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【ごみゼロの日】ごみアートを通して『ごみ問題』を子どもと一緒に考えよう

毎年、5月30日は「ごみゼロの日」ということを知っていますか?

「5(ご)3(み)0(ゼロ)」の語呂合わせから、環境省が定めているんです。

物が溢れる現代社会では、ごみ問題はとても深刻です。

年齢に関係なく、無視できない課題と言えるのではないでしょうか。

ごみを減らし、環境を守るためには大人だけが気をつけるのではなく、子どもたちにも環境問題について教えていく必要があるかもしれません。

私たちには何ができるでしょうか。

ごみゼロの日をきっかけに、お子さまと一緒に考えてみましょう!

なんと1年で、東京ドーム約115杯分のごみ!

環境省によると、全国のごみの量は1年間で、4,274万トンです。

これは東京ドーム約115杯分になります。1人1日当たりは918グラムとなり、大きなペットボトル1本分弱のごみを出しているんですね。

「え!そんなに多いの?」と思いませんでしたか?

1人1日当たりのごみの量は計算上のものですが、朝起きてから寝るまで、私たちはたくさんの物に囲まれて生活しています。

自分が捨てたものを思い返してみると、918グラムという数字は決して多いとは言えないでしょう……

ペットボトルや、紙類、ご飯の容器や何かの包みなど、日頃の生活でもごみは出ます。

また、家電の買い替えや衣替えなどで、古くなった電化製品や衣類を捨てている方もいるのではないでしょうか?

捨てる前にちょっとまって!リユースのススメ

ごみを減らさないといけないのはわかっていても、なかなか難しいもの。

でも、物を処分する機会は誰にでもあります。

特に小さなお子さまの衣類などは、すぐ着られなくなってしまいますよね。

いらなくなってしまった物は「リユース」(再使用)がオススメです。

「リユース」とは捨てずに、他の人に利用してもらうことです。

大きく2つの道があります。

①捨てずに「売る」

「メルカリ」や「ラクマ」など、無料で使える便利なフリマアプリがたくさんあります。

自分はもういらないと思っても、探している人や必要な人がいるかもしれません。

捨てようと思っていたのに、お金が増えるのだったら儲けもの。

まず、出品してみてはいかがでしょうか。

また、フリマアプリでは売れなかった物をリサイクルショップに持っていくのも1つの手段です。

値段が付かなくても、引き取りサービスがあるお店も多いため、確実に物を減らせますよ。

②捨てずに「回収」

使わなくなった物の回収を国が行っていることを知っていますか?

環境を守るための法に基づき、各市区町村で古着や家電を回収して、資源として活用しているんです。

回収ボックスを目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

自分の住んでいる地域では何を回収してくれているのか、料金はどうか、場所はどこかなど、あらかじめ把握をしていれば物を処分したいと思った時に便利ですね。

「市区町村名+ごみの種類」で簡単に検索できます。

注意していただきたいのは、「無許可」の回収業者がいるということです。

「なんでも回収いたします」と、大きな音でアナウンスを流しながら町を走っている廃品回収車が「無許可」の業者の代表です。

不法投棄や不法輸出などのごみ問題は、「無許可」の業者に原因があるとされています。

環境破壊に加担しないよう、正しい回収方法を身につけましょう。

(参照)環境省:廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!

 

TVで話題!ごみを減らすためのごみアート

自分が不法投棄をしていなくても、物の処分の仕方によってはごみ問題を引き起こしてしまうことがあります。

私たちにとって、決して関係のない問題ではありません。

不法投棄のごみを減らし、環境を守るために活動しているアーティストがいることを知っていますか?

【ごみゼロの日】ごみアートを通して『ごみ問題』を子どもと一緒に考えようの画像1
【『ガーナの子』長坂真護 作】

この作品を見てみると何が目に入るでしょうか。

テレビのリモコン、ゲーム機、携帯電話、車のパーツ、ペットボトルなど、これらは作り物ではありません。

すべて、ガーナの町に捨てられたごみで、できているんです。

【ごみゼロの日】ごみアートを通して『ごみ問題』を子どもと一緒に考えようの画像2

この作品を作ったのは、美術家の長坂真護さん。

ごみを使ったアート作品を作ることで、ごみそのものを減らせるだけではなく、作品を見た人々にごみ問題を提起しています。

歌手を目指して上京した長坂さんは、ホストになり、起業に失敗し、路上の絵描きとして活動するなど紆余曲折を経ました。

そして、芸術家として活動している中で、ガーナに「電子機器の墓場」があることを知ります。

捨てられた電子機器を焼却場で燃やし、廃材から金属を集めている若者たちは、その毒ガスに体をむしばまれながら生活しているのです。

ここで僕に何ができる。自分に問いかけた。やっぱり僕にはアートしかない。

だったら、アートでここの現状を伝えよう、この廃材を使って作品を作ろう。

アートの力でごみ問題を訴える長坂さんの活動は、テレビやメディアで広く取り上げられ、世界平和と環境保全の大切さを次世代に伝えています。

親が子どもに伝えたいごみ問題

リユース・リデュース・リサイクルなど、私たちが家庭内でできることはたくさんあります。

しかし、なぜごみを減らすことが大切かを考えなければ、けっきょく物を捨ててしまいます。

世界には、わたしたちが捨ててしまったごみによって、苦しんでいる人がいることを知らなければなりません。

1番大切なのは、ごみ問題について知ること、そして伝えていくことです。

幼稚園や小学校でも、環境問題についての教育が盛んになっています。

自然や環境に関心を持ち、今の自分だけでなく、未来を考えられる子どもを育てるために、家庭でも環境教育を始めませんか?

「他に何かに使えないかな?」

「捨ててもいいのかな?」

「このごみはどうなるのかな?」

お子さんにも声をかけて、物を大切にする習慣を身につけさせたいですね。

以下の書籍、『君の行動に愛はあるか?』では、「未来の子どもたちにこの美しい地球をひとりでも、1日でも多く見せてやりたい」と考える、長坂真護さんの作品を約80収録しています。

「アート作品」と聞くと、近寄りがたい印象を感じる方もいると思いますが、目に入ってくるのは「ごみ」となった馴染みの多い物の数々です。

絵画や彫刻を見た時とは、まったく違う印象を受けると思います。

ページをめくり、お子さまと一緒に、どんなごみが使われているのか話し合いながら、ごみ問題について考えてみませんか?

まとめ:ごみ問題を子どもたちに伝えよう

  • ごみゼロの日をきっかけに、自分たちがどれだけごみを出しているのか考えてみましょう
  • 捨てる前にリユース(再利用)を考えましょう
    フリマアプリ、リサイクルショップ、市区町村の回収ボックスなどを利用して、まだ使えるものを次の人に届けましょう
  • 日本人が捨てたごみによって辛い生活を余儀なくされている若者たちがいます
  • ごみ問題を解決するうえで大切なのは、家庭内での教育です