苦しみの新しい間を楽しみといい、楽しみの古くなったのを苦しみという
「今、楽しいことをやればいいんだ。それが、その時その時の、生きる目的。そうやって生きてゆくのはなんのため? そんな面倒な問題は、忘れたほうが面白く生きられるよ」
そんな人もあるでしょう。
本当にそんな主張を貫くことができるのでしょうか、いろいろな「楽しみ」の実態を考えてみたいと思います。
まず「欲望を満たす喜び」から、見てみましょう。
私たちの欲求はさまざまで、おいしい物が食べたい、流行の服が着たい、車が欲しい、恋人がいたら……そのほか、あげればキリがありません。
欲望を満たすと、不満や苦痛は解消します。その過程で感じる「気持ちよさ」が、欲望を満たす幸福感です。
たとえば喉が渇いたときにコーラを飲めば、“スカッとさわやか”な快感を覚えます。
しかしその気持ちよさも束の間で、もう一口、また一口、と次第に渇きが癒されるにつれ、爽快感は減退します。
渇きが減ってゆく過程だけがおいしいと感じられるのです。
百パーセント“渇き”がなくなってからのコーラは、逆に苦しいものとなるでしょう。
痒いところを掻いている快感が、やがて痛くなるのと同じです。
不満がなくなると苦痛に変わる。
これは「限界効用逓減の法則」と名づけられている、いろいろな場面で見られる現象です。
デートの喜びも、新しく始めた趣味の楽しみも、回数を重ねるにつれ、かつての興奮が味わえなくなってくるのではないでしょうか。
欲望を満たす“気持ちよさ”は強烈な幸福感ですが、すぐ消え去る宿命は、まぬがれようがありません。
苦しみの新しい間を楽しみといい、楽しみの古くなったのを苦しみといわれる、ゆえんです。
(『なぜ生きる』p.53-55 著:明橋大二・伊藤健太郎、監修:高森顕徹)
そんな人もあるでしょう。
本当にそんな主張を貫くことができるのでしょうか、いろいろな「楽しみ」の実態を考えてみたいと思います。
まず「欲望を満たす喜び」から、見てみましょう。
私たちの欲求はさまざまで、おいしい物が食べたい、流行の服が着たい、車が欲しい、恋人がいたら……そのほか、あげればキリがありません。
欲望を満たすと、不満や苦痛は解消します。その過程で感じる「気持ちよさ」が、欲望を満たす幸福感です。
たとえば喉が渇いたときにコーラを飲めば、“スカッとさわやか”な快感を覚えます。
しかしその気持ちよさも束の間で、もう一口、また一口、と次第に渇きが癒されるにつれ、爽快感は減退します。
渇きが減ってゆく過程だけがおいしいと感じられるのです。
百パーセント“渇き”がなくなってからのコーラは、逆に苦しいものとなるでしょう。
痒いところを掻いている快感が、やがて痛くなるのと同じです。
不満がなくなると苦痛に変わる。
これは「限界効用逓減の法則」と名づけられている、いろいろな場面で見られる現象です。
デートの喜びも、新しく始めた趣味の楽しみも、回数を重ねるにつれ、かつての興奮が味わえなくなってくるのではないでしょうか。
欲望を満たす“気持ちよさ”は強烈な幸福感ですが、すぐ消え去る宿命は、まぬがれようがありません。
苦しみの新しい間を楽しみといい、楽しみの古くなったのを苦しみといわれる、ゆえんです。
(『なぜ生きる』p.53-55 著:明橋大二・伊藤健太郎、監修:高森顕徹)
『なぜ生きる』書籍紹介
子供から大人まで、多くの人に勇気と元気を与えている書籍です。
発刊から20年たった今でも多くの方に読まれています。
忙しい日々のなか、ちょっと立ち止まって、「なぜ生きる」、考えてみませんか?
『なぜ生きる』のお求めは、お近くの書店や、弊社まで(TEL: 03-3518-2126)
お問い合わせください。
『歎異抄ってなんだろう』『歎異抄をひらく』書籍紹介
先の見えない今、「本当に大切なものって、一体何?」という誰もがぶつかる疑問にヒントをくれる古典として、『歎異抄』が注目を集めています。
昨年12月に発売した入門書、『歎異抄ってなんだろう』は、たちまち話題の本に。
50万部突破のロングセラー『歎異抄をひらく』と合わせて、どちらも、読者の皆さんから、「心が軽くなった」「生きる力が湧いてきた」という声が続々と届いています!