれから育児に家事に頑張ろうという時でした。

2人目ということで、長女のお姉ちゃんの育児体験から、安心しきっていました。もう少しでGWになるので、家族でどこへ行こうかと楽しみにしていた矢先でした。赤ちゃんが突然の高熱と嘔吐で、だんだんぐったりしていきます。これはおかしい、と救急病院へ。薬をもらっても一向によくならず、次の日、朝一番に大きい病院へ向かったのでした。小児科で診てもらったところ、即入院でした。まさか自分の子どもが入院するなんて、ショックと看病の疲労でその場に立っていられませんでした。

初めての入院で告げられた病名は、川崎病でした。川崎病とは、乳幼児期に急な高熱と全身の発疹等の症状のあと、全身の血管が炎症を起こし、心臓の冠動脈が狭窄してしまう病気である為、入院が必要なのでした。

高熱は続き、口から飲めず、両目は真っ赤、手足は痛々しく腫れ上がり、全身は真っ赤な発赤、小さい細い腕には点滴がつながれ、「あーあー」と弱々しい声で1日中泣いています。ごめんね、ごめんね、こんな辛い思いをさせてしまって、ホントにごめんね。我が子がこんな辛い思いをして病気と闘っているのに、何もしてあげられない事に、もどかしさと情けなさ、自分自身への憤りを感じてしまうのでした。

その頃、お姉ちゃんは、ママがいない、ママがいないと、自宅で暴れていたようです。パパも突然のことで、お姉ちゃんの育児に精一杯でした。

幸い、血液製剤ガンマグロブリンの治療の御蔭で、症状は治まり、退院できました。退院前の検査では、まだ心臓の周囲に水が溜まっているといわれ、退院できたものの、この子が無事大きくなれるのか気が気でなく、病気の本や体験本など、ありとあらゆる本を読みました。ところが、読んでも読んでも、病気について理解しても、心はズンと重くなるばかり。家庭内でも、原因探しのけんかばかりでした。

精神的にも身体的にも疲れ果て、ふと目をやると、そこには、『子育てハッピーアドバイス』の本がありました。これは、パパから誕生日にプレゼントして貰ったものでした。たまたま、赤ちゃんがお昼寝をしていたのでパラパラと何気なく開いた時でした。

かわいい女の子とニコニコしているママが一緒に夕日に向かって歩いています。「子は宝」。夕日に向かう、ただ当たり前のような日常の風景に、「子は宝」の言葉に思わず泣きました。涙があとから、あとから流れ落ち、止まりませんでした。そして本を読み返しました。

入院していた時は、この当たり前の普通の毎日、普通の日常を思い描いていたのでした。家族みんなで笑いながら、温かい夕食をとることがただ願っていたことでした。本を読み涙しながら、「泣いてばかりじゃこの子は笑顔にならない、頑張ろう。この子の為に、お姉ちゃんの為に、何よりも大切なパートナーであるパパの為に、自分自身の為にも、頑張っていこう」と前向きな気持ちと温かい心が生まれたのに、気がついたのでした。

今では、検査結果の数値も正常にもどり、病気を克服し、赤ちゃんらしく、「バブーバブー」と言いながら伝い歩きの真っ最中です。夕食も家族みんなで、笑いながら食卓を囲みます。和気藹々とした一家団欒が再び戻ってきて良かった。きっとあの時ハッピーアドバイスがなければ、心が元気にはならなかっただろうと思います。ハッピーありがとう。そして、病気を克服して元気になってくれてありがとう。お姉ちゃんも入院中も寂しかっただろうに、がんばったね、ありがとう。最後にプレゼントしてくれたパパに、感謝しています。ありがとう。

子育ての道はまだまだ長く、病気の完治への道もまだ先は見えませんが、長い時間をかけてゆっくりと光が見えてくるまで、私も母として頑張ろうと思います。

家族みんながいつも元気で笑顔でいることを願って。