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マイナスの脳内プログラムを修正する6つの方法【NLP基礎講座②】

東洋医学の専門医・清水和彦先生による「心と体の健康法」シリーズです。

前回は、悩みの解決や、目標達成に有効な心理療法として注目を集めている「NLP」について、その基礎を解説いただいています。

今回は、脳内プログラムの考え方と、脳内プログラムを修正するにはどうすればいいのか、その方法をご紹介いただきます。

(1万年堂ライフ編集部)

脳は、コンピューターと同様に、多くのプログラムが正確に働いています。

ですから、プログラムと違った反応をしようとしても難しいのです。

よいと分かっていてもできないし、悪いことだと知っていても、ついつい行ってしまいます。
「わかっちゃいるけど、止められない」ということです。

脳内では、どのような作業がなされているのか

プログラムについて“現地と地図は異なる”という大事な考えがあります。

私たちが利用する地図は、目的に合わせて作成されています。道路地図、地籍図、観光地図など、それぞれ、作成の仕方に違いがあります。

実際の土地を、一定の縮尺で、そのまま正確に再現すれば、航空写真と同じになります。
旅行をしていて道が分からない時に、地図を見ることがありますが、航空写真を見ても分かりにくいでしょう。
車のナビゲーションが航空写真だとしたら、目的地がどこにあるか、どの角を曲がればよいか、判断しにくいと思います。

地図は、目的に合わせて歪曲、省略、一般化という過程を経て作られます。

歪曲とは、分かりやすくするために、あえて、事実と違った記載をするということです。実際には多少曲がっていても直線で描いたり、細い道でも太く描いたりします。

また、道路地図で、すべてを縮尺通りに表せば、道幅が髪の毛よりも細くなるかも知れない。それでは、役に立ちませんので、観光地図では、あまり重要でない道路を省略したり、観光客に関係のない施設は省くこともあります。

病院やコンビニ、ガソリンスタンドなどは、すべて、同じように表示されることもあります。これを一般化といいます。

記憶は事実と異なることがある

同じように、私達も、何か体験をしたり知識を得たりした時に、頭の中に自分で地図を作成するのです。
その時に、やはり、歪曲や省略、一般化という作業をしています。

例えば、犬が苦手という人がいます。子犬でも怖い、と言います。

どうも子どもの頃に、恐怖体験をしたらしいのです。吠えて、噛みつかれて、怖かった。そのような記憶がありました。

ところが一緒にいた母親に話を聞いてみると、状況は少し違っています。
近所の犬が餌を食べている時に、頭を撫でようとして手を出したら、吠えられた。驚いて逃げたら、走って追いかけてきた。

どうやら、実際には噛まれてはいなかったようです。
犬は、餌を取られるかと思って、吠えた。そして、走って逃げたのを見て、追いかけただけでした。

ということは、噛まれていないのに、噛まれたという歪曲がなされています。

また、餌を食べているところに手を出した、走って逃げた、ということが省略されています。

そして、どんな犬も噛みついてくる怖い存在だという一般化がなされています。

このように事実とは異なった記憶が残っています。これが“現地と地図は異なる”ということです。

脳内のプログラムに一旦、書き込まれてしまうと、その後は、犬は怖い、という記憶が呼び起こされることになります。

ですから問題のあるプログラムは変更したほうがよいでしょう。

脳内プログラムを修正する6つの方法

では、一度書き込まれてしまったプログラムは、変更できるのでしょうか?

実は、自分の都合のよいように、新たなプログラムを作成することが可能です

過去に経験したことでも、その意味づけや印象は、自由に変更することができます。
脳内プログラムを修正すると、パフォーマンスもアップさせることができるのです。

そのためのいろいろな手法が開発されていますので、その中の一部(6つの方法)を紹介します。

①アンカリング

アンカーとは「碇」という意味です。碇をおろしたときのように、その場に固定するのです。

あらかじめ、ある五感の刺激(アンカー)と、特定の好ましい感情や反応を結びつけておき、意図的にその好ましい感情や反応を呼び起こそうとするものです。

スポーツ選手がルーチンといわれる一連の動作をするのも、これに当たります。

野球のイチロー選手がバッターボックスに入った時に同じ一連の動作をしたり、ラグビーの五郎丸選手がキック前に決まった動作を行うのも、平常心を保ち、最高のパフォーマンスを行うためです。

刺激には視覚、聴覚、体性感覚、言語情報などがあります。

②コラプシングアンカー(アンカーつぶし)

これは、否定的な状態を打ち消す方法です。

否定的な状態を引き起こすアンカーと、肯定的な状態につながる強力なアンカーを同時に働かせる(共発火)ことで、否定的なアンカーが働かないようにするのです。

嫌な思い出や傷ついた言葉で引き起こされる、悲しい感情、辛い感情を、楽しい思い出や嬉しかった時の言葉を使って、克服することができます。

例えば、職場で上司から「君は何をやってもダメだな」と言われ、深く傷ついた。その言葉を思い出すと、ブルーになってしまう。ところが、後輩から「先輩は、やっぱり頼りになります」と言われて嬉しかった経験があるとします。

その場合、「君は何をやってもダメだな」という言葉が脳裏をかすめたとき、「先輩は、やっぱり頼りになります」という言葉が一緒に出てくるようにトレーニングして、克服してしまうのです。

③アクセッシングステート

憧れの先輩、好きな芸能人、こんな人になりたいというモデルはありませんか。
外見を似せるのは難しいですが、話し方や態度、雰囲気は近づけることができます。

過去に感謝されたり、ほめられたり、表彰されて嬉しかったりした成功体験。
あるいは、緊張せずに人前で堂々と発表できるようになりたい、
嫌なことは嫌と自分の意見をハッキリ言いたい、
見知らぬ人に気軽に話かけられるようになりたい、
誰にでも爽やかな挨拶ができるようになりたい、というような願望、理想像。

このような自分になりたい、というハッキリしたイメージを持ち、必要な時にその状態に入り込むのが、アクセッシングステートという手法です。

④リフレーミング(見方を変える)

これは、ものの見方、捉え方を変えるということです。

人は、独自のフィルターを通してものを見ています。それをフレームといいます。

よくいわれることですが、コップに水が半分入っているのを見て、半分しかないと思う人と、半分もあると思う人があるように、何でもネガティブに捉える人、どんなモノでもプラスの面を見出す人、さまざまです。

自分の嫌いなところ、コンプレックスでも、フレームをかけ直せば気にならなくなるのです。

過去の嫌な体験でも、意味づけを変えてしまえばプラスに転じることができます。

具体的には、人の見方でしたら、次のような例があります。

  • 冷たい → 冷静沈着、精神状態が安定している
  • 消極的 → 慎重、思慮深い
  • いい加減 → おおらか、癒やし系

⑤フューチャーペース(リハーサルする)

自分が望むような行動を取って喜んでいる姿を思い描いたり、未来に起こりうる困難な場面を想像して、上手に切り抜けるようにリハーサルすることをいいます。
今までうまくいかなかったことに臨む場合や、苦手意識を持っていた相手がいて困っていた場合に使える手法です。

スポーツの世界でも、イメージトレーニングとして重視されています。

脳に強い成功イメージを与えることで、成功の確率がアップするのです。

NLPでは、いろいろなワークの後でフューチャーペースをして、新しい行動が適切に取れるかをテストしています。

⑥フォビアキュア(恐怖症の解消)

これは、恐怖症の急速治療です。
ドラえもんはネズミに耳をかじられてから、ネズミを怖がるようになりました。

エレベーターに乗れない人、高い所が怖い人、人前で話すのが苦手な人、虫が嫌いな人…
恐怖を感じるきっかけとなった過去の体験に対して、安全な別の体験という新たな神経回路を作り、脳内プログラムを書き換えるという方法です。

これは、熟練した指導者が関わらなければなりません。

 

いかがでしたか?
次回からは、実際に、やさしいトレーニングを行ってみましょう。

 

参考図書:

NLPの教科書(前田忠志著、実務教育出版、2012年4月5日)

NLPの本(梅本和比己著、西東社、2013年2月15日)

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