1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銅賞

『親のこころ おむすびの味』を読んで

小野寺遥香さん(11歳・宮城県) 小学生の部

私は、この本を読んで2つの話に目をひかれました。

1つは「出産を見届けるまでは死ねない」です。私は、この話を読んで心が動かされました。

この話に登場する女の人は、お腹に赤ちゃんがいたのですが、この人のお母さんは病気で入院していたのだそうです。ですが、この女の人のお母さんは、カレンダーを見てこの女の人の出産予定日を数えていたそうです。この部分を読んだときに、私はお母さんっていうのは、どんなときでも自分の子どものことを考えるものなのかなと思いました。

その女の人が赤ちゃんを産んで、車いすでお母さんのいる病院に行ったとき、そのお母さんは、酸素マスクをとって、かすかな声で
「おめでとう」
と言ったそうです。それから、明け方にそのお母さんは亡くなったそうです。

私は、自分もお母さんがこんな状態のとき赤ちゃんを産むとなったら、お母さんに私は自分で産んだ赤ちゃんを見せてあげることができるかなと思いました。

そして今、自分のお母さんがそばにいることに感謝しなくてはいけないんだなと思いました。

2つ目は、「あなたが『今』を生きていてくれるだけで、お母さんはうれしいの」という話です。この話に出てくるお母さんの言ったことばを読んで感動しました。

この話に出てくるお母さんは、
「私なんかいらない子」
と泣いて言う自分の子どもにこう言いました。

「たとえあなたが重い病気でも、看病が苦痛だなんて思わない。勉強ができなくても、できの悪い子だなんて思わない。あなたが『今』を生きていてくれるだけでうれしいのだから、せめないで。いらない子なんかじゃない」
と……。私はこの部分を読んで、お父さんやお母さんは、自分の子どもがどんな状態になってもいらない子とは思わないで、生きていてくれるだけでうれしいんだなと思いました。自分もいつかお母さんになって、自分の子が生まれたら、このお母さんのようにはげましてあげたいと思いました。

私は、これからもお母さんを大事にしようと思いました。そして、この話に出てくるようなすばらしいお母さんになりたいと思いました。