日本人なら知っておきたい 意訳で楽しむ古典シリーズ #173

  1. 人生

【イソップ物語】ライオンとイノシシの大ゲンカ〜ものの見方をちょっと変えてみましょう

哲学の父

4月27日は哲学の日
哲学の父といわれるのは、誰でしょうか?
はい、ギリシャの哲学者・ソクラテスです。

ソクラテスの妻は悪妻で有名でした。
ソクラテスは、「結婚して、いい女房にぶつかれば幸福になれるし、悪い女房なら哲学者になれる」と語っていたそうです。さすが、哲学者! ものの見方が違いますね。

夫婦、家族、友人、仕事など、人間関係でぶつかることがあっても、ちょっとものの見方を変えると、解決できることもあるようです。

そんなイソップ物語の一話を見つけました。

木村耕一さんの意訳でどうぞ。

ライオンとイノシシの大ゲンカ

夏の暑い日のことです。
ライオンイノシシが、小さな泉へやってきました。

2頭とも、喉が、カラカラに渇いています。
どちらが先に水を飲むかで、言い争いになってしまいました。
お互いに譲ろうとしません。

やがて、大ゲンカになり、激しい格闘が始まりました。

【イソップ物語】ライオンとイノシシの大ゲンカ〜ものの見方をちょっと変えてみましょうの画像1

戦いの合間に、ふと、後ろを振り向くと、なんと、ハゲタカが集まっているではありませんか。
どちらか倒れたほうを食べようと、待ち構えているのです。

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そこで、ライオンとイノシシは、考えました。
「俺たち、ハゲタカの餌食になるくらいなら、仲良くしたほうがいいぜ」

考え方を少し変えると、殺し合うほど激しいケンカをしている相手とも、仲直りできるのです。

【イソップ物語】ライオンとイノシシの大ゲンカ〜ものの見方をちょっと変えてみましょうの画像3

ものの見方をちょっと変えると、小さな泉でも、お互いに、水を飲むことができるのです。

人間関係にも、嫌なことが、よくあります。
人生には、困難にぶつかることが、何度もあります。

そんな時、ちょっと離れたところから、自分を見つめてみてはどうでしょうか。

ものの見方、考え方を変えると、新しい風が吹いてきます。

(『月刊なぜ生きる』 令和元年7月号「イソップ物語 人生にこんな場面ありませんか?」 文 木村耕一 絵 黒澤葵 より)

ちょっと離れたところから

木村耕一さん、ありがとうございました。

腹が立った時に、目の前の相手しか見えないと、余計に怒りの炎が燃えてきて、苦しくなります。そんな時、ちょっと離れたところから自分を見つめてみると、なるほど、冷静になれますね。

イソップ物語は、生きるヒントが散りばめられているから、長く読み継がれているのですね。