1. 人生
  2. 法律

裁判所からの書類は放置しない!弁護士が警告する“支払督促”のコワさとは

裁判所から、身に覚えのない手紙が届いたなら、あなたはどうされますか?

身に覚えのない上に、忙しい方だと、対応を忘れてしまうかもしれません。

そんな方にぜひ知っておいていただきたいのが「支払督促」という言葉。「支払督促」のこわさについて、実際に起こったことを踏まえ、弁護士の小倉悠治先生に解説いただきます。

支払督促という制度をご存じでしょうか。

請求する側にとっては簡単でよい制度 なのですが、支払う側からすると、無視した場合、たとえ事実と異なった要求でも通ってしまうという、おそろしい制度なのです。

簡易裁判所からの「身に覚えのない」内容の手紙を無視し続けていった結果…

こんなことがありました。Aさんの家に一通の手紙が届きました。送り主は東京 簡易裁判所。開けてみると、「10年以上前にお金を貸したのに返さないから返せ」という内容の書類でした。

Aさんはずいぶん前のことで覚えていなかったこと、 そして仕事が忙しかったことから、無視してしまいました。

その後、再び裁判所から手紙が届きましたが、それも無視してしまいました。

すると、しばらくして 給料を差し押さえられてしまったのです。

さて、何が起きたのでしょうか。

裁判所から届いた書類は絶対に無視しない 放置すれば“強制執行”される

裁判にも種類があり、もっとも簡単なものが支払督促です。

これは、裁判所に一定の事項を書いた書類を提出すれば、通常の裁判と異なり、書類審査だけで手続きできるものです。これにより、裁判所から支払督促が郵送されます。

裁判所から届いた書類を2週間放置してしまうと、相手は仮執行宣言の申立てということをします裁判所が内容を審査して、問題がなければ、仮執行宣言付支払督促を発送します。

仮執行宣言付支払督促が手元に届き、さらに2週間放置すると、今度は相手は強制執行をすることができるのです

もちろん、裁判所から書類が届いた段階で「異議申立て」というのをすれば裁判所で審理が行われますので、そこでいろいろな反論ができます。

ところが、無視し続けていると、相手の主張が全部認められてしまうのです

仮に、相手の言っていることが事実と異なっていても、全部認められてしまうのです。

Aさんの場合であれば、10年以上前の借金ですから、もし1回も返していないのであれば、時効であり、返す必要のないものでした。しかし支払督促が確定してしまえば、時効は10年間伸びてしまいます。

もし裁判所から書類が届いた場合には絶対に無視せず、弁護士に相談することをお勧めいたします。

まとめ

  • もっとも簡単な裁判が「支払督促」です。裁判所からの支払督促を無視し続けると、強制執行により給料が差し押さえられることもあります。相手の主張が間違っていても、その言い分も認められてしまいます
  • 裁判所からの書類は絶対に無視せずに、弁護士に相談するなど、処置をしましょう
他のお悩み解決記事もチェック!