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お気に入りの本を読んでいるとき、終わりに差し掛かると、なんだか淋しくなってしまうことはないでしょうか。

同じような現象で、人気のドラマが最終回を迎えた時や、芸能人が結婚したときに「○○ロス」という言葉を耳にすることがあります。

楽しみにしていたこと、大切にしていたものが無くなってしまい、「明日から何を楽しみに頑張ろう…」と喪失感を抱えることを言うようです。

楽しいことがずっと続けばいいのに……と思いますが、現実にはなかなか難しいのかもしれません。

今回は、大好評の書籍『なぜ生きる』から、本文の一部をご紹介します✨

「どうしてボクは苦しむのか」「お前が幸福だったからさ……」

 

「幸福というものが、同時に不幸の源になっている。これもさだめなのであろうか」、とゲーテは嘆きました(『若きウェルテルの悩み』)。

 

恋人や健康、財産、名誉など、私たちに喜びを与え、幸福を支えるものは、不幸や涙の原因でもあります。

これらの支えが倒れたとき幸福もまた崩壊し、悲しみに沈まねばならないからです。

印象派の巨匠ルノワールは、晩年にひどいリウマチにかかり、指が変形してしまいました。

それでも、筆をにぎったまま両手を包帯でグルグル巻きにして、執念で絵を描きつづけています。

才能を発揮できない無念さを、つぎのように語りました。

 手足がきかなくなった今になって、大作を描きたいと思うようになった。ヴェロネーゼや、彼の『カナの婚礼』のことばかり夢みている! なんて惨めなんだ!
(A・ディステル著、高階秀爾監修、柴田都志子・田辺希久子訳『ルノワール』)

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病苦にあえぐ人は、健康の支えが傾いたといえましょう。
失恋に泣くのは、恋人に裏切られたから。

夫や妻を失い、子供に先立たれて悲嘆している人も、生きる明かりが消えて、涙の谷に突き落とされているのです。

やっとの思いで幸福を手にした瞬間から、苦しみの魔の手が足下から背後から近づいています。

どんな幸せも、やがて私を見捨て、傷つけずにはおきません。

この惨事を終わらせるものが、墓場以外にあるのでしょうか。

(『なぜ生きる』(著:明橋大二・伊藤健太郎、監修:高森顕徹)p.79-81)

1万年堂出版のベストセラー『なぜ生きる』

お気に入りの本も、終わりが見えてくると「もう終わりかぁ……」と悲しくなるのは、それだけ本の世界に幸せを感じていたからなんですね。

「○○ロス」に襲われると、次の楽しみを探してしまいますが、楽しい日々にしたいと思いながら、結局は、喪失感を繰り返してしまっているのかもしれません。

日頃、私たちが感じている「楽しみ」とはどんなものなのか、本質をよく見つめたいと思います。

今回ご紹介した 『なぜ生きる』は子供から大人まで、多くの人に勇気と元気を与えている書籍です。
発刊から20年たった今でも多くの方に読まれています。
忙しい日々のなか、ちょっと立ち止まって、「なぜ生きる」、考えてみませんか?

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