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老後の医療費はどうなる?増え続ける自己負担額の実態と対策とは

年々増加している医療費の自己負担額。

今は若くて健康な人は気にならないと思いますが、医療費制度を何も知らないままでは取り返しのつかない事態に陥るかもしれません。

老後にはどれくらいの医療費がかかるのか。

現在の医療費制度とこれからの変化、その対策について、公認会計士の吉田充寿さんにお聞きしました。

元気で若いうちは病院に通うこともあまりなく、「入院しても、医療保険に入っているから大丈夫」と思っている人が多いでしょう。

医療費を心配している人は、そんなにいないと思います。

でも、高齢者の医療費がどれくらいかかるのか?

もし聞かれたら、答えられるでしょうか。

高齢者にかかる医療費、また、引き上げられている高齢者の自己負担額の実態について解説します。

医療費は年齢と比例する?実はそれ以上。

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図のグラフは、年齢(縦軸)と医療費(横軸)の関係を示しています(出典:「医療給付実態調査報告」等より厚生労働省保険局調査課作成)。

医療費は年齢とともに比例するどころか、急激に上昇しているのが一目瞭然です

今は毎日会社に通っている人が、やがては毎日病院に通ったり、長期入院したりするようになるのです。

もちろんこれは平均像ですので、生涯現役を貫ける人は違います。

若いときからの健康維持、健康チェック、病気の予防、生活習慣を見直すことが、経済的にもおトクですね。

社会保障も減らされて、自己負担になる

よく知られている高額療養費制度は、医療費の自己負担額が1カ月に一定額までとなるように、一定額を超えた部分が後で払い戻される制度です。

この自己負担限度額は、年齢と所得状況などにより設定されていますが、順次、引き上げられています(所得によっては、引き下げとなる場合もあります)。

平成27年1月からは、70歳未満の高齢者について、次のように変わりました。

(出典:高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成27年1月診療分から)厚生労働省保険局)

年収によって負担能力が異なるという前提のもと、年収による区分が3つから5つに細分化され、負担能力に応じて限度額が見直されました。

1つの区分は引き下げ(多数回該当の場合は変更なし)、2つの区分で変更なしですが、負担能力があるとされる2つの区分で引き上げられました。

たとえば65歳、年収800万円の方で、多数回該当の場合、自己負担限度額は26年12月までは8万3,400円でしたが、27年1月からは9万3,000円です。

(多数回該当の場合とは、高額療養費の払い戻しを直近12カ月間に3月以上あったときの、4月目以降の場合のことです)。

70歳以上の高齢者についても、平成29年8月から、および平成30年8月からと段階的に、高額療養費制度の自己負担限度額が次のように引き上げられることになりました

(出典:高額療養費制度の見直しについて(概要)厚生労働省保険局)

たとえば75歳、年収800万円の方で、多数回該当の場合、自己負担限度額は30年7月までは4万4,400円ですが、30年8月からは9万3,000円です。(ただし、限度額は世帯ごとの金額です。)

このように自己負担が増える方向であるのは、 政府の財政が今でさえ歳出超過である上に、少子高齢化にともなって、これからますます財政が厳しくなることが明らかだからです。

見直される医療費制度はほかにもある

高額療養費のほかにも、見直しのメニューが続々と並べられています。

70歳から74歳の自己負担の特例措置の見直し入院時食事療養費及び入院時生活療養費の標準負担額の見直しなどです。その内容は別の機会に解説したいと思います。

今までの引き上げ幅はそれほどでもないかもしれませんが、たとえば現在40歳の人が老後を迎える時期、20年後、25年後にはどうなっているでしょう。

現在の医療費を見ているだけでは、思いもよらない負担が待ち受けている、ということにもなりかねません。

健康は財産といわれるのは、文字通りと考えてよいと思います。

まとめ

  • 医療費は65歳を超えるあたりから急激に上昇しています。ゆえに若いときからの健康維持が老後の経済的な助けとなります
  • 高額療養費の自己負担限度額は順次引き上げられており、政府の財政の歳出超過と少子高齢化を背景に、今後、自己負担額はさらに増加します
  • 高額療養費のほかにも見直しされる制度があり、思いもよらない負担が待ち受けているかもしれません。健康は財産であり、やはり若いときの生活習慣が大事です

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